『GAD GUARD』とは、ゴンゾ・ディジメーション(現:ゴンゾ)制作のロボットアニメ作品である。
概要
全26話。ジャンルとしてはロボットアニメであるがロボットのアクションが中心ではなく、主人公を始めとした少年少女たちの青春群像劇がメインと言える。 そのため劇中のロボット(鉄鋼人)は武器や兵器ではなく、友達や相棒のように描かれることが多い。
2003年4月にフジテレビで放送開始されたが、一部エピソードの未放送や再放送などのハプニングに見舞われ、最終的に9月に放送された20話で打ち切られてしまった。後にフジテレビ721とアニマックスで全話放送された。
関連作品としては宇本京平による小説版(MF文庫J、全4巻)、本作のプロトタイプであるいづなよしつねの漫画『SPARKS』がある。
あらすじ
ユニットブルーのナイトタウンに住む少年・真田ハジキは学校に通いながら八須賀運送でバイトをしていた。 ある日、彼が配達したものが実際に届けるべき人物とは別人に奪われるというハプニングが起こる。配達物を追ったハジキは偶然にも犯人グループと遭遇するが、彼らの用心棒・カタナの操る鉄重機に襲われて窮地に陥ってしまう。
しかしその時、ハジキが触れた配達物の中身「GAD」が周囲の物体を取り込み、鉄鋼人・ライトニングへと姿を変えた。この事件を切っ掛けに、ハジキはGADにまつわる様々な事件に巻き込まれていくことになる。
世界観
舞台は現在から数百年後の地球。人口増加により地球資源が枯渇しており、世界各国は「ユニット」と呼ばれる都市個別に再構成されている。技術的には現代より一昔前といったところで、一部では昔の工業用ロボット「鉄重機」が使用されている。
ハジキ達の住むユニット47、通称「ユニットブルー」には深夜0時以降の夜間に電力供給が止まる「ナイトタウン」、中流階級が住む海沿いの「デイタウン」、上流階級の住む高級住宅街の「ゴールドタウン」の三つのエリアがある。
登場人物
- 真田 ハジキ (声:鈴村健一)
- 16歳の少年で、本作の主人公。以前はデイタウンにいたが、父親が事故死してからはナイトタウンに住んでいる。教会が開いている学校に通いつつ蜂須賀運送でバイトをしており、いつか住んでいたデイタウンの家を買い戻すことを夢見ている。 ライトニングと出会ってからはGAD絡みの事件に巻き込まれることが多くなり、有事の際には覆面と飛行服で変装してライトニングと共に飛び出していく。
- カタナ (声:諏訪部順一)
- 18歳。経歴不詳の謎の鉄重機乗りで、左目に傷がある。ハジキが配達したGADの強奪に絡んでおり、その一件で愛機・セブンをハジキのライトニングに破壊されてしまう。しかし報酬として受け取っていたもう一つのGADから鉄鋼人・ゼロを生み出し、ナイトタウンで鉄重機乗りとして幅を利かせていく。
- 篠塚 アラシ (声:折笠富美子)
- 16歳の少女。実家はデイタウンの空手道場だが、父親に反発してナイトタウンで一人暮らしを始める。ハジキのクラスに転校してから彼とGADに関わっていく。次第に自分の鉄鋼人が持ちたいと思うようになり、後に鉄鋼人・ハヤテを誕生させた。前半はやや影が薄いが、物語が進むにつれてヒロインとしての存在感が増していく。
- 私服ではミニスカートをはいているが、坂を滑り降りようが回し蹴りをしようがハヤテに乗って空を飛ぼうが一切めくれない。一部では「鉄壁スカート」という言葉が広まった原因とも言われている。
- 如月 タクミ (声:佐藤ゆうこ)
- 正義感の強い16歳の少年。他界した両親から莫大な遺産を相続しており、それも一因となってナイトタウンの犯罪に鉄鋼人・サンダーボルトと共にで立ち向かう。しかし血気盛んで直情的な性格のために暴走することも。カタナを目の敵にしており、度々衝突する。
- アイコ・マリー・ハーモニー (声:倉田雅世)
- 16歳の少女。セントラルエレクトロニック会長を務める大資産家ラリー・ハーモニーの養女。何不自由ない生活を送っているが、自分が養女であることに内心悩んでいる。 趣味は乗馬で、愛馬・ラファエロに乗っているシーンも多い。意外と行動的で、鉄鋼人・メッサーシュミットと出会ってからは度々家を抜け出して騒動の現場に出向く。
- 蜂須賀 小五郎 (声:石塚運昇)
- 38歳。ハジキのバイト先である蜂須賀運送の社長。ハジキがGAD絡みで危険な目に遭うことには内心胸を痛めており、あまり危険な仕事はさせないようにしている。
- カトリーヌ・フローベル (声:井上喜久子)
- 28歳。自らのGADを追い求める謎の美女。GADを探すため、蜂須賀運送にトラブルという名の依頼を度々持ち込む。名前は偽名であり、本名は「GADに取られた」とのこと。
- サユリ (声:井端珠里)
- カタナと行動を共にする謎の少女。人懐っこい性格。
- 真田 キョウ子 (声:津田匠子)
- 45歳。ハジキの母。夫が飛行機事故で亡くなってからは一家揃ってナイトタウンに引っ越し、中華料理店で夜遅くまで働いている。かつてはバレリーナだったが、現在はその面影はない。
- 真田 サツキ (声:仲西環)
- 14歳。ハジキの妹。バレリーナだった母親に憧れており、ダンススクールでバレエを習っている。元々住んでいたデイタウンの家に帰りたいと思っている。
GAD
本作の鍵となる謎の物質で、「ガド」と読む。時に莫大なエネルギーを放出し、高値で取引されているものの詳しいことはよくわかっておらず、地底から採掘されるとも宇宙から降ってくるとも言われている。劇中に登場するGADの形状は主に立方体だが、それとは異なるものも存在する(加工されている可能性もあるが)。
時に人の意思に反応して姿を変え、後述の「鉄鋼人」となる場合がある。
鉄鋼人
「てっこうど」と読む。GADが人の意思に反応し、周囲の物体を取り込んで姿を変えた人型の機械。生み出した者が触れることによって自由に操れるが、時に触れずに命令するだけで動いたり、自我を持ったように動くなど謎が多い。GADについて知らない者からはもっぱら鉄重機と認識されている。大きさは10m弱ほど。
しかしGADが鉄鋼人になるのは非常に稀で、大抵は自我を持った「亜鉄鋼人(あてっこうど)」なってしまう。亜鉄鋼人は生み出した人間の欲望に従い、モンスターと化して暴れ回るのが殆どである。
- ライトニング
- ハジキの鉄鋼人。気筒のようなマフラーは状況により伸縮する。膝立の姿勢で高速移動が可能。
- 名前の由来はアメリカ陸軍の「ライトニング(P-38)」。
- ゼロ
- カタナの鉄鋼人。左腕のガトリングは銃口から指を出すことも可能。
- 名前の由来は大日本帝国海軍の「零戦(零式艦上戦闘機)」。
- サンダーボルト
- タクミの鉄鋼人。跳躍力に長けており、手からは電撃を放つ。
- 名前の由来はアメリカ陸軍航空軍の「サンダーボルト(P-47)」。
- メッサーシュミット
- アイコの鉄鋼人。高い防御力を誇るガッシリとした体躯が特徴的。
- 名前の由来はナチスドイツ空軍の「メッサーシュミット(Bf109)」。
- ハヤテ
- アラシの鉄鋼人。彼女の「空を飛びたい」という願いが強く反映されており、頭部のプロペラで飛行が可能。
- 名前の由来は大日本帝国陸軍の「疾風(四式戦闘機)」。
スタッフ
- 原作 - いづなよしつね、GONZO、錦織博
- 監督 - 錦織博
- 助監督 - 宮尾佳和
- シリーズ構成 - 錦織博、池口和彦
- ストーリーエディター - 會川昇
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 相澤昌弘
- メカニックデザイン - 村田俊治、宮尾佳和
- 美術監督 - 東潤一、飯島寿治
- 色彩設定 - 甲斐けいこ
- 設定 - 高橋博行
- 撮影監督 - 武山篤
- 音響監督 - 三間雅文、柏倉ツトム
- 音楽 - 田中公平、澤口和彦、PE'Z
- アニメーション制作 - ゴンゾ・ディジメーション(現:ゴンゾ)、アンバーフィルムワークス
- 製作 - TEAM GADGUARD、フジテレビ
主題歌
オープニングテーマ「Boomerang Boogie ~南風堂の叔父さん~」
作曲:Ohyama"B.M.W"Wataru/演奏:PE'Z
エンディングテーマ「Song For My Buffalo」
作曲:ヒイズミマサユ機/演奏:PE'Z
関連動画
関連項目
外部リンク
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