概要
1982年から開発が始められ1989年に初飛行、1994年に台湾空軍に採用された。
経緯
1930年代から中国国民党はアメリカから軍事支援を受け、第2次世界大戦後の国共内戦によって中国本土から台湾へ追い込まれてもアメリカから支援を受けていた。
しかし1972年、アメリカと大陸(中国共産党)との国交回復=台湾(中国国民党)の国家未承認+国連議席喪失によりその支援は大きく制約されてしまった。
そんな中、アメリカから供与されていたF-5戦闘機を更新することになり、台湾はF-16戦闘機を要求したが大陸を刺激したくないアメリカはF-20もしくはF-16のエンジンをダウングレードした型を提案したが台湾はこれを拒否し、独自開発で戦闘機を開発すること決意した。アメリカはこれに対して自国の航空機メーカーに技術支援をさせる形で協力した。
なお、後にフランスのミラージュ2000が配備され、アメリカの方針転換でF-16も配備されたこともあり、当初250機台を予定していた調達数は130機台に留まった。
機体
台湾空軍が運用している戦闘機と同時期に開発された人民解放空軍のJ-8Ⅱと機体規模を比較すると以下の通りになる。
機体名 | F-CK-1 (台湾) |
F-16 (アメリカ) |
ミラージュ2000 (フランス) |
J-8Ⅱ (中国) |
F-5 (アメリカ) |
初飛行 | 1989年 | 1974年 | 1978年 | 1984年 | 1959年 |
全長 | 14m | 15m | 14m | 21m | 14m |
全幅 | 8m | 9m | 9m | 9m | 8m |
エンジン数 | 2 | 1 | 1 | 2 | 2 |
エンジン推力[1] (総量) |
8400㎏ | 13154㎏ | 9700㎏ | 14000㎏ | 4536㎏ |
最高速度 | M1.8 | M1.9 | M2.2 | M2.2 | M1.6 |
自重 (最大離陸重量) |
6.4t (12.2t) |
8.2t (19t) |
7.5t (17t) |
9.2t (17.8t) |
4.3t (11t) |
表を見ると前任のF-5よりは全長・全幅、エンジン数では同等、重量、最高速度、エンジン推力で上回る程度でしかなく、ほかの3機種とは推力、最高速度、重量、全幅の面で劣っていることがわかる。
特に単発機のF-16、ミラージュに推力、最高速度が劣っているが経国のエンジンは民間機用のエンジンにアフターバーナー機能を付けた程度の代物である。これは大陸を刺激したくない米側の圧力によるものである。
それでも原材料はともかく自国で部品生産、維持管理が容易に出来る経国の存在は大きいものであった。
搭載兵装
経国は米規格で開発されているため固定兵装としてM61 バルカン1門の他、AIM-9空対空ミサイル、マーべリック空対地ミサイルや各種航空爆弾を運用できる一方、台湾独自開発の各種ミサイルを運用できる。
空対空ミサイル『天剣』
台湾版AIM-9『天剣1』と台湾版AIM-120『天剣2』の2タイプを運用している。
取り分け『天剣2』はアジアで初めて中間慣性航法+アクティブレーダー式誘導=撃ちっ放しを実現した空対空ミサイルである。
空対艦ミサイル『雄風』
イスラエル製対艦ミサイル『ガブリエル』をベースにした『雄風1』を初代とする対艦ミサイルシリーズ。
経国が使うのは『雄風2』である。詳細は項目を参照。
F-CK-1翔展
- レーダーやコクピット系等の電子装備を改良。
- ハードポイントを増やすと共に電子装備改良に伴って各攻撃能力、特に対地攻撃能力を向上させた。
- 搭載武装に『天剣2』改対レーダーミサイル、『万剣』空対地ミサイル、『青雲』サーモバリック爆弾が追加。
ちなみに開発段階では『翔昇』⇒『雄鷹』⇒『翔展』と名称が変更されているがこれは政権交代や改良予算など政治が深く絡んでいる。
名称について
機体の愛称である『経国』は日本語で『けいこく』と読めるが、中国読みだと『チンクオ』と読める。また、機体名の『F-CK』も『FUCK』と見えないこともないが悪い意味でこの名称にしたのではない。
という意味なのである。
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関連項目
脚注
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