L.A. Noireとは、Rockstar Gamesが発売を予定しているアクションアドベンチャーゲームである。
北米では2011年5月17日に、日本では2011年7月7日に、PS3とXbox360でそれぞれ発売された。またPC英語版が2011年秋に発売された。
タグ検索「L.A._Noire」or「L.A._ノワール」or「L.A.Noire」or「L.A.ノワール」
警告
- 本ゲームには暴力シーンやグロテスクな表現が含まれており、あなたがそれを苦手とする場合、このゲームを遊ばない権利がある。
- ニコニコ動画や大百科の本記事や掲示板には本ゲームに関するネタバレが含まれている可能性があり、あなたがそれを嫌う場合、あなたにはブラウザの「戻る」ボタンや×ボタンを押す権利がある。
- あなたはゲーム自体の内容、あるいは諸動画や当記事の内容について、当記事の掲示板にニコニコ大百科利用規約に従った上でコメントを行う権利がある。
概要
タイトルの「Noir」とはフランス語で黒を意味する単語で、犯罪など退廃や堕落を描く映画のジャンル「フィルム・ノワール」の意味も踏まえる。つまりタイトルが意味するところは「暗黒のL.A.」「堕落したL.A.」だろう。
オープンワールドの中でミッションをこなしゲームを進めていくと言う、今までのR★の方法論に準じた作品。しかし今までの作品とは、ロサンゼルスという実在の街が舞台である事、主人公がロサンゼルス市警察(LAPD)の刑事であることなどの点で異なる。
プレイヤーはゲームの世界において、1940年代の捜査を疑似体験できる。基本的に常に何らかの事件の捜査をしており、また警察という身分上民間人を射殺することはできず、車を拝借はできても自分のものにはできない為、GTAシリーズやレッドデッドリデンプションなどと比べて自由度そのものは低い。但し広大なワールドによって行動範囲は広い。
時代背景や雰囲気など、ラッセル・クロウらが出演した映画「L.A.コンフィデンシャル」や、これの原作を含むジェイムズ・エルロイの「暗黒のL.A.四部作」のような雰囲気がある。また刑事ドラマという分野を確立した「Dragnet」の初期の時代でもある。
ワールドは1940年代のロサンゼルスを再現しており、音楽なども時代を象徴するジャズなどを使用されている。登場する車種は当時実際に使用された車になっており、今までの「それっぽい車が出てくる」のとは大きく異なる。さらに被害者の遺留品や証拠物件となる小物類として、エルジンやヴァシュロン・コンスタンチン(ヴァシュロン・コンスタンタン)の腕時計やティファニーのアクセサリーなど、実在ブランドのものが登場することでリアルな世界を演出している。
モーションスキャン
今作においては、相手の表情の変化を敏感に読み取ることが何より重要となる。
これを実現するために、開発スタジオは、『MotionScan』と呼ばれる撮影・描画システムを開発し、今作の開発に導入している。
これは、前後左右上下の全方位から計32台のカメラで、俳優の顔の変化を撮影し、CGモデルに反映するというもの。
本作では登場人物の全てにこれを採用しており、400人以上もの俳優全ての顔の変化をゲームに取り入れるという無茶を犯している。
これによって、従来のモーションキャプチャーに比べてより複雑で多様な表情変化を収録することが出来、取調べなどで相手の表情の微細な変化を敏感に読み取ることが可能になった。
まあ、このキットの開発のせいでスタジオは潰れたんですけどね。
登場人物と所属部署
パトロール課
フェルプスが最初に配属される部署。ここでの一連の活動は、チュートリアルになっている。
交通課
刑事になったフェルプスが最初に配属される部署。ここでは交通事故など、自動車が関わった事件を捜査して真相を明らかにしていく。
殺人課
刑事の花形である殺人課。華やかな街の裏側にある暴力の世界を、最も良く見ることになる部署。
風紀犯罪課
売春や麻薬など、社会風紀を乱す犯罪を取り締まる部署。だからといってフェルプスが白いフェラーリに乗ったり、裸足に靴を履いてヨットに住んだりはしない。
放火特捜課
火災が発生し、原因として放火が疑われた場合に捜査を行う部署。放火は愉快犯から、保険金など利益目当てのものなど様々である。ジプシー・キングスの「インスピレイション」をBGMとしてかけてみよう。
実在の人物
システムや特徴
街の移動
LAの一部ではあるがリアルに再現され、そのワールドの中を徒歩や自動車で行き来しつつ、犯罪を捜査していく。展開の節々で体力の回復が行われるので、街の中で食べ物や薬を買って回復する必要はない。
主な移動手段は車だが、自分で運転するほか相棒に運転させることも可能。相棒に運転させる場合は、車内での会話部分を除いて目的地に瞬時に移動出来る。
事件の捜査
各ミッションの冒頭で上司から担当する事件が割り振られる。その事件を捜査し解決することがミッションの主目的である。
捜査の中身は現場での証拠品探し、聴取、尾行、犯人との格闘や銃撃戦、追跡で構成される。新たな証拠や証言を得ることで行動の選択肢が増え、新たな行動でさらに手がかりを得ることを繰り返して行き、事件の真相に迫っていく。
- 証拠品探し
-
聴取
- 事件の目撃者や被害者の関係者、逮捕した被疑者に聴取を行い、その証言がさらなる手がかりとなる。だが人間はウソをついたり誤魔化すもの。フェルプスはその証言が信用できるのか、疑って揺さぶりをかけたほうがいいのか、或いは明らかにウソや誤魔化しがあって反証できるものなのか、判断しなければならない。反証する場合は他の人から得た証言や、捜査過程で入手した証拠を突きつける必要がある。ウソを付いている奴を信じたり、逆に真実を語る者を疑ったり反証すれば、捜査は遠回りを強いられる。
ウソを付く人間を見破るための方法として、表情を読み取る手がある。ウソを付く人間はソワソワしたり、目を逸らしがち。そこを見抜けば、少なくとも本当のことを言っているのかどうかぐらいは分かるだろう。
どうしても分からない時の為の救済措置として、直感によって選択肢を減らしたり、他のプレイヤーの選択肢をネット経由で見たりもできる。みのもんたの「ざんね~んwwwwww」という顔を見る前に、これらを使ってみるのも一つの手。
「もういいました」と言われてゲームが手詰まりになることはなく、上手く聞き出せなくても別の方法で必ずリカバリーできる。これだと評価は下がるがクリア自体はできるので、あえて割り切るのも手。
- 事件の目撃者や被害者の関係者、逮捕した被疑者に聴取を行い、その証言がさらなる手がかりとなる。だが人間はウソをついたり誤魔化すもの。フェルプスはその証言が信用できるのか、疑って揺さぶりをかけたほうがいいのか、或いは明らかにウソや誤魔化しがあって反証できるものなのか、判断しなければならない。反証する場合は他の人から得た証言や、捜査過程で入手した証拠を突きつける必要がある。ウソを付いている奴を信じたり、逆に真実を語る者を疑ったり反証すれば、捜査は遠回りを強いられる。
- 尾行
- 格闘や銃撃
- 追跡
フリーパトロール
所謂フリーモード。パトロールを除く各課毎に用意されており、各課事件を全て解決した後でメニュー画面の「CASE」から選択することができる。街頭犯罪への対応や車のアンロックなどに有用なモード。
街頭犯罪
自分で車を運転して目的地まで移動している場合、無線で街頭犯罪の知らせが入ることがある。無視しても良いが、無線に応答して現場へ駆けつけて対応することも可能。全くのランダムで起きるわけではなく、市内各所の決まった場所で全40種類の事件が発生する。
街頭犯罪の解決は、トロフィーを得るための条件ともなっている。また街頭犯罪はフリーパトロールでもできるので、本編中には対応できなかった事件をフリーパトロールでクリアしても良い。
服
フェルプスが着用する服は、ゲームの進展やダウンロードコンテンツを購入することで、新たなものが手に入る。服はポーズメニューで着替えることが出来、それぞれに補助的な効果を持つ。
小ネタ
- 聴取の途中でセーブ
1940年代のロス市警
ゲームでは1940年代のロス市警が再現されている。その一部について現代と比較しつつ解説する。
非常用電話
フェルプスが屋外で警察と連絡を取る時に使う非常用電話。当時はまだ携帯無線機がなく、無線と言えばパトカーに搭載されているものだけだった。そこで徒歩のパトロール警官が連絡を取ったり、屋外で署や本部と細かい情報のやり取りを使うのに使われたのが、街頭に設置された警察用電話である。回線は警察の通信室に直通していた。
時代が下るにしたがって警察官は小型の携帯無線機を携帯するようになり、いつの間にか廃れてしまった。現代では警察のデータベースや全米の捜査情報ネットワークにアクセスできるMDT(モバイルデータターミナル、端末)がパトカーに搭載されており、また最近は誰もが携帯電話を持っているので今後も不要なものである。
警光灯の無いパトカー
昔のパトカーは警光灯がなく、あっても点滅しない警光灯が前方に向かって照射される程度のものだった。サイレンは電子式ではなく、モーターが回転して音を発生させるモーターサイレンである。以後、時代を経るごとに他の交通に対する信号能力が高められることになり、モーターでリフレクターが回転する警光灯が普及した。
今では回転灯に変わって、ストロボやLEDの警光灯や普及しており、また警光灯も屋根に載せるだけではなく車体のあちらこちらにつけられる事が多い。この時代のパトカーとは異なり、現代のものはまるでデコトラのようだ。
8 Point Hat
パトロール警官が被っている制帽。8つの尖った頂点があることから、8 Point hatと呼ばれている。この当時のロサンゼルス市警は8 Point hatを制式としていた。
現代のロス市警では前端部に丸い頂点のあるPeaked capが制式となっている。ただし式典などを除けは被っている者は殆どおらず、ほぼ100%の制服警官は無帽で勤務している。ヘッドギアを装着して勤務につくのは白バイ隊員や出動したSWATなど、ヘルメットを装着する者ぐらいである。
リボルバーとガバメント
警官が携帯する拳銃は、S&W M&Pやコルト・ディテクティブスペシャルなど38口径のリボルバーや、45口径のコルト・ガバメントである。これらはその名の通りの信頼できる警察用銃として、当時は様々な法執行機関で採用されたものだった。
現代ではこれも様変わりし、制服にせよ刑事にせよ、多くの機関で採用されているのは9mm又は40口径のセミオートマチックピストルである。1990年代前半頃には全米各地の法執行機関でサービスピストルを見直しが行われ、携行弾数が多くてリロードがしやすいピストルへと変更していった。ロス市警はベレッタM92Fを採用し、近年はグロックも採用している。
その他
今作の開発を担当したのは、チームボンディというオーストラリアのスタジオである。
チームボンディが設立され、構想が生まれたのは2003年。開発がスタートしたのは、2006年。発売までゆうに8年を費やしている。
特に、前述の『MotionScan』などは、PS3などの当時の次世代機の登場以前から開発がスタートしていた。
これは、そもそも、次世代機・PS3独占タイトルに今作を発売するために、ソニーが資金を出してチームボンディを設立したためであった。
が、チームボンディの構想を実現するためには、この『MotionScan』をはじめとして多くの技術的試験を必要とし、ゲーム製作以前の段階で繰り返される技術テストによって、開発費は膨れ上がり続けていった。
これに対して、ソニーは徐々に今作の開発に拒否を示し始め、ついにはもう金は出せないとして決裂する。
ソニーは「金のことを考えない無茶な開発姿勢」と言っているが、逆にチームボンディ側は「ソニーが肝心なところで金を渋ったから、期間も長引いて費用も余計にかかった」としている。
こうして、チームボンディはソニーの手を離れロックスターゲームスと手を結ぶ。一説には、ロックスターはソニーの4倍以上の費用を提供してくれたという。
だが、それでも資金を使うだけ使うチームボンディの姿勢に、ロックスターゲームスさえも難色を示し始め、発売にこそこぎつけたものの、決裂。
今作の続編の製作は絶望的となり、チームボンディはロックスターからも離れて新たなパブリッシャーを探すことになった。
が、世界で400万本以上を売り上げた今作だが、それでも開発費用の全て(スタジオ設立費用から含む)をカバーするに至らず、チームボンディは2011年8月に破産を申請した。
関連動画
関連商品
Thin Police Line LAPD Thin Police Line LAPD Thin Police Line LAPD Thin Police Line
LAPD Thin Police Line LAPD Thin Police Line LAPD Thin police Line LAPD Thin
気分を盛り上げる映画
気分を盛り上げる小説
関連項目
外部リンク
- 6
- 0pt