MMDエンジンとは、3Dソフト「MikuMikuDance」で使われる、自動回転ボーンである。
厳密には、回転する原理そのものの呼称で、配布されるユニット(モデル)に、オリジナルのMMDエンジン、Furiaさんのユニット、銀匙さんの無限駆動ユニットがある。
概要
MikuMikuDanceでは、たとえば自動車のタイヤのような回転し続けるアニメーションを実現する場合には、タイヤの回転ごとに時間軸に角度を入力する(キーフレームを打つ)気の遠くなる作業が必要だった。
MMDエンジンは、一度回転角を指定するだけで、常に回転を維持する。また、作成したアニメーションを再生する場合だけでなく、編集中の画面上でも回転を続けるという特徴がある。
構造・原理
MMDエンジンは、IKと呼ばれるボーン構造を応用している。
IKの構造体は、IKボーンと、ターゲットボーン、影響下にあるボーン列から構成されており、たとえば、初音ミクの足首の位置にある「足IKボーン」では、これを動かすことで、影響下にあるひざ、足(股関節)ボーンが自動的に回転し、自然な足のフォームを実現する……などに使われている。
IKの動作原理は、IKボーンやIK影響下にあるボーンが移動・回転したときに、設定されたターゲットボーンが、IKボーンにもっとも近づくよう、影響下のボーンを回転させるもので、その回転角度などは、アニメーションの編集時にも常にリアルタイムで計算し続けられる。
MMDエンジンは、こうしたIKのふるまいを応用したもので、最小構造は、IKボーンとターゲットボーンの2つのボーンからなる。この構造では、ターゲットボーンを移動させたり、回転を妨げる働きをする親ボーンが存在しないため、IKの計算が行われた場合、ターゲットボーンがその場で自由に回転する(というか、してしまう)。IKの計算は、止まることなくリアルタイムで行なわれ続けるため、次回の演算時には、また、同じだけの角度が回転角に加えられることになる。こうして回転を続けるボーンこそが、すなわち、これがMMDエンジンである。
利用方法
MMDエンジンは、エンジンやユニットという名称で、モデルファイル(.pmd)として配布されている。
エンドユーザーにとって一番簡単なMMDエンジンの利用方法は、配布されているMMDエンジンのモデルファイルを読み込み、そこにアクセサリーを接続する方法である。そして、X、Y、Z軸のどれかを回転させれば、アクセサリーが回転を始める。
回転速度は、軸の回転角度(と、MMDのfps設定)で決定し、通常のボーンのように、回転角度もフレームに記録可能だ。また、回転軸そのものの制御は、エンジンのセンターボーンを回転させて行なう。
当初、回転だけだったMMDエンジンだが、回転連動ボーンなどと組み合わせることによって、直線反復運動や、複雑な幾何学模様を描くことが可能となった。こうしたユニットは、Furiaさんの配布物に含まれている(関連動画参照)。
また、モデル作成者は、MMDエンジンをPMDエディターで、モデルに組み込むこともできる。
但し、PMX対応版PMDエディタに読込、情報タブでPMD設定を指定してもMMDエンジンとしての機能は書き換えられてしまうため不動。
編集をするためにはPMX未対応版を使い編集をする必要がある
発見の経緯
・模索が始まる
関連動画
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