K`sfilmとは、乗り物を中心とした旅行動画を製作している1ユーザーのレーベル名。
発端
製作の発端は、バイクの車載動画で北海道ツーリングを見て感動したのと元々サークル活動や結婚式の動画を趣味でやっていてニコニコ動画向けに、自ら動画を製作しようとしたとされている。
経緯
いざ動画を作るにせよ、当時の製作者はバイクの免許を取得したばかりでロングツーリングをする勇気がなくバイク動画が製作出来なかった。
それならと元々鉄道旅行が好きな事もあり、鉄道旅行記を製作した第一弾が「 ニコニコ鉄道旅行記-北海道編-」である。
ただし所有していたビデオカメラ(DVテープ式)の調子が悪く、使用出来ない状態であった。
カメラがない状況で困った製作者だったが、たまたま閲覧した動画がコンパクトデジタルカメラを使用している事を知りデジカメの動画機能への関心を寄せる。色々と調べた結果、友達が所有しているPanasonic社製Lumix FX-30が動画撮影に適している一台との結論に達し借り受けたのであった。
これがデジカメで動画を撮影する起源であり、安いデジカメでどれだけ高画質でアップするかがコンセプトになった所以でもある。
さすがにいつまでも借りている訳にもいかず、自己所有のカメラの購入を検討し始めた。
ビデオカメラの更新をしたかったが、HDカメラがまだ10万円台と高価だったのと、デジカメのコンパクトな形状が思いついた時にすぐに撮影が出来る機動性の良さからデジカメに絞って検討する。
たまたまヨドバシカメラドットコムにて特価販売していたcasio社製EXILIM EX-V7(売価19,800円 ポイント20%)が動画に強い事を知り、入手に至る。
この時期に編集ソフトの更新も考え始める。
北海道編まではCOREL社製VIDEO STUDIO 11を使用していたがパソコンとの相性が悪くなかなか使いにくかった。そこで新しくSONY社製Vegas Movie Studio 8 Platinum Editionへ移行した。
この新体制で作成したのが「ニコニコ鉄道旅行記-飯田線-」(1回目はVIDEO STUDIO 11を使用)になり、現在でもこの組み合わせで 撮影・編集が行われている。
撮影・編集
1カットが数秒から10秒前後と短いことが多いのが特徴的。 これは手軽に撮影を行えるデジカメを使用している事で、思いついた時に撮影が行われているのが見て取れる。
それ以外にも理由があり、連続したカットでは間延びしてしまいユーザーが飽きてしまう恐れがあるためだとされている(撮影者が昔友人から見せられた無編集の動画や親類の幼児の動画を延々と見せられうんざりされた経験から来ている)。
また、空から目標物へ移行する流し撮りも多いのが特徴だ。これをする事により全体的なイメージが掴みやすいのと動画に動きが寄与される効果を利用している。
音声は自身が喋る事は殆どなく、テロップで説明や表現がされている。
但し、北海道編第二回のすすきののBARのシーンではバーテンダーと会話をする貴重なシーンも一部収録されている。
使用されるBGMはアニメ・ゲームのBGMは殆どなく、全体的にJ-POPを中心にセレクトされている。
鉄道旅行記シリーズ
製作第一弾、製作者の転職期間の休暇を利用し5泊6日間の鉄道旅行を収めた作品。
撮影を始めた初日は鉄道ばかり撮影していたが、北海道へ踏み入れたからの風景に感動し、鉄道以外のものも撮影対象にし始める。
どうせ撮るなら閲覧しているユーザーも一緒に旅をしている気分になれたら面白いかもと思い、歩行シーンや食事シーン、そしてBARなどでのお酒を飲むシーンを含め、常にカメラを回すスタイルを確立し始めた。
二日目も同様にさまざまなシチュエーションを撮影した時、釧路での夕食にてたまたま注文した活イカ刺しが新鮮であったのを表現する為に、「プルプル」と食べ物を震わせる行為が行われた。今では食事シーンにて食べ物を震わせる事が定番化し、ユーザーからのコメントには「プルプルプル」などが入力される。また美味しい食材の場合に親指を立て「GOOD サイン」も行われる。
その後は、鉄道・食事・飲酒が3本頭として鉄道旅行記の基礎が出来上がる。
製作第二弾、正月休暇を利用して青春18きっぷでの飯田線の旅を収録した作品。
ただし飯田線編とタイトル付けがされているが、実際の収録時間は1~2分程度と飯田線までの行き帰りの方が長い。
これは製作者が飯田線の乗車が余りにも長すぎる為に飽きてしまい、ろくに撮影が行われていなかったと言われているが真意は定かではない。
またカメラがCASIO EXILIM EX-V7へ移行した事や、編集ソフトが1回目がVIDEO STUDIO 11、2回目がSONY社製Vegas Movie Studio 8 Platinum Editionと新しい体制に移行した事で、カメラ・編集ソフトの試験的な要素がある作品でもある。
二回目の終わりにおまけとして、北海道編でコメントをされた一部に答える質疑応答動画が加えられているのも特徴的だ。ただし返答したコメントの内容がどうでも良い内容が多く、製作者の的外れな性格が見受けられる部分も否めない。
製作第三弾、今回はコメントリクエストにあった九州編の希望に応え博多・長崎への旅行を収めた作品。
製作者の都合上、旅行前の数日間が大阪での研修出張と重なってしまい、大阪からの出発となっている(その件に関しては第一回の冒頭に説明が行われている)。
第一回目の移動シーンでは、BGMにシックな曲が使用されている。
それに伴いカメラワークも斜めから車窓を覗くアングルや、回転・パンなどの効果が随所に入れられ、鉄道PV風な仕上がりを意図した編集と見受けられる。
しかし結果としてニコニコ鉄道旅行記の能天気な旅行と言うテイストが薄くなってしまい、しんみりしてしまったと製作者本人が反省のコメントを残している。
その後の博多・中州では食べて・飲んで・プルプルさせると言う、ニコニコ鉄道旅行記らしい本来の姿に戻されている。
長崎では、移動に便利だと言う事で電動自転車(Panasonic製)をレンタルしてさまざまな名所が紹介されているが、「坂の街長崎」と言われるだけに坂道に翻弄されている様子が動画から伝わってくる。
また、日本三代がっかり観光地に指定されているオランダ坂にて余りに短いただの坂であるが故、一気に自転車で駆け下りて紹介する暴挙を行っていたりする。
三回目の特急「かもめ」号で博多へ戻るシーンでのテロップで「かごめ」と誤植があり、ユーザーから「ケチャップかよ」とツッコミが入っている。
本人曰く、ツッコミが入るまで気が付いておらず、訂正のため再アップをしようにもそれなりにコメントが入っていたのでそのままネタとして残す事にしたとの事だった。
また誤植に関しては他にもあり、エンディングテロップでは「大宰府⇒西鉄四日市⇒天神」と表記する所を「大宰府⇒西鉄四日市⇒大宰府」と入力されていて、戻ってどうするのか?と疑問を持つようなものもある。
技術面では、コーデックにH.264が採用され大幅に高画質化されている。
北海道旅行シリーズ第二段、今回は時間的制約もあり札幌を中心とした道央の旅行記作品。
2泊3日の短期間であるが故、北海道までの移動には飛行機が使用され、鉄道のスタートは新千歳空港駅からとなっている。
北海道シリーズでおなじみななりつつあるすすきの界隈での飲食やBAR(SUNTORY BAR 1999)でのやりとりは今やお約束になりつつある。
肝心の鉄道旅行は、ローカル線への乗車を目的として留萌本線の全線乗車を行っている。
また、札幌での移動は地下鉄を利用しているところが動画に収録されているが逆に言うと鉄道関係はこの程度しかない。
この事に反省をした製作者は「酒に呑まれる体たらく」ぶりを反省して、次回作に鉄道乗りっぱなしの旅を企画したのかは未だ不明である。
2008年に公開した作品と未公開作品を総集編としてまとめたもの。
とにかく見せる事にコンセプトを置き、楽曲と映像のコラボレーションを目指した作品である。
ポップなテクノサウンドであるperfume「エレクトロワールド」を使ったBGMと数秒ごとに入れ替わる動画は一般人の視聴を意識して、鉄へのアプローチをしたかったとの本人談。
タイトルも一新し、アニメーションと立体化をしている。
番外編的な位置づけなので、自由気ままな編集が出来たことが伺える。
今回の作品より、WVGA(800×450)へのサイズ変更により高画質化がなされ、更に元動画もHD化(映像以外)され、将来へのHD動画対応への対策がなされている。
なおYOUTUBEにはHD動画版がアップロードされている。
正月フリーパスを利用した、乗り鉄をメインにした作品。
前回の北海道・道央編で鉄道に乗らず酒に呑まれていた事を反省し、とにかく鉄道に乗る事だけに集中して行ったとされている。
冒頭の映像では、ユーザーに語りかけるシーンから始まり旅への決意を伝えてはいるものの実際はネタ動画として製作されており、やはり本人には酒とプルプルは外せなかったようだ。
だが、後編では編集テイストが一気に変化し、食事・飲食シーンはすべてカット。
更に曲調もメッセージ色が強い楽曲がチョイスされ、1シーンの長さ(尺)も通常より長めに編集されている。
本来K`sFilm作品の多くは、ゆるく・軽く・とっつきやすい等が特徴で、「一般人が見ても飽きない鉄道旅行動画」がコンセプトにおかれている。
しかし、作品を生み出すうちに撮影場所だけ替えただけの似たような動画を作ってはいないか?と本人の自答自問が行われていた。
その答えのひとつとして、後編はすべての本シリーズの特徴を切りさったテスト的な作品に仕上げたとの事。
これらの反応を見つつ、これからの方向性を探っていくものと思われる。
バイク旅行記シリーズ
ニコニコ動画の作成を行うきっかけになったバイクの車載動画だったが、ついに念願がかなった作品。
実はこの作品の制作にあたり、車載する為のテストを幾度と無く行っていたとの事。
特にバイク動画では、振動によるカメラぶれや風圧によるウインドノイズとの戦いであるが故にマウント固定に一番苦労・模索したとの話だ。その甲斐があってか、大きなゆれが少なくカメラアングルも正面の他、左右へも視点変更される新たな車載動画スタイルを提案している。
内容は、鉄道旅行記のバイク版ともいえるもので食事・観光・飲酒を忠実に守ったもので大きな変化は無い。
今回は北陸の地を目指し、数多くの場面が収録されている。
特筆するのはオープニングが挿入されていることだ。
これはバイク関連動画で予告編がアップされるようになってそれに触発されたらしい。
本人曰く、フジテレビF1をイメージしたとの事である。
その他作品
○デジカメでPV風に撮ってみた-京浜急行編-(2008年3月)
安価なコンパクトデジカメでいかに高画質にアップロードするかを追求するためのテスト作品。
新環境による編集やエンコード設定による高画質化の他にも、撮影時のカメラワーク等でも新しい試みをしており、これらの成果は以降の作品作りにて発揮されていくことになる。
しかし、直後の作品となる鉄道旅行記長崎編(2008年5月)ではこれらの技術を駆使することに偏ってしまい、前述のように本人による反省コメントが述べられている。
関連項目
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