MAX.(period)単語

MAX.(period)とは、コナミの音楽ゲーム、Dance Dance Revolution(DDR)の楽曲である。

概要

浅見祐一(U1-ASAMi)による2MB名義の楽曲で、Ω(NAOKI)作曲のMAX 300のアレンジである。家庭用DDR EXTREMEにおいて、「最後の隠し曲」として登場した。

Why do you need KONAMI ORIGINAL songs?

それらは変化し成長し続け、
そして限界を超え、まだ見ぬ永遠の可能性へ躍動する。

それは希望なのか破滅なのか。

2MB/MAX.(period)

上記の公式サイトの新曲コメントからも分かるように、強いメッセージが込められている楽曲である。

原曲と同じくBPM300のアレンジを基調に、随所で挿入される「Why do you need KONAMI ORIGINAL songs? (なぜコナミオリジナル楽曲を求めるのか?)」という台詞。中盤に突如操作SE付きで登場する初代DDR最高難易度曲の「PARANOiA」。終盤に31小節も続くBPM600への超加速(ソフラン)。最後に減速し「Thank you for playing」の声とともにゲームオーバー時のSEが鳴って終わる。といった構成となっている。

これらの意味するところはおそらく、DDRの高難度化への問いかけであろう。PARANOiAの部分では原曲どおりBPM180となり、一部の難易度を除き譜面もPARANOiAと同じものが流れてくるのだが、前後と比べると拍子抜けするほど簡単で、初代ボス曲からのインフレ具合を端的に表している。そして最大の特徴であるBPM600の部分は、当時瞬間的な加速を除いた最高BPMが333であったことと比較しても明らかに規格外で、容易にプレイできるものではない。プレイヤーの望むものはこれなのかという、強烈な皮肉が込められているかのようである。

また、「ピリオド」という名が示すように、この楽曲の背景には、DDR EXTREMEが当時最終作と言われていたことが大きく関わっていると思われる。事実この後、アーケード版のDDRはSuperNOVAにおいて復活を果たすまで、3年半という長い休止期間に入った。その間も家庭用のリリースは続いたのだが、この楽曲は登場時、「DDRの最後」の象徴になりうるものとしても非常に大きなインパクトを与えたのである。

家庭用DDR EXTREME 難易度

いずれも当時の最高難易度10に近いものとなっている。その原因であるBPM600地帯にはどの譜面でも4分まで(BASICは2分、BEGINNERは全音符まで)しか置かれていないので、実質BPM300の8分と変わらないのだが、(当時のプレイヤーでは)目視でプレイしてもまず追いつかない。更にEXPERTではその部分に4分が続けて敷き詰められ、SPでは124連、DPでは122連という容赦の無い配置となっており、当時はクリアはほとんど不可能と言えるほどであった。

それだけにとどまらず、4回GOOD以下を出すとゲームオーバーのCHALLENGE(鬼)モードにはこの楽曲を含んだコースが3つもあり、どれも難易度がEXPERTかCHALLENGEという酷さである。専用コントローラーでのプレイではコース選択の気すら起こさせないくらいクリアは絶望的で、みんなのトラウマとなっていた。どうしてこうなった。

長期間におよぶアーケード未収録について

MAX.(period)がACに移植されない理由について、過去に作曲者であるU1-ASAMiはイベントで以下のような発言をしていた。 

U1はプレイステーション2用ソフト『DanceDanceRevolution EXTREME』の楽曲『MAX.(period)』がアーケード版に収録されることはないのかという質問に対し、｢『MAX.(period)』は終わりという意味で作ったし、『SuperNOVA』は復活第1作なので縁起が悪いでしょう｣と返答。

『MAX.(period)』を制作した際は、これで終わりだというくらいの覚悟を込めて作ったそうで、｢このまま作り続けたら、どんどんBPM(曲のテンポを表す数値)が伸びるばかりで、MAX300がやがて10000とかいう数字になる。でも、それをクリアーできるのは日本でひとりだけ、ということにもなっていたかもしれない。それはもう、みんなが楽しめる『DDR』じゃない。だからピリオドなんだという意味で作ったんです｣と当時の思いを明かした。

ファミ通.com 「DDRファンミーティング」の記事より引用

当時、理由として語られている復活第1作のSuperNOVAの後も移植が実現していないことを考えると、本当に最終作となるまで収録されないのかもしれない…そう思われていた。一方で、待望の復活を果たしたDDRは高難度化の一途を辿り、最高BPM573やBPM480で8分滝を、BPM360で16分を踏ませる、さらにはランダム要素導入といった楽曲が新たに登場している。

その高難易度化の最中、U1氏は2012年7月7日に開催されたサイン会にて、
あるプレイヤーの「そろそろMAX.(period)もAC移植してくれないですかね？」という質問に対し、
「僕もそう思ってるんだよね。最近は難易度高いのも増えてるし。あれ移植されたらもっと難しいの作るし」
と笑顔で答えたらしい…。

ついに立ってしまったMAX.(period)AC移植フラグ。
Dance Dance Revolution(DDR2013・DDR2014)となり、ナンバリング表記が廃止されてもこの楽曲が移植されることはなかったのだが…。

初登場から11年後

そのフラグから2年と半年が経った2015年3月7日。DDR2014のイベント「Replicant D-ignition」で遂にACに移植された。

この曲を出現させるには、オーブを5つ揃えると登場する「EGOISM 440」をAA評価以上でクリアすること。達成するとリザルト画面で星型に揃う画面中央の穴に最後のオーブがはまり、オーブを手にしたリノンが黒リノンに変身する映像が流れた後、ENCORE EXTRA STAGEへと進出する。

ジャケットはEXT版とは違い、錆びたWii用マットに変更されている。
ENCORE EXTRA STAGEではLIFE1(RISKY)/Hi-SPEED x1.5/REVERSE強制でプレイとなるが、RISKY強制を除いて当時のEXTを再現したのだろう。
ナンバリングが廃止され、登場時から11年後でのこのタイミングでの移植に、「ナンバリング廃止だから」「NAOKIとの決別(DDR2014になる半年ほど前に、NAOKIはKONAMIを退社している)」「暗黒期からの脱却」と様々な憶測が飛び交っている。
DDRはEXTREMEで3年半の休止を経て復活を果たしてからも、変化をし続けてきた。しかし、2014から新曲追加が大幅に減り、ついには「移植でしか息をしていない」と言われることもあった。しかし、ユニバーヒルズproject以降、新曲追加のペースも上がりつつある。
そしてこの曲の移植。EXTREMEでは最強譜面とされていたこの曲も、今作ではLv16と評価されるようになった(勿論足16の中ではトップクラスの地雷ではあるが)。

実際この楽曲登場したあともDDRは2MBの主張を無視して高難易度化を続け、Lv19曲の出現、2MB自身によるLv18譜面も登場した。
応戦するプレイヤーたちも進化を続けているのだが、それでもPARANOiA RevolutionのCDP譜面はクリア人数が数えられるほどであるなど、「それをクリアできるのは日本で一人だけ」という2MBのもっとも危惧することが半ば起きていると言える。

2015年3月26日から上記の条件を満たすとPhase 2に移行できるようになり、再びオーブを揃えるとこの楽曲が出現し、同時に全難易度が選べるようになった。しかし、CHALLENGE譜面は新規に作成された譜面であり、EXT版とは大きく異なっている。
本来はEXPERTより簡単だったが、こちらは海神に似たスイッチ推奨のFA中に出てくる8分2連や、中盤のPARANOiA地帯がX-Specialの引用になっていたりと全体的な強化がなされている。終盤の倍速地帯は888よりも早い秒速15打でBPM225の16分相当の滝が待ち受けている。それでも初見でAA青FCされているのだからトップランカーの世界は恐るべしである。
そしてこのCHALLENGE譜面をランクAA以上でクリアすると…?

Why do you need...?

関連動画

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関連項目

• 2MB / 浅見祐一
• Dance Dance Revolution
  • Replicant D-ignition
• みんなのトラウマ
• ソフラン(音楽ゲーム)
• ksk
• BEMANIシリーズの楽曲一覧
• 音楽ゲームのボス曲一覧

ひとつのピリオドに、万感の想いをこめて書いた曲が、このMAX.(period)です。

時を重ねた今もなお、沢山の愛に囲まれてこのゲームは遊ばれています。

過去を美しく語るのは簡単なことですが、
本当に大事なのはこれから皆と積み上げていく時間です。

Replicant D-ignitionという大きなイベントの節目に、
未来への強い意思として今回この曲を収録することにしました。

これから先も自信を持ってDDRは面白いと伝えていきます。

ありがとうございました。

U1-ASAMi

コナミ 着信★うた♪「CHECK!SONGS 2015 May」のコメントより引用