M6 ブッシュネルとは、賀東招二氏のライトノベル「フルメタル・パニック!」、及びそれを原作とするアニメシリーズ・コミックシリーズ、並びフルメタル・パニック!アナザーに登場する人型兵器、アーム・スレイブの機種名である。
本記事では派生機並びM6をベースにした機体についても紹介する。
概要
フルメタル・パニック!の作中ではアーム・スレイブ(以下「AS」と表記)には第一~第三までの世代が存在し、その中でも主流となっている第二世代に属する機体。
一般では噂レベル程度に後継機である第三世代AS(M9 ガーンズバック)の開発についての情報が流れているが、フルメタル・パニック!!の時代では既存の第二世代ASは生産数も含めまだまだ現役の状態であり、十数年を経たフルメタル・パニック!アナザーの時代においても、ソビエト連邦崩壊に端を発する軍縮の流れから第三世代ASの配備は大きくは進んでおらず、米軍ですらM9とM6混成のハイ/ローミックスでの部隊編成が殆ど。M6A1/M6A2/M6A3/M6A2E2などの数々のバリエーション機体も含め、今も世界中の戦場で見られるポピュラーな機体となっている。
アナザーの時代においては、入手ルート次第ながら、中古ASが旧式第二世代で20万~100万ドル、現行第二世代だと200万~500万ドルで購入可能らしい。
尚、意外な話ではあるが、標準的なM6 ブッシュネルのデータは長らく不明のままで、2014年9月出版のTRPGルールブック「フルメタル・パニック!RPG」でようやく陽の目を見ることとなった。
M6
名称 | M6 ブッシュネル |
全高 | 7.9m |
基本重量 | 11.4t |
最高自走速度 | 115km/h |
最大跳躍高 | 15m |
最大作戦行動時間 | 140時間 |
動力源 | ガスタービンエンジン ライカミング AGS1500A(1380kw) |
固定武装 | 無し |
世界中の兵器事情に衝撃を与えた「M6ショック」、その要因となった機体。
M6ショックと作中に述べられている通り、よく訓練された兵士程度の動作が可能で、様々な火器を取り扱うことができ、動作も以前の第一世代ASであるM4を超えた機敏さを有しており、見晴らしの良い広大な平地や砂漠のようなASが完全にアウェイの地形でも限りは、戦闘ヘリや戦車を逆に狩ってしまう能力・性能・機動性を持って登場した。
この事は世界各国の兵器事情に衝撃を与え、米ソ以外の先進国が独自ASの開発に着手するきっかけになった。日本の自衛隊では、M6をベースにして国産第二世代ASである96式が開発されている。
本編の時代(1990年代末期)では中古のM6がおおよそ一千万ドル程度だったが、年または月単位でかなり値下がりが進んでいる。また、中古、新品問わず世界中でM6が運用される中、他国の第二世代ASと比較しても性能面で優位にある事が語られている。
尚、M9 ガーンズバック(ミスリル仕様)が超上級者向け仕様なのに対し、実にアメリカンな扱いやすい機体という評価であり、マオとテッサがささいな諍いで模擬戦を繰り広げる事となった「猫と子猫のR&R」においては、運動音痴のテッサがあえてM6(ECS搭載のM6A1/A2型の可能性あり)を選んだ。
スパロボJとWでは、ヤラレ役や雑魚敵として最適な為か結構な頻度で登場する。Wにおいては二週目以降、ショップで購入することでAS乗りの宗介達は乗り換え可能(弱いが)。
M6A1
改修モデル。ヴェトロニクスの強化に加え、レーダーや赤外線などの波長探知を困難にする画期的なステルス装置、ECS(Electric Camouflage System:電磁迷彩システム)が搭載され、より攻撃的な性格を持つ兵器となる。具体的なデータは語られていないが、米軍では殆どの機体がこのA1型かA2型に改修されている。
M6A2
A1型をベースにした改修モデル。M6A1のヴェトロニクスとECSに加え、反応装甲の盾を持つ事から、非対称戦重視の装甲防御力を強化した機体の可能性がある。作中の会話に米軍沖縄基地にはこの機体が配備されている事が示唆されている。
M6A3
名称 | M6A3 ダークブッシュネル |
全高 | 7.9m |
基本重量 | 10.4t |
最高自走速度 | 135km/h |
最大跳躍高 | 25m |
最大作戦行動時間 | 170時間 |
動力源 | ガスタービンエンジン ライカミング AGS1500C(1430kw) |
固定武装 | M134 7.62mmミニガン×2 M2 12.7mm重機関銃×2 |
M6A3<ダーク・ブッシュネル>の名で呼ばれる、特殊部隊向けAS。各部の改修の他、大容量コンデンサを搭載し、短時間であれば無音駆動が可能な機体。第二世代ASにおいては最高水準と言われる性能を誇り、米海兵隊などが装備している。破損リスクを度外視すれば、M9に押し勝つパワーを持つ。
本編においては、テロリストによるペリオ諸島の化学兵器処理工場占拠をうけて米海兵隊がM6A3の部隊を派遣したが、ガウルンの乗るラムダ・ドライバ搭載機ヴェノム(コダール)相手では分が悪すぎたため壊滅している。ミスリル壊滅後、単身でかなめを奪還せんとする宗介があるツテから入手、偶然合流できたかつての仲間と共に、ラムダ・ドライバ搭載型ASと交戦、撃破する戦果を上げる。
M6A2E3
名称 | M6A2E2 ブッシュマスター |
全高 | 7.9m |
基本重量 | 16.8t |
最高自走速度 | 78km/h |
最大跳躍高 | 8m |
最大作戦行動時間 | 140時間 |
動力源 | ガスタービンエンジン ライカミング AGS 1500C(1430Kw) |
固定武装 | M134 7.62mmガトリングガン×2 M119A3 105mm榴弾砲 M261 ハイドラ70ロケットランチャー×1~3 |
基本携行火器 | GE社製 M168 20mmガトリングガン アライアント・テックシステムズ M242 ブッシュマスター 25mm機関砲 |
M6A2E3<ブッシュマスター>の愛称で呼ばれる、火力支援用の機体。携行火器にM242ブッシュマスター機関砲をよく用いていた事から、非公式の愛称として定着したらしい。
AS同士の戦いや戦車相手にはまったく不向きだが、市街戦を含め、非対称戦の多い昨今ではその搭載火力もあわさり歩兵部隊の守護神ともされる機体。相手から見れば弱いものいじめ専用、歩くガンシップであると、アナザー巻末では紹介されている。
肩部には射程14kmを誇るM119A3(M119のAS用改良型)105mm榴弾砲とM261ハイドラ70ロケットランチャーを搭載、一機で市街の数ブロックを焼け野原にできる火力を有する。
その代わり、過大な重量のため外付けマッスルパッケージである「ブルローダー」補助駆動システム(ツーソン・インスツルメンツ社製。社長はジョンジーこと、テッサ大好きなロクデナシ爺の一人)を搭載することでカバーしているがどうにか動ける程度で、戦車やASとの直接交戦には不向き。
非対称戦での適性も合わさって輸出も増えているが、ASの普及の結果、機体の損害が増加傾向にある様子。ただ、車両では移動困難な地帯で歩兵に同行できる貴重なガンシップ的機体のため、後継機となるM9系の火力支援機体、M9A1E1<アーセナル・ガーンズ>の配備が充実するまでは、まだまだ現役で活躍し続けるだろうと語られている。
アナザーでは、達弥がラシッド共和国軍との模擬戦で二日酔いのカルロスの代わりに搭乗。指揮官機を撃破する。が、砲の損傷と交戦規定違反で大目玉を食らう羽目になった。
M6を原型とした機体
名前のみ出て来るARX-6 ハルバードと自衛隊96式、96式改が該当する。以下に暫定的に記す。
ARX-6 ハルバード
M6をベースにした機体。ウィスパードであるバニ・モラウタが携わったラムダ・ドライバ研究において、実験機材の集合体状態では高度な検出機器でやっと確認できる超常現象を引き起こす程度であった所を、ASという人型に搭載することで、飛躍的に引き起こせる現象のレベルを引き上げた初めての機体とされている。
とはいえ、出力不足は如何ともし難く実験機の域を出なかった。その事から本機の研究結果を基にARX-7 アーバレストの建造に着手する事となった様子。なお、同じくウィスパードであったレナードはこの機体に「出来損ない」との評価を下している。
96式
名称 | 96式 |
全高 | 7.8m |
基本重量 | 14.1t |
最高自走速度 | 100km/h |
最大跳躍高 | 14m |
最大作戦行動時間 | 110時間 |
動力源 | ガスタービンエンジン 三菱重工MGT1101(1300kw) |
固定武装 | 三菱重工 12.7mm M2 重機関銃×2 |
※アナザーでは改良型の96式改のデータが紹介されているが、96式の公式データはフルメタル・パニック!RPGが初出である。
日本国産の第二世代AS。原型はM6をベースにしているが、専守防衛や様々な政治的横槍その他から、開発段階で防御重視で設計された機体。この防御重視のコンセプトは非対称戦対応も視野に入れたと言えば聞こえは良いが、開発時点での技術不足は防御重視のコンセプトとのミスマッチングを引き起こした上、ASという新しい兵器への理解力不足が重なり、完成はしたものの国民は怒っていいレベルの機体とも言われている。
フルメタ本編では、お台場の巨大ASテロ事件で緊急出動で訓練用マッスルパッケージのまま出撃、目立った戦果を上げる事無く為す術も無く撃破されてしまった可哀想な機体。
96式用に開発・調整された武装の運用を想定したFCSと三指のマニピュレータが仇となり、殆どの西側諸国系のAS用武装は扱えない模様。他の特徴として、殆どのASがオペレータ一人での運用を前提にしているが、96式には複座の機体も存在する。マンツー指導での訓練の他、実戦では機体制御、射撃、索敵、電子戦を分担できるものと考えられる。
M6と比べて重装甲な他は、電子兵装はM6A1やA2に匹敵するものが搭載されているとされ、機動性能の面以外はそれほど悪い機体という事では無いようだが、他の登場がアニメ本編放映当時、ファンの間で物議を醸した「習志野は燃えているか」というオリジナル回であった事も含め、色々扱いが不遇である。習志野といえば空挺団、空挺AS降下についてはM6を超えた重装甲の機体で普通に成功させる練度と思ってるミリオタ多数だっただけに。
尚、お台場の巨大ASテロ事件で出撃していたのは、アナザーで登場する下村悟一等陸佐の部隊(部下2名は殉職、下村も右脚に重症を負い、AS操縦者としての未来を閉ざされた)だった。
96式改
名称 | 96式改 |
全高 | 7.8m |
基本重量 | 14.3t |
最高自走速度 | 125km/h(巡航形態) |
最大跳躍高 | 18m |
最大作戦行動時間 | 140時間 |
動力源 | ガスタービンエンジン 三菱重工MGT1201(1500kw) |
固定武装 | 住友重工 12.7mm M2 重機関銃×2 |
96式の改良・アップデートモデル。アナザーに登場。98年に起きた有明事件(有明巨大AS事件)をきっかけに改良プログラムが開始されたと巻末資料に紹介されている。
要求仕様の詳細は巻末情報を見て貰うとして、ジェネレータの換装による運動性の向上、ECSの搭載(不可視モードは無し)と電子兵装の強化、大容量コンデンサの搭載による30分の静音行動モード追加、マニピュレータを3指から5指に変更+FCS改良で西側AS用兵装の8割を使用可能に、といったかなりの性能向上が図られている。
既に第三世代ASが登場している中では時代遅れと揶揄されつつも、第二世代の非対称戦対応ASの中では米軍の特殊部隊向けASであるM6A3<ダークブッシュネル>に匹敵する性能を有していると評価を受けている。
防御重視のコンセプトも、この改良でようやく日の目を見たというか先見の明があったというか棚から牡丹餅というか…げふんげふん。
アナザーの時代ではほぼ全ての96式が96式改にアップグレード済み(一部は技術試験または教導用に以前のモデルを残していると思われるが)。
自衛隊の海外派遣でも使用されており、高地向けや砂漠向けの一時改良バージョンも存在している。防塵装置ですね、わかります。
このように大幅に改良が施され、国の守り手として必要十分な性能と能力を得た96式改であったが、北陸暴走AS事件(アナザー1巻)という前代未聞の不祥事が発生。開発が進んでいた後継機、11式(AS-1 ブレイズ・レイヴン)の計画に大きな傷跡を残すこととなってしまった。また不憫な…。
※アナザー1巻の巻末資料のスペック表では「ディーゼルエンジン」と記載されているが、文中ではガスタービンの型番となるため、恐らくはダイダラの記載を流用した際の誤植と思われる。
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関連項目
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- 0pt