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高機動群像ノスタルジア
NOSTALGIA(アニメ)とは、コワレミクプロダクション(以下コワレミクP)制作のテレビアニメである。略称は深ノスが主流(略称を公式側が設定していないため「深ノス」「淵ノス」「淵ジア」などかなり揺れがある)
概要
ピーター・ホーガンのSF小説『深淵のノスタルジア』(1964)を原作としたロボットアニメ。
2014年7月~2015年2月に放送された。全27話。全編がフルMMDで作成された初の本格的アニメであることでも話題となった。MMDの物理演算はカットされており、キャラクターの挙動は全て手付けである。
なお、アニメ化に際し大幅な改変が行われている。小説版の主人公はドミニク・アーノルドだったが、無名の脇役だった日系アメリカ人新兵(アニメ版で寺宝勲と命名)がアニメ版の主役に据えられている。また、小説版で強化外骨格だった「フレーム」が搭乗型ロボットに変更されている。また、ピーター・ホーガンの他の代表作「深宇宙からの望郷」「慟哭せしバーバ・ヤガ」「終局のエニグマ」などからの引用も見られホーガンファンならニヤリとさせられる仕掛けがいくつもある。
ストーリー
以下、大幅なネタバレになるので注意。
----古くて新しい物語----
1970年代から寒冷化が加速した地球では1980年に至り高緯度に位置する共産主義国が食糧難に陥り一斉にソ連から離反し始め、第三次世界大戦が勃発。食糧難下での無理な継戦がたたりソ連自身も共産主義を放棄する結果となった。
東西冷戦の終結による自由化によって急速な国家間の人間の移動が起こり、21世紀に至って各国家内に在来民と移民との間での深刻な対立が発生していた。それは移民国家アメリカも例外ではなかった。
21世紀初頭のアメリカにおいて、教育と金を手にした黒人が増えるに従い、(特に南部において)黒人が白人に対して優位になりつつあった。更に南部の州知事が軒並み黒人になると、あからさまな黒人・移民優遇政策をとる知事も現れ、アメリカ国内での白人と黒人の政治的対立は新たな南北戦争を予感させる危険極まりないものになっていった。
物語はミシシッピー宙軍州兵の宇宙艦隊降下兵ドミニク・アーノルドが、貴重な休暇を過ごしに出掛けたジャクソンシティで白人の暴動に出くわした所から始まる。
一都市の暴動に端を発した全米を巻き込む政治的動揺は、結局21世紀の南北戦争を引き起こした。南部の州兵はアメリカ共和国(ROA)の国軍として参加することになった。そこにはアニメ版の主人公、寺宝勲の姿もあった。制空権を制するものが勝利を得る、という戦術の延長から宇宙を制する事が第一の戦略目標となり、フレームを操る宇宙降下兵達は降下することなく宇宙での戦いを余儀なくされていく。
他の後進国ならともかく、強力な軍事力・経済力を持ったアメリカは分裂してもなお強大であり、他の国々は北と南のどちらかに付かざるを得なかった。プロテスタント連合アメリカ(PUSA)は移民反対派国家と、アメリカ共和国(ROA)は移民受容派国家と同盟を結んだ。そして各地で対立国家同士の戦端も開かれた。南北戦争は第4次世界大戦を引き起こしてしまったのだ。
その頃、寺宝智治の参加する月面遺跡調査隊は、先人類文明の遺産と思われる巨人遺跡で、後日ニブルヘイムと呼ばれることになるテレパシー通信システムを発見していた。この発見が後に大戦の行方を左右することになるのだった・・・。
解説
原作小説はアメリカがベトナム戦争に参戦して数年経ち、泥沼の様相を呈してきた1964年に発表された。パワードスーツのアイデアで先行するハインラインの「宇宙の戦士」とは異なり、安易な軍隊賛美はなく、物語上の敵であるPUSAも絶対悪ではない(同じアメリカ人だからという点を差し引いても)。また、冷戦の真っただ中で「冷戦以後」を見据え、現在先進各国が抱える移民問題を既に予見しているなど、ピーター・ホーガンの鋭い社会史的視点が伺える。一方でホーガンはエンターテイメントも忘れておらず、ギリシャ神話や北欧神話に登場する巨人を超古代文明の主であるとして物語のキーに据える、などスペースオペラ的要素もある。ただし、主人公が黒人であるというのは、当時のSF雑誌の主な購買層であった白人からのウケがあまり良くなかったそうである。
なお、2014年から深刻化し始めた欧州難民問題に対して楽観視していた欧州各国がこれを問題視しはじめるのはアニメ終了後の2015年夏からである。当然アニメ制作時には2015年12月31日のドイツでのケルン大晦日集団性暴行事件などもまだ発生していない。
登場人物
「あなた達の行動は世界に混乱を生むだけだ!終わりにしましょう」
「ノスタルジアはここ(アビス)に置いていく。人類の未来と引き換えなら惜しくはないさ」
「もうどちらでもいいわ。私の願いは一つだけ。無事に帰ってきて」
「新兵ども!敵のコックピットを狙うなら二発だ。一発では悪運強いヤツは仕留められん。三発じゃ弾の無駄だ!」
「結局ヤツらの信念ってのは郷愁(ルビ「ノスタルジア」)に過ぎないんだよ。もうどこにもない過去のアメリカを守ろうとして躍起になっているだけなのさ」
「元々フレームマシンは先史巨人文明遺跡にアクセスするための作業装置として開発されたんだ。ニブルヘイムでの作業に支障なんかねーよ」
「ウソだろ・・・いくら設計者が同じだからってディープダイバーとの相性が良過ぎるだろ・・・しかも、まさか・・・意味不明だったこのオプション、これが前提・・・なのか・・・?」
「全乗員に告ぐ!艦長のセバスティアンである!本旗艦はこれ以上諸君らを抱えての継戦が不可能になった。速やかに退艦せよ!繰り返す!全乗員は速やかに退艦せよ!」
「艦長も急いで下さい!」
「私はニブルヘイム攻略のための時間稼ぎをしなければならない。ジホウたちの作戦を命じたのは私なのだ。彼らに航空支援を約束したのも私だ。私にはそれを実行する責任がある」
「では私も残ります。大丈夫!私の最新のコピーは昨日取りましたから!」
「艦内に侵入者多数!」
「機関部だけは死守しなくては!ここを頼む!暫くはプログラム通り戦闘できる!」
「では機関部は私が引き受けた方が合理的です!もう私が人間に奉仕するにはこれしか手段がありません。・・・この話をした相手が貴方でよかった。貴方なら私のプロトコルを理解してくれますから」
「お前はこの古代遺跡が『人類全体に声を届ける装置』だと思っているだろう。それも間違いではないが、それだけではないのだッ!」
「私がそんな事のためにPUSAに亡命したと思っているのか?まあそう思うのも仕方ない。だがこれだけは言っておく。私は人類のためにここに居る!」
「起動したニブルヘイムを突破する手があるなんて・・・!だがフレームを合体させるとはどういうことだ!?」
「ぐむむ・・・お前ら!ヤツを逃すな!」
「そっすよ。というか俺ら、もうやられちゃってますからムリっす!」
※蒼彩(blue)分隊の三人はアルフィーがモデルだと言われている。
「なんで海賊なんかやってるのかって?・・・ハッ!!馬鹿な軍人どもが地球を壊すのを少しでも防いでいるのさ!こうしてブツをかっぱらってな」
「理想に逃げるんじゃない!」
「コイツに脱出装置なんざねーよ・・・」
「イサオかッ!まだ生きていたとはなぁ!」
「コッチ・・・クルナ」
「あっち行ってみようよ!」
登場兵器
- MS1 ST.NOSTALGIA(ノスタルジア)(主人公の機体・量産機)
- LFT-01 :仮称 кукла(クゥークラ)(ドミニクの機体)
- ADS-ヴィルズィード (26話中・最終話冒頭でやられてた機体)
- テンペスト・ストームブリンガー (コロナ専用機:固有名ヴィゾーヴニル)
- DL36050 (蒼彩(blue)分隊の空戦機)
- ALTAIL (PUSA 飛行可変機)
- EIU-XX-a (ノア専用機)
- マンティス (コロナ=クローン搭乗機)
- テッサロニキ級防護巡洋艦<キラーホエール号>(宇宙海賊の旗艦)
- UFMシリーズ(宇宙艦隊)
- UM-ca-003 ウムアルメン級無翼輸送機
フレームシステム
「フレーム」とは原作の小説では強化外骨格を駆動するための流動金属管(油圧システムに似ているが、人体の血管系のように流動金属が常時循環して力学的・化学的、そして時空エネルギーを末端パーツまで供給しているのが特徴)の事を指しており、同時にそれによって駆動する強化外骨格の総称でもある。アニメ版でもフレーム管で駆動するロボットをやはりフレームと総称しており、更に兵装に対応したフレーム管の圧力配分の設定パターンもフレームと呼んでいる。この兵装はアニメオリジナルの設定である。
ほとんどのフレームに実装されている折りたたみ式「剣」の攻撃力を上げるセッティング。「剣」の展開、靭性はフレーム圧でまかなう。「剣」は宇宙戦闘での射程の短さ、ロボットが扱うことによる攻撃速度の遅さなどが致命的で、実戦で戦果を上げることはほとんど無いとされる。
- ガンナーフレーム
火薬式銃弾を撃ち出す各種武器の扱いの速さ・精度を上げるセッティング。作中後半では火力がインフレし、戦艦を撃破するまでになった。
電磁加速器を使用して金属棒を撃ち出す長大な「スピアー」を装備したフレーム。及びその取り回しに特化したセッティングを指す。使い捨て大電流電池の登場により連射が可能であり、遠距離から一方的に攻撃出来るため他のフレーム相手に無敗を誇る。
近接戦闘、主に手足に固定した刃物を敵機にぶつけて相手を破壊するセッティング。及びその戦法をとるフレーム。射程の短さと、スピアーフレームの登場により相手の懐に飛び込むことが難しい作中の時代ではこのフレームを使うものはほとんどいない。作中ではコロナクローンが旗艦直衛でこのフレームを使用していた。「神威手刀」とよばれる全力攻撃が可能だが、使用すると必ず腕のパーツが崩壊し機体全体も劣化するので登場早々にお蔵入りとなった。
ゲーム版ではなぜか威力・回避力で優遇され「手刀三発で戦艦が沈む」と話題になった。
最強装備と言われるディープダイバー(フレーム管との時空共鳴を利用し光学的面積を極限まで小さくし、まるで正面からは宇宙に潜っているかのように見える。近接戦闘で相手に作用させれば、相手のフレーム循環を狂わせる事も出来る)を装備したフレーム。しかし、パイロットからは不評で、一話でお蔵入りしてしまった。確かに被発見率被弾率は下がるのだが、ディープダイバーが占める出力比が大き過ぎ、攻撃兵装の数が減るという問題点があった。何よりアニメとして絵に華がないというのが致命的だったらしい。
23話でノスタルジア後継機の大出力化成功によるフルアーマー化(いわゆる全部乗せ祭)が実装された際にSYSTEM{GHO-st}(時空共鳴の応用で実体を伴った分身を生み出せる)を実装して再度搭載され、分身による体当たりは視聴者の好評を博し、復権を果たした。(直後に機体は大破・撃墜されてしまうのだが)。
超高速戦闘を可能にするブースターユニットを装備したフレーム。及びそれに特化したセッティング。パイロットがその速度について行けず、人気がない。
ブースターフレームを使い物になる様に改造したセッティング。装甲を変更しカラーリングが大幅に変わっている。追加スラスターをはじめ拡張型シールドや大口径ピストルを装備し戦闘力は非常に高いがシンプルな武装故に器用貧乏な機体である。尚、本編には一度も出てこない、ゲームにも出てこない。設定資料集第1巻にしか記述が無くあたかも大活躍したかの様に書かれてしまったディープダイバーフレーム以上の屈指の不遇フレーム。原因は14話で、このフレームが活躍予定だったが政治的理由から本来放送される筈だった14話が急遽総集編に差し替えられてしまった為である。しかも差し替えが行われる前にブレイバーフレームが記載された設定資料集が発売されていた為、設定資料にしか雄姿が無いフレームと化したのであった。
幻のフレームの様にネタ扱いされていた本機だが劇場版主人公機として登場が決定した。
ニブルヘイムを攻略するためのフレームセッティング。(このフレーム名は最終作戦の日にメカニックのフェンネルが暫定的に付けた仮名。)巨人遺跡の力で物理速度が百万分の一に低下してしまったニブルヘイム内部に通常速度のまま侵入するためのセッティングで、ROA側ではノスタルジア系の量産機、PUSA側ではストームブリンガーだけが実行可能。(元々ノスタルジアは寺宝智治によってこのために開発された。もちろんその開発意図は秘匿されている。)
基本的には戦闘中にセッティングを変えることはない。これはパイロットが各種兵装に慣熟するまでに時間がかかるため、また戦闘中のセッティング変更は機体の短寿命化を引き起こすため、1機体1フレームセッティング、が原則とされるからだ。よって主人公の行為はメンテナンス的に見ると最低な行為である。しかし多くの戦場で下っ端として様々な役割を振られて様々なフレームセッティングに触れて来た主人公ならば、戦場で手に入る雑多な武器を十全に運用出来るので戦術的には意味のある行為と言える。
最終話では敵兵から奪った兵装を次々と使い捨てる中で、このオールラウンダー的技能を発揮しており、めまぐるしいセッティング変更も見所の一つ(決して変更バンクの使い回しではありません)。
スタッフ
- 原作:Peter Hogan(The 'Nostalgi'a of abyss:ハヤブサSF文庫)
- 製作総指揮:坂本浩一
- 監督:長谷屋光一
- シリーズ構成:川谷久史
- キャスティング:小和流美久
- 3DCGI:ひぐち優(VPVPスタジオ)
- メカ監修:コワレミクP
- アニメーション:slabMechanicStadio
- 編集:植松章二
- 色彩設計:田中真美
- 音楽監督:林敬典
- 音響制作:アルファサウンド
- 撮影監督:下田美奈子
- 撮影協力:三ツ山第一スタジオ
- 音楽:さとうなおき
主題歌
歌:星井美希(765プロダクション)
歌:The CoastGurds(IKKI NOT DEAD)
放送局
放送局 | 放送開始日 | 放送時間 |
---|---|---|
TOKYO FX | 2014年7月5日 | 土曜 24:00~24:30 |
群車テレビ | ||
とさぎテレビ | ||
BS77 | ||
ニコニコ生放送 | ||
ニコニコチャンネル | 土曜 24:30より配信 | |
朝目放送 | 2014年7月9日 | 水曜 26:44~27:14 |
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 動画 |
---|---|---|---|---|---|
1話 | 第四時世界大戦前夜 | 長谷屋光一 | 長谷屋光一 | 古橋不二夫 | |
2話 | 初陣 | 長谷屋光一 | |||
3話 | バカンスにて | 松平健二 | 古谷照定 | ||
4話 | 流浪の民 | 小林靖子 | 古橋不二夫 | ||
5話 | 伝統としがらみ | 小林靖子 | 松平健二 | 古谷照定 | |
6話 | 恐怖のネガボール | 星山博太 | 松平健二 | 古橋不二夫 | |
7話 | 転戦 | 星山博太 | 長谷屋光一 | 古谷照定 | |
8話 | 大地の味 | 長谷屋光一 | 長谷屋光一 | 古橋不二夫 | |
9話 | 見えない壁 | 松平健二 | 長谷屋光一 | 古谷照定 | |
10話 | 自由の国 | 小林靖子 | 松平健二 | 古橋不二夫 | |
11話 | 古い国 | 中島かずき | 古谷照定 | ||
12話 | 強襲 | 三条陸 | 長谷屋光一 | 古橋不二夫 | |
13話 | ラグナロック計画 | 三条陸 | 長谷屋光一 | 古谷照定 | |
14話 | 追憶を集めて(総集編1) | 星山博太 | 長谷屋光一 | 古谷照定 | |
15話 | 黒に染まる空 | 星山博太 | 長谷屋光一 | 古橋不二夫 | |
16話 | 海賊の虜 | 小林靖子 | 古谷照定 | ||
17話 | 妖婆の予言 | 小林靖子 | 古橋不二夫 | ||
18話 | 許されざるもの | 虚淵玄 | 長谷屋光一 | 古谷照定 | |
19話 | 根無草あるいは自由人 | 中島かずき | 古橋不二夫 | ||
20話 | 真昼の決闘 | 長谷屋光一 | 古谷照定 | ||
21話 | ユグドラシルへの道 | 三条陸 | 長谷屋光一 | 古橋不二夫 | |
22話 | 逆転の一手 | 星山博太 | 古谷照定 | ||
23話 | 撃墜 | 長谷屋光一 | 古橋不二夫 | ||
24話 | 決戦の朝 | 古谷照定 | |||
25話 | アビスへ | 古橋不二夫 | |||
26話 | 万感の想い(総集編2) | 古谷照定 | |||
最終話 | 深淵のノスタルジア |
星山博太/松平健二 | 長谷屋光一 | 古橋不二夫/古谷照定 |
メディアミックス
- 映画:東映系全国32館で2015年7月15日から放映開始予定。副題は「創世編」。三部作になる予定。(監督:長谷屋光一・slabMechanicStadio)
- コミカライズ:コロコロコミックで2014年9月号から連載開始(原作:長谷屋光一・作画:萩本峰男・構成米村正二)省略が多く一部のファンに不評。女性キャラのパンチラは好評だった模様。
- ノベライズ:アニメ版を小説化。全2巻。2015年5月発売。(原作:長谷屋光一・小説:谷甲州) これが原作だと勘違いする視聴者が続出。
- ノベライズ:「深宇宙のノア」ノスタルジアのスピンオフ小説。主人公はノア。
- ラジオ:「深淵のノスタラジオ」声優二人(伊藤かな恵(時報澄役)、山寺宏一(ドミニク・アーノルド役))のトーク番組。WEBで期間限定配信されたが知名度が低く聞いていない人が多い。
- ドラマCD:2014年9月発売。
- パチスロ:2015年2月導入。
- ゲーム:PS3/PS4/XBOXoneで2015年2月発売。(戦術級シミュレーションゲーム)バランスがおかしいらしい。
- ゲーム:2014年11月にスマホ版(Android/iPhone)で基本無料のカードバトルゲームがリリースされた。
- アメトーーク:「淵ノス芸人」回が存在する。
インタビュー
このインタビューは英国のピーター・ホーガン氏の書斎にて行われました。 —— 本日はインタビューを受けて下さりありがとうございます。 こちらこそ。読者に話を聞いてもらう貴重な機会だからね。私は歳だからインターネットはあまりやらないんだ。 —— 早速ですが、今回のアニメ化について、ホーガン先生ご自身は喜んでおられるのかお聞かせ下さい。 いきなり核心をついてきたね(笑) —— 大事なことですので(笑)日本の視聴者も「原作者は怒ってるんじゃないか」と心配しているんです。 もうだいぶ昔の作だからね。今頃引っ張り出されるのは恥ずかしい、というのが正直な所だよ。だが、自分の作品が映像化されるのはもちろん嬉しい。私の小説はあまり売れなかったからね。それで、今回のアニメ化だけど、日本人向けにアニメ化するのであれば、あれが最適な方法だったと私も思うよ。日本人が巨大ロボット好きなのは私もよく知っているからね。もし私の小説がインドで映画化されたら必ず歌と踊りが入るだろうと予測出来るのと同じにね(笑) まあそれは冗談としても、当時は目新しかった『強化外骨格』も今では珍しくもないし、エンターテイメントとして興行を成功させるためには変えざるを得ない所は出てくる。これは商業作品を黒字で作る上で不可欠の作業だ。もちろん削ってはいけない所はあるんだけれど、その点、このアニメは実によく出来ている。驚くほど小説版のテーマに忠実だ。テーマ以外はジャパニメーション以外の何ものでもないのにね(笑)主人公は少年少女になっているし、主題歌まで十代の子が歌ってるそうじゃないか。 —— 歌い手の星井美希は日本では大人気アイドルなんです。このあいだハリウッドデビューもしましたよ。 それは知らなかった。彼女に会う前に教えてくれてありがとう。危うく「ハリウッド観光で迷子になったらうちにおいで」と言う所だったよ(笑) —— フレームシステムのアイデアは非常にユニークだと評価されています。 あれはね、パワーショベルの油圧機構をみて思いついたんだ。元々強化外骨格の研究は当時からあったんだけどその頃は電動か空気圧のどちらかしかなくてね。もっと力強い動力源はないかと散歩中に考えていたら見かけたのがパワーショベルだったんだよ。もちろんそのまま油圧で書いたら面白くないから流体金属に置き換えたんだけど、やってることは同じさ。がっかりしたかね?(笑) —— 本誌が発売される頃アニメは最終回を迎えていますが、既に日本で相当な人気が出ています。劇場版の制作が決定しているほどです。星井美希が主題歌を歌ったという効果を差し引いても、本作は成功と言えるでしょう。おめでとうございます。 アニメ制作スタッフの腕が良かったからさ。今回私は何もしていないからね。 —— 今回のアニメ化は弟のアンソニーさんとのお二人の持ち込み企画と伺いましたが、では企画の作成にはほとんどかかわっていないのですか? 最終チェックとGOサインは出したけど、中身はほとんどアンソニーが書いたものだよ。私じゃああんなに見事にジャパニメーションには出来ないよ(笑)アンソニーは日本のアニメが好きでね。昔はよく「ピーターもロボテック(超時空要塞マクロス)みたいなSF書いてよ」って言われたものさ(笑)。だからアンソニーがアニメ化企画に選んだこの作品もロボテックっぽいんだよ。ほら「ロボット」と「古代文明の遺産」という要素が含まれているだろう?もしかしたらヒロインにもアイドルになって歌って欲しかったかも知れないね。その時は私がボツにしただろうけどね(笑) —— 原作のお話を伺います。「移民問題」は難しいテーマですが、発表当時は冷戦の最中でそれどころではなかったと思うのですが、なぜこれをテーマにされたのですか? 日本の方にはピンと来ないだろうけど、アメリカは移民の国なんだ。国民の99%がこの4世紀の間に入って来た移民で構成されている。だから移民問題は常にアメリカ人の意識にあるんだよ。例えば「深淵のノスタルジア」の翌年には「新移民法(※)」が制定されていて、小説よりも早く移民規制枠を撤廃しているんだ。 —— では原作が現代を予言しているように見えるのは・・・ そう、移民問題は当時からアメリカの抱える問題だったんだ。いや、それ以前からもずっと存在していた問題だったんだ。だからある程度の社会的予測は立てられるんだよ。歴史はあるパターンの繰り返しだからね。ただ、それで南北戦争になるというのは話を広げるためにデッチ上げた舞台さ。他の国ならともかく、アメリカが移民問題で内戦になるとは考えにくい。そりゃいつの時代にも保守的なアメリカ人はいるだろうけどね。 あと、現代の地球温暖化は全く予測出来てなかったね。当時は21世紀は氷河期になるとみんな信じてたんだ。そのせいか共産主義国の崩壊の時期も外れてしまったね。 沢山のファンレターありがとう。また難しい作品でも書こうかね(笑) ※「新移民法」外国からの入国を管理するアメリカの法律。1875年以来たびたび制定されており,かつては1924年移民法を代表例として移民を排除する目的のもの(中国人排斥法・排日移民法など)が多かったが,65年移民法はすべての外国人を平等に受入れることを原則としている。 |
——よろしくお願いします はい、よろしくお願いします(ペコリ) ——売れてますね いやーお陰様で!ディスクも増版です!劇場版も現在鋭意製作中!こっちも皆さんの期待を裏切りませんよ! いやーそれが自分でも分かんないんですわ。原作が元々欧米圏の作品なので視聴者が付いてきてくれるか不安でしょうがなかったんですよ。とにかく王道は外さないように気をつけました。テコ入れ回やら作画スケジュールを計算に入れると総集編回は必ず入れないといけないのは初めから分かってたんで、そうなると最終話までシナリオがギッチギチ。原作者からの持ち込み案の中に「最低限これだけはカット不可」のプロットがあるんですけど、『いやそれを入れるんだったらここも外せないよね?』って部分が結構多いんですよ。もう自分の色とかオリジナル入れてる余裕全然無いですからテンプレ演出とかテンプレ構図とか言われるのを覚悟で、コテコテの造りにしたんですけどね。不思議と「手抜き」と言われてないんですよね。もちろん私は目一杯働いてましたよ!? ——それは疑っていませんよ(笑)では出来映えには不満があるんですか? それはありますよ。いつだって、もっと時間とお金とスタッフがあれば!もっとよく出来たのに!って嘆いていますから。アニメやってる人ってのはみんなそうなんじゃないんですかね。ただ、こう言うと原作者を舐めてるとか思われるかもしれませんが、原作者が日本のアニメに売り込んできたんだからコテコテの日本風にした方が喜んでくれたんじゃないかなー、とは思いますね ——ホーガン原作アニメで星井美希の曲が起用される、というのは凄い組み合わせですが、これはどちらからの申し入れだったんですか? 実はこの企画を採用したのは星井美希ちゃんの曲ありきだったんだ。 ——エーッ!?彼女の曲のプロモーションの為の企画だったんですか? 逆、逆(笑)いくつか持ち込まれてた企画が溜まってて、その中に「深淵のノスタルジア」も有ったんだけど、美希ちゃんの「ノスタルジア」が現れて全てが始まったんだ。あれは前の仕事でレコーディングスタジオに詰めてたときなんだけど、下の階で彼女がレコーディングしててね。曲名を聞いた時にパァ〜ッと絵が浮かんで来て!その場で彼女のプロデューサーに使用契約を持ちかけてね! うん、完全に暴走状態(笑)。あとで社長にもの凄く怒られた(笑)。 ——で、結局765プロさんとは話がついて? 実は765プロの社長の高木さんがホーガン先生のファンだったんだ。是非やってくれたまえ!と逆に頼まれたくらいなんですよ。 美希ちゃんもすぐ原作を読んでくれてね。なんとホーガン先生のファンになったそうですよ。 ——最後に一言お願いします え?もう終わり? ——監督を早く返さないとスタジオの方に延滞料を取られてしまいますので(笑) いいじゃん〜もうちょっと休ませてよ〜。つーか俺はレンタルビデオか!(笑) |
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コラボレーション
- アーマードコア(AC)とコラボレーションを行っており、アニメ内にAC機体が登場したり、AC10において特定の実績を解除するとボーナス機体として試作機の名目でノスタルジア機体が使用可能になる。
- ガンダムビルドファイターズツヴァイ15話でコラボレーションが行われた。主人公達が気分転換にガンプラ以外のバトルを見学しにいった会場でノスタルジアがバトルしている。
関連項目
外部項目
* *
* ウソです +
n ∧_∧ n ☆
+ (ヨ(* ´∀`)E)
Y Y *
本当の概要
上記動画のタイトルをご覧になればお分かりだろう。第14回MMD杯に出品したオリジナルのOP風動画が元になっている。付けられたコメントがノリノリであたかもノスタルジアというアニメがあったかのような雰囲気を醸し出しているので、この大百科の編集者もノリでここまで書いてしまいました。もっと面白くなるように皆さんの加筆をお待ちしております。
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