ECMAScriptとは、JavaScriptをEcma Internationalが標準化したものである。
Netscape流のJavaScriptとMicrosoft流のJScriptを標準化するため、制定された。初版は1997年にEcma標準に採用されている。
バージョンと歴史
ちなみに、ECMAというのはEuropean Computer Manufacturers Associationの略である。
バージョン5まで
標準化される前の時代、JavaScriptの実装には開発元のNetscape社によるものと、Microsoft社がInternet Explorerで動作させるために開発したJScriptがあり、両者の動作が微妙に異なることがWebページ製作者を悩ませていた。
そこで両者を統一しようという話が持ち上がり、どちらにも属さない標準化団体ECMA Internationalにおいて標準化された。しかし、当時はNetscape社とMicrosoft社はブラウザ業界での覇権を激しく争う関係であったため、結局のところ標準化された部分以外で両社が独自に拡張した部分が残り、差異は完全には埋まらなかった。
1997年の第1版以降1999年12月に第3版が出されたが、覇権争いが続くため改訂は難航し第4版は欠番となる黒歴史まで残した。その後、2009年にようやく第5版を出すに至る。
バージョン6(2015)以降
その後JavaScriptを取り巻く状況も徐々に変化していく。Web上のリッチコンテンツ作成プラットフォームの主流であったAdobe Flash Playerが、iPhoneから排除されたことをきっかけに急激に衰退し、JavaScriptの地位がさらに向上することになった。しかし、その地位にもかかわらず、出自が本格的なプログラム用途というよりもブラウザ上で簡単な処理をするため(1990年代では、Webコンテンツには高度な処理は求められていなかったし、PCやネットワークも大きなスクリプトの転送や実行に耐えられるものではなかった)であったため、言語仕様的には至らないところが多数見られた。
さすがにこのままではまずいだろうということで、第6版へ向けての大規模な改訂が始まった。しかし、地位が向上したことにより過去の資産を切り捨てることが許されなくなったため、再び作業は難航。ようやく完成を見たのは2015年6月のことであった。
ECMAScript 6はECMAScript 2015と呼ばれ、当面はECMAScript 2016, ECMAScript 2017と毎年マイナーバージョンアップをしていく方針になったようである。実行環境である主要ブラウザのChromeとFirefoxがこの数年の間に、バージョンアップの方式を2ヶ月に1回に近いペースで細かく改定してく方式になっていることも影響しているのかもしれない。
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