FAIRY TAIL -鳳凰の巫女-とは、2012年8月18日に公開されたアニメ映画である。
概要
真島ヒロ原作週刊少年マガジン連載の人気作『FAIRY TAIL』の映画第一弾として公開された。
真島作品は前作「RAVE」もアニメ化し、ゲーム化、小説化なども行われたが、唯一映画化だけは叶わず、また当時のマガジンがアニメ事業自体にもやや消極的だったことから、「RAVE」のアニメ版は多くの伏線を残したまま第一部終了時点で未完のまま終了。
その後、FAIRY TAILが連載され、3年目にしてアニメ化、さらにDVDパッケージのバックヤードが完備されていなかったRAVEと異なり、時代が進んだことでアニメ版のソフト化が比較的早期に叶い、その特典映像の中で真っ先にナツ役の柿原から「次は映画にしたい!」との要望が(半分は洒落で)出された。
原作人気もさることながら、その再現度と拡張設定の豊富さからマガジン原作アニメとしては3年ものロングランとなり、2011年末についに真島作品初の映画化が発表された。
原作者自身も「らくがき」と称したキービジュアルや衣装設定など大きく関わり、監督には同年忍たま乱太郎の映画も手がけた藤森雅也を抜擢し、脚本はテレビシリーズと同じく十川誠志が担当した。
魔法の表現技法や画調は放送しているテレビシリーズではなく、原作版を基にしている。
原作者のTwitterにて、2013年2月発刊の単行本36巻に映画本編を丸ごと収録したDVDが付属することが予定されていると発表された。
これとは別に単品Blu-ray Discも発売予定。両者には特典として「はじまりの朝」の新作アニメも収録予定。
また、原作者Twitter上にファンからの要望で「映画版ソフトに(耳の不自由な方々も楽しめるように)日本語字幕を収録してほしい」というものがあり、反響も大きかったことから収録が決定。数少ない「日本語字幕入り」の国産アニメーション映画の仲間入りを果たす。原作者もスタッフも気付かなかった部分であったため、これについてはインターネット時代ならではの末端ファンの声が映画スタッフを動かしたといえる。
物語
妖精の尻尾は「港町を襲う盗賊団の頭ギースを捕らえてほしい」という依頼を請ける。盗賊団自体は壊滅させたものの、街を半壊させた上にルーシィのミスでギースを取り逃がしてしまう。
当然ながら報酬もパアとなり、落ち込んで帰路に着くルーシィは不思議な黄色い鳥モモンと謎の少女エクレアに出会う。エクレアは記憶を無くしており、首に提げた鳳凰石を何処かに届けなければならないという。
シャルルの不吉な予知から、エクレアの旅に同行したナツたちだったが、突如闇ギルドカーバンクルの襲撃に遭う。
カーバンクルはベロニカ王国クリーム王子よりエクレアを拉致し、鳳凰石を奪うことを命じられたのであった。王子の狙いは鳳凰石によって封じられた鳳凰を復活させ、不老不死となり世界を支配することだった。仲間を守れなかったことに責任を感じたルーシィは彼女を必ず救い出すことを決意。
鳳凰復活を阻止するため、そして仲間を救い出すため、妖精の尻尾は過去最大の戦いに挑む!
主な登場人物
・ナツ・ドラグニル
妖精の尻尾の魔導士。幼い頃火竜イグニールに育てられた滅竜魔導士。鳳凰石を巡る戦いで闇ギルドカーバンクルとの壮絶な戦いを繰り広げる。
・ルーシィ・ハートフィリア
ナツチームでは一番経験の浅い星霊魔導士。依頼に失敗し、落ち込んでいたところ、エクレアに出会う。そっけない態度のエクレアに最初は戸惑うものの、彼女が自分と同じ悲しみを共有することを知ってから彼女を「仲間」として迎え入れる。しかし、彼女らには最後に残酷な運命が待っていた。
・エクレア
本作品のキーキャラクター。実質的な映画としての主人公。記憶を失っており、鳳凰石の欠片を何処かに持っていかなければならないという使命だけを頼りに各地を放浪していた。魔法が嫌いで、妖精メンバーにも冷たく接していたが、後にルーシィに心を開き、彼らの仲間として迎えられる。実は400年生き続けた不死の身体の持ち主でその肉体は鳳凰と運命を共有している。後に子どもの姿に転生し、ようやく安息の日々を手に入れた。
・モモン
エクレアが連れている黄色い鳥(モモンガ)で、唯一の理解者。誕生経緯は前売り券特典冊子を参照。ディスコミュニケーション的な態度をとるエクレアに対して周囲に平謝りするなど素直な性格。最期はエクレアを助けるため、自ら炎の中に飛び込んだ。
・エルザ・スカーレット
妖精の尻尾最強の女性魔導士。この作品で購入した衣類をどうやって魔法空間にストックしているのかが初めて明らかになった。また、ある願望が非常に強いことが今回の勝利のきっかけとなる。
・グレイ・フルバスター
露出魔で氷の造形魔導士。とうとうこの作品では裸で街をうろついたところ逮捕されてしまうというシーンが描かれた。彼の脱ぎ癖は伝染するらしく、ナツと二人で非常に美味しい所を持っていっている(当然ながら、観客には見えないが・・・)。また、最近の負け癖が祟ってか、ナツやガジルが単独で敵と交戦したのに対し、彼はジュビアと二人がかりでようやく互角という有様だった。
・ウェンディ・マーベル
12歳(19歳?)の滅竜魔導士。この作品ではパジャマ姿を披露したほか、射的にチャレンジして思わず空気砲で的に当ててしまうという可愛らしいシーンが描かれた。しかし、冒頭でハッピーを図らずも酷い目に遭わせている。
その他
既にキービジュアルやキャストなどからも明らかなように、X791年を舞台にした作品。
時系列としては、ナツにまだウェンディの酔い止め魔法が効いている点や、マスターがマカロフとなっていることから、天狼島から帰還後、アニメオリジナル星空の鍵編との間に位置する作品と考えられる。但し、若干矛盾があり、ギルドの建物が全盛期のままであったり、星空編に登場していたギルダーツが既に旅立った後であるという部分もある。
(この先ネタバレにつき反転)実は物語自体は7年前から描かれており、前売り券冊子の「はじまりの朝」がそれに当たる。ここで、闇ギルドリーダーのディストが何故不死を願うのか、エクレアが実はゼレフと同世代という映画版への伏線が登場している。(反転ここまで)
この手の作品では、本当にイメージカットになりがちなキービジュアルのシーンもきちんと映画で使われており、特にそのシーンはドラえもん映画世代は必見である(実はこのキービジュアルは初公開時、ルーシィの手にギルドマークが描かれているという致命的なミスがあったが、後に修正されている)。
また、賛否両論となったオープニングテーマも実際に使用されたのは本当にキャラ紹介のオープニング時だけでまさに「使っただけ」という「上手い使い方」をしてあり、「この時期に韓国人が関わった映画を観るのは・・・」と敬遠しているファンも安心してご覧いただけるだろう。寧ろ、エンディングに流れるルーシィ歌唱のテーマの方が映画本編に関わる楽曲となっている。
肝心の本編だが、久々の王道原作アニメ付き映画という形になっており、ここまでに登場したメインのギルドメンバーが殆ど登場するオールスター作品的な部分もある。原作、アニメ通して殆ど戦闘が描かれなかったマカオやワカバの戦闘シーンも僅かながら登場する。だが、残念ながらストーリーの関係上、一番人気の青髪の彼がスクリーンに登場することは無かった。次回作での登場を期待しよう。
ちなみに、ミラジェーン役の小野涼子は、この映画を妹リサーナを演じる櫻井浩美、ウェンディ役の佐藤聡美の三人揃ってお忍びで観に行ったことをTwitter上で明かしている。
関連生放送
関連動画
関連商品
FAIRY TAIL -鳳凰の巫女-に関するニコニコ市場の商品を紹介してください。
関連コミュニティ
FAIRY TAIL -鳳凰の巫女-に関するニコニコミュニティを紹介してください。
関連項目
- 0
- 0pt