E3系新幹線電車とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)に在籍する新在直通(ミニ新幹線)用新幹線車両である。
概要
本系列は、山形新幹線400系新幹線電車に次ぐ新在直通車両としてJR東日本により開発され、秋田新幹線(R編成)が開業した1997年に投入された。当初は5両編成だったが、着席サービス向上のため6両に増やされている。
その後、山形新幹線新庄延伸に伴い7両編成の1000番台(L51-53編成)が1999年に投入され、2008年からは400系の老朽化による置き換え及び東北新幹線のE2系新幹線電車及びE5系新幹線電車による高速化に対応する目的で2000番台(L61-72編成)が製造・投入されている。
標準軌に改軌した在来線区間を走行可能なことから、JR東日本の新幹線軌道総合試験車にも本車両ベースのE926形(East-i)がJR東日本の全新幹線区間と改軌した山形新幹線・秋田新幹線区間で運用されている。なおR編成は、2014年3月15日のダイヤ改正で秋田新幹線から完全撤退した。
最高速度は、新幹線区間で275km/h、在来線区間では130km/h、全列車DS-ATC(新幹線区間)・ATS-P(在来線区間)搭載。
冬季早朝に単独編成で走行するとブレーキ力が不足するらしく、2024年3月6日、山形新幹線の東京発下り始発列車「つばさ121号」が高速で郡山駅に進入、約500mオーバーランする事象が発生し、東北新幹線のダイヤが大きく乱れた。(対策として、ブレーキ用のE2系を2024年3月16日ダイヤ改正時まで回送、2024年3月16日ダイヤ改正時以降はやまびこ号としてぶら下げる事になった。)
2024年3月16日ダイヤ改正時に山形新幹線にE8系が導入され、E3系1000番台(L53~L55編成)が運用から離脱し廃車回送。残りのE3系2000番台も順次置き換えられる見込みである。
車両所 | 所属編成 |
山形車両センター | L53~L55、L61~L72、R18(とれいゆ) |
廃車 | R1~R17、R19〜R22、L51、L52 R23〜R26(一部) |
番台
R編成
1995年に量産先行車、以後1997年の秋田新幹線開業までに15本の5両編成16本が落成。翌1998年に既存全編成に1両増結するとともに1編成を増備して、6両編成17本となる。その後、「こまち」だけでなく「やまびこ」「なすの」などにも増結車として使用されるようになったため、2002年から再度増備を開始、2005年で完了し最終的に6両編成26本となった。営業運転では200系、E2系及びE5系と併結。
開業時の80両は、山形新幹線開業時の400系と同様に3セクの秋田新幹線車両保有(株)が所有しリースする形をとった。リース期間満了後は全車両がJR東日本に有償譲渡されている。
量産先行車のR1のみ一つ目である。R1編成は2013年7月20日の上り「こまち36号 東京行き」及び下り「やまびこ215号 仙台行」をもってラストランとなった。
秋田新幹線では、2013年よりE6系が導入され置き換えられているが、その際に初期に投入されたE3系は廃車、解体されている。後に投入した後期型(IGBTのVVVFインバータのR18編成以降)のうちR23~R26については改造の上、L51・L52編成置き換え用として山形新幹線用として配備される(山形新幹線が7両編成の為、秋田新幹線用2編成を種車として5+2で組成しなおし1編成に改造する)。なお、一部編成(R19~22)はE6系への置き換え後も「やまびこ」「なすの」に使用されることになっている。
なお、2013年11月下旬時点で残存していた9編成には「ありがとう」ステッカーが貼られている。
今後、上越新幹線の「現美新幹線」向けに一部編成が改造される。
1000番台
山形新幹線新庄延伸対応。L51,L52は1999年の新庄延伸時に、L53は2005年に繁忙期の慢性的な混雑の解消を目的として、L54は2014年にL51,L52編成の置き換えを目的として増備された。7両編成3本が運用中。
L51~53編成は400系に合わせること及びE4系併結時に対応する形で最高速度は240km/hに抑えられていたが、E4系の東北新幹線撤退を契機に、2000番台と同一の275km/hになった。なおL54編成は当初より275km/hで運転している。
なお、L51・L52の2本は車齢がL51・L52よりも若いL54・L55編成(←R23~26編成)にて置き換えられた。
2024年3月ダイヤ改正でE8系が運用開始となったことでL53~L55編成が廃車回送され、1000番台の全車が運用を離脱した。
2000番台
400系置き換え用。1編成落成ごとに400系の1編成を置き換える形で営業運転に入り、2010年春に置き換えが完了した。2010年末時点で7両編成12本が運用中。外観は、ランプの形状、方向幕がフルLED、普通車窓側・最前・最後部及びグリーン車全席にコンセント、アクティブサスペンション(端部フル、中間セミ)が装備されているなど、1000番台と大きく仕様が異なる。同番台の空気浄化システムには、SHARPのプラズマクラスターが採用されている。
山形新幹線に新たな魅力が誕生します!
デザイン変更
2014年4月下旬より、新デザインおよび新「つばさ」ロゴに塗り替えられる予定。デザイナーは山形県出身、「KEN OKUYAMA DESIGN」代表の奥山清行氏。全編成の塗り替えは2016年度末を予定している。
「とれいゆ」
新幹線初のジョイフルトレイン。名前の由来は「トレイン」とフランス語で太陽を意味する「ソレイユ」。温泉街のような列車をイメージ。2014年7月19日に山形新幹線で営業を開始した。こちらもデザイナーは奥山清行氏。土休日を中心に年間120日程度運行する臨時列車として営業する。また、車内に足湯を導入するとても珍しい試みをしている。種車は元「こまち」のR18編成で、改造時に700番台化された。
2022年3月をもって引退となる。定期運行は3月6日で終了した。団体臨時運行は3月31日で終了予定だったが、福島県沖地震の影響で東北新幹線が不通となったため、3月12・13日・27日のみ運行して終了した。
- 11号車:普通指定席(定員23名)
- 12号車:お座席指定席[語らいの間](定員42名)
- 13号車:お座席指定席[語らいの間](定員36名)
- 14号車:お座席指定席[語らいの間](定員42名)
- 15号車:湯上りラウンジ[モノや人との出会いの間]
- 16号車:足湯[くつろぎの間]
新潟エリアを楽しむ新しい観光列車がデビューします
デザイン変更
2015年3月3日に、上越新幹線越後湯沢-新潟間において”とれいゆつばさ”に次ぐジョイフルトレイン新幹線第2弾として”GENBI SHINKANSEN 現美新幹線”投入を発表。同年10月4日において、詳細が明らかとなった。外装担当は、写真家の蜷川実花氏。運行開始日は2016年4月29日。
「GENBI SHINKANSEN」
2020年12月19日で定期運行を終了し、翌20日の団体臨時列車をもって引退した。
- 11号車:[絵画](定員18名)
- 12号車:[平面](定員21名)
- 13号車:カフェ・キッズスペース[絵画・彫刻]
- 14号車:[写真](定員24名)
- 15号車:[立体](定員16名)
- 16号車:[映像](定員20名)
画像
田沢湖駅に入線するE3系 | E6系と並ぶE3系 |
お絵カキコ
関連動画
関連項目
東北・北海道・上越・北陸新幹線及び山形・秋田新幹線の車両 |
200系 - 400系 - E1系 - E2系 - E3系 - E4系 - E5系/H5系 - E6系 - E7系/W7系 - E8系 |
東北・北海道・上越・北陸新幹線及び山形・秋田新幹線の列車 |
東北・北海道: はやぶさ - はやて - やまびこ - なすの - あおば 上越: とき - たにがわ - あさひ 北陸: かがやき - はくたか - つるぎ - あさま 山形・秋田: つばさ - こまち ※下線付きは現在不使用 |
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 4
- 0pt