Movable Type とは、シックス・アパート社が開発・提供するブログツールである。
略称はMT。
概要
Movable Type はブログだけでなくウェブページやファイル管理も可能な、ウェブサイト全体を管理するコンテンツ管理システム(CMS)です。中小規模のビジネスブログから大規模なウェブサイトまで、柔軟なサイト運営を実現。テンプレートによる高度なデザイン編集、豊富なプラグイン、管理画面のカスタマイズにより、様々な用途に柔軟に対応します。
Movable Type は、強力なカスタマイズ機能を備えるブログツールである。プラグインによってユーザが機能を追加することができる。
バージョン4からは複数のブログの連携機能など、CMSとしての機能が強化された。
2009年6月11日現在、最新のバージョンは4.26。
ユーザがWebブラウザから投稿した記事をデータベースに保存し、あらかじめ用意されたテンプレートを元にページを生成する。
ダイナミックパブリッシング機能を利用しない場合、ページを生成する際に再構築が必要となる。
テンプレート管理機能やカテゴリ管理、タグやトラックバック機能、スパム防止機能などブログとして必要な機能は大方備えているが、プラグインによってさらなる機能追加が可能である。
バージョン4.2から一部のパッケージにはMovable Type コミュニティ・ソリューションが同梱され、ウェブサイトやブログに加え、お気に入り投稿とランキング表示、掲示板など様々な機能をまとめて、Movable Type で管理することができるようになった。
Movable Type は主にPerlとPHPで書かれており、ダイナミックパブリッシングを利用しなければPerlだけで動作する。
Movable Type の種類
Movable Type には以下の種類がある。
- Movable Type
- 本元。基本的には有償だが、個人で運用する時は無償の限定個人ライセンスが利用できる。Professional Pack, Community Pack を同梱。
- Movable Type Commercial
- Community Pack を除いたもの。Professional Pack を同梱。
- Movable Type Enterprise
- Movable Type をベースに、企業内での利用に適したグループ&ロール機能、ユーザー管理機能の拡張、ワークフロー機能、ブログポータル機能等を搭載したイントラブログ用のサーバーソフトウェア。
- Movable Type (Open Source)
- Movable Type のライセンスをGPLに改変しオープンソース化したもの。MTOSと略称される。ソースや機能はMovable Type と大きな差はない。Movable Type に同梱されているプラグインやコミュニティ機能がMTOSには同梱されていないなどの違いはある。
動作環境
以下、Movable Type 4.2の動作環境である。
- CGI スクリプト (Perl) を実行できるウェブ・サーバー (mod_perl 1.xをサポート)
- Perl バージョン5.6.1以上 (5.8.1以上を強く推奨)
- 必要なファイルをウェブサーバーにアップロードするための FTP もしくはシェル環境
- データベース
- PHPバージョン4.0.6 以上 (オプション・ダイナミックパブリッシング使用時)
- JavaScript が使用できるウェブブラウザ
- Internet Explorer 6.0 以降 (最新版を強く推奨)
- Mozilla Firefox 1.5 以降
- Apple Safari 2 以降
Movable Type とWordPress
Movable Type は日本では大変人気のブログツールであるが、海外(特に英語圏)ではWordPress に主役の座を明け渡している。
WordPress はGPLでライセンスされているオープンソースのブログツールである。
Movable Type は基本的に、コンテンツを静的(性的ではない)に生成するため再構築が必要となる。しかし、生成するコンテンツが増えると再構築のたびに長時間(時には数十分も)待たされることもある。
それに比べWordPress はコンテンツを動的に生成するため再構築の必要がない。
また、前述のようにWordPress はオープンソースのため、Movable Type のようにライセンスの問題が少ない。
日本で海外のようにWordPress が爆発的に普及しなかったのは、WordPress の情報やプラグインは英語で書かれたものが多く、日本語で説明されたサイトがMovable Type と比べると少なかったからであるとも言われる。それに比べ、Movable Type はプラグインや書籍など日本語の情報が非常に多い。
最近ではMovale Type もGPLライセンスのMTOSをリリースし、またバージョン4.2では再構築にかかる時間を短縮している。今後どのような展開になるのだろうか。
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関連項目
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