『GUNGRIFFON』(ガングリフォン)とは、ゲームアーツ社制作の、3Dポリゴンを使用した人気ロボットシューティングアクションゲームである。
概要
ジャンルはロボット操縦を扱ったシューティングゲームで、日本のロボゲーとしては珍しくコックピット視点を採用している。近未来の世界を舞台に、プレイヤーは歩行型戦闘車両に搭乗し戦歴を重ねていく。実際の世界を踏まえた世界観や、実在する防衛産業や兵器が登場する設定がマニアックな人々に受け、当時軍ヲタだった人は少なからず遊んだ。本職の人もハマったという(後述)。
初登場は1996年3月15日。シリーズ第一弾のプラットフォームはセガサターン。サターン登場から1年ほどしかたっていなかったが、サターンのポテンシャルをすべて使いきったといわれる(セガ以上にサターンを知りつくしたと評する声も当時からあった)。後年発売された設定資料集の中で、「セガサターンのスペック公式アナウンスがある前から、次世代機の性能を予測して開発をスタートさせた」という証言があった。
よく比較される『バーチャファイター1』よりも表示ポリゴン数が多い。ただし『バーチャファイター』が秒間30フレーム(fps)なのに対し、本作はフレームレート(実質20数フレームぐらい)を抑えたものになっている。
開発発表段階での仮タイトルは『3Dポリゴン』。当時の『ファミコン通信』(現:『ファミ通』)が「このままのタイトルでどうですか?」と問うたところ、GA広報に「バカなこと言わんで下さい!」とたしなめられた逸話がある。
世界の勢力図
2014年の日本を取り巻く状況
世界はエネルギー危機や、気候変動に伴う食糧危機から、地球を分割支配する四大勢力が限りある資源を巡って戦争を繰り返していた。中国を盟主とするアジア太平洋共同体に加盟している日本は、中国からの参戦圧力により憲法第九条を改正。新たに編成された日本外人部隊をもってこれに応じている。
そのころ、資源を求める中国とドイツはそれぞれアフリカへの進出の足掛かりを探していた。中国はエジプトと、ドイツはリビアとの関係を深めつつあったが、国境を接する2国の対立は日に日に悪化の一途をたどっていった。
登場するロボット兵器の種別について
- AWGS
”Armoerd Walking Gun System”(装甲歩行砲システム)の略。蟹や蜘蛛のような多脚型の歩行システムを第一世代としている。無限軌道の戦車よりも、山岳などの不整地踏破性に優れ、それまで大火力の兵器が進入できなかった地形を進むことが出来る。アメリカ(AFTA)軍によって高機動の2足歩行型「M16」が製造・配備されだしているが、いまだ多脚型が主流であり、それどころか各国とも20世紀設計の兵器からの更新が進んでいると言い難い。
また不整地進入能力と引き換えに失った平地での高機動性をどうするか、と言う課題があり、ローラーダッシュで高速移動を可能にした多脚型の『ブルータル・クラブ』(凶暴な蟹 の意)、二足型の『ストゥームパンター』という機体もある。 - HIGH-MACS
HIGH-Mobility Armored Combat System(高機動装甲戦闘システム)の略。MDM社により開発された、世界初の第2世代AWGSの通称とされる。MDM社による開発機は12式装甲歩行戦闘車/VW-1としてそれぞれ陸上自衛隊とアメリカ(AFTA)軍(陸軍/海兵隊)に採用されている。
それまでのAWGSが、せいぜいローラーダッシュによる機動性確保しか出来なかったのに対し、脚部のジャンプ力と、ガスタービンエンジンの噴射により空中を飛ぶこと(3次元機動)が出来る。12式はC-130輸送機に3機搭載可能であり、空挺降下も可能。
位置づけとしては「戦車の対戦車戦闘能力と、歩兵のような占領行動が可能な戦闘ヘリコプター」的要素がある。ドイツ軍も大戦末期に同様のコンセプトの「ヤークトパンター(jagd Panter)」を実戦投入してきた。
登場兵器
HIGH-MACS
AWGS
車両
航空機
登場する兵器メーカー
第一作の『GUNGRIFFON THE EURASIAN CONFRICT』 では架空の兵器にすら実在メーカーの名前が使われていた。
- MDM社(マグダネル・ダグラス・三菱/日米)
米国の航空機メーカー、マグダネル・ダグラスと三菱重工の合弁会社(という設定。唯一の「架空企業」ともいえる)。第2世代AWGSの開発を担当。
HIGH-MACS第一号の12式装甲歩行戦闘車/VW-1(両機体とも若干の仕様の差はあれ、同一の設計に基づいた姉妹機である)を設計・製造。なお、実際のマグダネル・ダグラス社は1997年、ボーイング社に吸収合併された。 - 小松製作所(日本)
建設機械で馴染み深い小松製作所である。作中では日本初の2足歩行AWGS「9式装甲歩行戦闘車」を開発。
小松製作所は実際の防衛協力企業で、96式装輪装甲車や82式指揮通信車など、装甲車を中心に開発している。 - 中国北方工業公司/ノリンコ(中国)
現在の人民解放軍同様、ロシア製兵器の「デッドコピー」ばかりという設定。ロシア製戦車の技術コピーの他、ロシア製BMX歩行戦闘車をコピーした「13式装甲歩行車」を製造している。超弱い。 - アントノフ設計局(ロシア/ウクライナ)
超巨大輸送機アントノフAn-225「ムリヤ」を製造(この機体は実在する ただし実機は1機しか建造されておらず空挺降下用ハッチはない)。ドイツ軍のヤクトパンターやロシア軍のBMXを数機輸送可能。 - アグスタ社(イタリア)
ヘリコプターを中心に航空機を製造している企業。作品にはA129マングスタが登場する - ポルシェ/クルップMak(ドイツ)
前者は自動車メーカー、後者はかつて存在していたドイツの重工業メーカー。二足型AWGS「パンター」とその発展型「フォルシルムパンター」・「ストゥームパンター」、さらにドイツ版HIGH-MACS「ヤークトパンター」を実用化した。
その他ルノー(フランス)、アルビスUK(イギリス)、アームスコー(南アフリカ)、ブレダ(イタリア)、クラウス=マッファイ(ドイツ) 等が明記され、独特の世界観を演出している。
その後のシリーズ
キャラ
(陸上)自衛隊内部での評価
都市伝説を多く含むが、以下のような物がある。
- 休暇で外出する自衛官が「ガングリフォン買ってきて」とみんなにパシリに使われ、大量購入する羽目になった。
- 駐屯地の近くにあるおもちゃ屋・ゲームショップから、自衛隊員が「ガングリフォンを輸送用のダンボールにはいったままの状態で」大量に買い占めていった
- セガサターン本体も「同様のやり方で」買い占めていった。
- やがて駐屯地内の”PX”で『ガングリフォン』と『セガサターン』が売られるようになった。
- デモ画面での90式戦車のやられっぷりに、機甲科隊員(戦車搭乗員)が本気で臍を曲げた。
- ユーザーの5割以上が自衛官、さらにその大半が陸上自衛官である。
- ゲーム中では味方のはずの中国軍を撃ってしまう。
- 民間人の友人に同窓会で「ガングリフォンってゲームおもしろいね」と話を振られ、逆に「何でソレ知ってるの?」と本気で驚いてしまった。(娑婆では流行っていないと思っていた隊員が多いらしい。)
(陸上)自衛隊内部でも一般隊員の評価が高く、「2足歩行兵器の実現は懐疑的だが、もし存在したとしたらゲーム画面のような照準や情報パネルの配置になるだろう」「(これが実在する兵器であったら)操縦シミュレーターとして使用できる性能」といった声もあったという。
ガングリフォンファンによるコンテンツ
関連動画
関連商品
関連サイト
- ゲームアーツ公式サイト
- 戦研D班(ガングリフォンシリーズ ファンサイトの攻略ページ)
- ガングリフォン.jp
関連項目
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