Microsoft Officeとは、Microsoft社が開発・製造しているコンピュータ・ソフトウェア製品群である。
概要
Microsoft社が開発しているオフィススイートで、現在のデファクトスタンダードである。
一般にOfficeと呼ばれる場合、これを指すことがほとんどである。
現在のところ、Windows版とMac OS X版、Android版、iOS版がある(AndroidとiOSともにタブレット対応している。)
また、一部機能に限定されるが、Webブラウザ上で無料で利用できるOffice Online、1台あたり少額の月額払い(年間払いも可能)でフル機能が利用できるOffice 365が提供されている。
歴史
もともとは、Officeとしてまとめて売られておらず、すでに発売されていたWord、Excel、PowerPointをまとめたものに過ぎなかった。そのため、Office 95まではOfficeのバージョンと各製品のバージョンが異なる状況が続いた。
なお、先に発売されたのはMac OS版(1989年6月)で、Windows版は後発であった(1989年10月)。
日本語化も遅れ、1992年のWindows版3.0でやっと対応、Mac版は1993年の4.2で対応した。
1995年に、Windows 95と同時発売する形でOffice 95がリリース、内部バージョンも最も進んでいたWordに合わせる形で7.0に統一された。
このときにプログラム自体を32ビット化したことで、Windows 95に最適なソフトウェアとして評価され、Windows 95搭載パソコンへのプレインストール政策も推し進めたことも相まって爆発的に普及し、ライバルであった一太郎、Lotus 1-2-3を大きく押しのけることとなった。
加えて一太郎のWindows 95対応が遅れ、リリースされた一太郎7もとても重いソフトウェアになったことでOfficeの普及に拍車がかかった。一太郎は官公庁や作家を中心に固定ユーザーが多かったことで生き残っているが、Lotusはスーパーオフィス2001を最後に撤退した。
2007年にリリースされたOffice 2007(the 2007 Microsoft Office system) ではリボンインターフェースという新しい操作系を導入したが、操作手順が大きく変わったことで従来ユーザーからの不評を買い、Office 2003以前を使い続けるユーザーが続出した(すでにOffice 2003のサポートは2014年4月に終了している)。
また、未だに最小構成であるPersonalでも2万円を超える価格が高すぎるというユーザーの不満が続いていることを利用するかのように、近年では無料で利用できる互換ソフト(Apache OpenOffice、LibreOffice)が徐々にシェアを伸ばしつつある。
マイクロソフトも何も対策を講じていないわけではなく、2011年にWebブラウザ上でWord、Excel、PowerPoint、OneNoteの一部機能を利用できるOffice Web apps(現:Office Online)と、月額払いでProfessionalエディション並の機能とExchange、Sharepointのクラウド版、オンラインストレージのOneDriveをセットに利用できるOffice 365をサービスしている。
日本ではパソコンへのプレインストールによる普及が高いという理由で、コンシューマー向けのOffice 365 Personal、Home(現:Office 365 Solo)の提供がされていなかったが2014年中にサービスを開始された。
2015年9月に発売されたOffice 2016からはパッケージ版が廃止され、レジでアクティベーションを解除してもらうPOSA方式に変更された。
また、AndroidおよびiOS端末向けにWord、Excel、PowerPointのフル機能が利用できるOffice MobileとOneNoteが無料で提供されている。
Office 365
Office シリーズのサブスクリプション版。常に最新バージョンのOfficeが利用できる。月額払い、年間払いがある。
家庭版(Office 365 Solo)と事業向け(Office 365 for Businessなど)で区別されているが、個人でも事業向けOffice 365を契約できる。
相違点
家庭版は月額¥1,274-で1ライセンス2PCまでインストールできるようになっているが、事業向けは月額¥583より(エディションによって異なる。Office 365 for Businessの場合は月額972円)で1ライセンス1人合計5台までインストールできる。
家庭版(Office 365 Solo)にはAccessが入っているが、事業向けではProPlus、Enterprise E3のみ入っている。また最下位エディション、Business EssentialsにはオフラインのOfficeは付属しない。
OneDrive(但し、事業向けはOne Drive for Businessという家庭版とは若干異なるサービスとなっている。)も容量は家庭用・事業向けどちらでも1TB用意されているが、家庭版には検閲があり、アレゲな画像を保管していると垢BANされるのに対し、事業向けではそのような検閲がなく、アレゲな画像を保管していても垢BANされない。また99.9%品質保証を謳っており、システム障害が長引いたりすると、利用料金を返金してくれると思われる。但し家庭版とは違い、同期ファイル数に上限がある。
なお、アップロードの転送量に上限があるプロバイダー(OCNなど。24時間当たりの上限30GB)もあるので、同期する際は転送量に注意。
主な構成製品
- Word
ワープロソフト。アウトラインでの作業やテーマの設定などが行える。該当記事参照。 - Excel
表計算ソフト。マクロ言語などによって、表計算ソフトを越えた利用も可能である。該当記事参照。 - PowerPoint
プレゼンテーション用のソフトウェア。該当記事参照。 - Outlook
Eメールとスケジュール管理、タスク管理をセットにしたソフト。Mail、Schedule+から発展してOffice 97から導入。 - Access
簡易的なリレーショナルデータベース。外部のデータベースと接続、利用も可能。Office 3.0から導入。 - Publisher
簡易DTPソフト。Office 2000から本格導入。 - OneNote
保存をいちいち行わなくても自動的に保存できるメモツール。Office 2010から本格導入。 - Visio
設計図やダイヤグラムなどの作図ソフト。2000年にマイクロソフトがビジオ社を買収して組み込まれたが、単体での発売のみで、Officeスイートとしては組み込まれない。 - Office IME (標準添付されているものと少し異なる仕様)
関連商品
関連コミュニティ
Microsoft Officeに関するニコニコミュニティを紹介してください。
関連項目
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