GOM Player (ゴムプレイヤー)とは、PC上で動作する無料のメディアプレイヤーである。
概要
韓国の企業グレテック(GRETECH)が開発と運営をしている。主なプラットフォームはWindowsであるがMacにも対応。
かつてのPCの世界(だいたいWindows XPが広まった頃)においては入手した動画や音声ファイルを再生するために方々を回って必要なコーデックを調べたりインストールするのが当たり前であった。しかもプレイヤーごとに対応可能でないものがあったり設定がわずらわしかったりと手間隙がかかった。
しかしこのソフトは、そういったわずらわしさがほとんどないという、当時としては画期的なマルチプレイヤーであった。最初から入っているコーデックは豊富で多くの動画再生にも対応している。さらに各種機能もふんだんに揃っていて初心者から上級者までが満足できるソフトなのである。
日本との関わり
日本では雑誌や大手サイトでおすすめであると取り上げられ、利用者もその扱いやすさを褒め称えることでさらに利用者を呼びその地位を不動のものとした。時勢に乗り遅れることなく改良を続け同様のマルチプレイヤーとの競合に打ち勝ち、今ではWindows付属のメディアプレイヤー並に利用されていることだろう。
ちなみに日本では、雑誌や大手サイトで取り上げられていた時期、「HAKOBAKO Player」という別ソフトも存在していた。個人向けオンラインストレージサービス「HAKOBAKO」(ハコ箱)の会員のために製作されたプログラムであり、そのHAKOBAKO Playerの原型となったのがGOM Playerであった。オレンジカラーが特徴のGOMと違いHAKOBAKOはグリーンカラーが特徴。
中古PCとの関連
何故か中古PC販売の世界では売り手によりこのソフトがインストールされていることが結構ある。無料で簡単に手に入るソフトをインストールしてもらうサービスを望むユーザーがどれだけいるのだろう。
事件・問題
ライセンス違反
端的に言うと他所のソースコードを引用した際における約束事を守らなかった。
ウイルス感染問題 (2014)
2014年1月、GOM Playerの日本語版をアップデートするとコンピュータウイルスに感染する恐れがあるとの報道が出た。そしてこの事件を機に多くの日本の企業や役所もこのソフトをインストールしていたことが判明した。
日本原子力研究開発機構によると、高速増殖炉「もんじゅ」にあるPC1台に感染が確認され、韓国とみられるサーバーに情報を送信していたと発表された。 [1]
国立がん研究センターなどでもPCが「GOM Player」を悪用したウイルスに感染しており、外部からの不審なアクセスが100件以上あったとされている。 [2] [3]
韓国国内ではGOM Playerのアップデートでウイルスに感染したという被害は報告されていない。このため、韓国メディアでは「日本を狙ったサイバー攻撃なのではないか」と見ているという。 [4]
関連動画
素材
関連項目
脚注
- *動画再生「GOM」使ったサイバー攻撃確認 全省庁に注意喚起 (日本経済新聞 2014年1月24日 11:19)
- *国立がん研究センターのPCが「GOM Player」悪用のウイルス感染 (ITMediaニュース 2014年02月06日 19時41分)
- *国立がん研究センター東病院における動画再生ソフトアップデートプログラムによるコンピュータウイルス感染について | 国立がん研究センター
- *「GOM Player」ウイルス問題、韓国では「違法ダウンロード動画用の“過去のソフト”」との認識 (日経クロステック xTECH 2014.01.31)
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