OSK日本歌劇団とは、1923年に創立された少女歌劇団。OSKとはOsaka Shochiku Kagekidanの頭文字。 名称は松竹楽劇部(発足時)→大阪松竹少女歌劇団・OSSK(1934)→大阪松竹歌劇団・OSK(1943)→日本歌劇団・NKD(1963)→OSK日本歌劇団(1973)→New OSK日本歌劇団(2003)→OSK日本歌劇団(2007)と変遷している。
桜の花をシンボルとし、テーマソングは「桜咲く国」(正式な団歌ではない)。
2021年現在の男役トップは楊琳、娘役トップは舞美りらと千咲えみ。
概要
- 団員は全て未婚女性。入団前に2年間の訓練期間を終えた上で入団試験に合格しなければいけない。元々の訓練機関である日本歌劇学校は2001年の74期生卒業と同時に休校となり、2003年に81期生を迎え研修所という形で再開した。なお、81期生のみ特例として研修期間は1年のみ。現在、研修所の試験資格は15歳以上23歳未満の未婚女性となっている。
- 男役から娘役の転向があり、また数少ないながらも娘役から男役の転向もある。虹架路万(82期、現役)は入団後に娘役から男役に転向した。元娘役トップの若木志帆(62期、-2007)は男役転向を打診されたことがある。
- SKD(松竹歌劇団)はOSKの東京版として1928年に創立されたが、1996年に解散した。
特徴
- かつては「歌の宝塚」に対する「踊りのOSK」と呼ばれていた。
- OSKのラインダンスといえば、新人からベテランまで揃って足を上げる高さ・回数・速度・揃い方でみせるショーの大きな見せ場と捉えられている。しかし、団員数が少なくなった現在ではショーの香盤の都合上、特に男役は若手のみが参加する事が多くなった。
- トップ男役の相手になる娘役は固定せず、TPOによって上位の娘役が相手を務めていたが、2021年の楊琳トップ時よりトップ娘役が明確に指定されるようになった。
近鉄傘下離脱以後の男役トップおよびその相手役は以下の通り。
大貴誠(59期、-2007):北原沙織(61期、-2008)、若木志帆(62期、-2007)
桜花昇ぼる(66期、-2014):牧名ことり(74期、-2015 主に芝居)、朝香櫻子(68期、2015年より特別専科へ移動 主にショー)
高世麻央(69期、2014-2018):牧名ことり、朝香櫻子
桐生麻耶(70期、2018-2021、2021年より特別専科に移動):城月れい(85期)、舞美りら(86期)
楊琳(83期、2021-):舞美りら、千咲えみ(89期)ここより正式にトップ娘役が固定
宝塚歌劇団との違い
- そもそも少女歌劇というどちらも興業の形態であり、例えて言えば吉本興業と松竹芸能、アイドルマスターシリーズとラブライブ!シリーズのようにどちらが正当でどちらが間違いだとかパクリであるということはない。
- しかし、双方の劇団は全く別の劇団であり、その100年を超える歴史を踏まえ、双方の性格はもちろんかなり異なっており、スミレをシンボルとする宝塚、前述のようにサクラをシンボルとするOSKなど、相違点は上げきれないほどある。
- 育成面ではどちらも2年制の育成組織を卒業した上で入団するが、宝塚は学校法人宝塚音楽学校(劇団の運営は阪急電鉄の直営)という組織上は独立した組織が運営する各種学校であるが、OSKは現在は声優事務所の養成所のように劇団内部の「OSK日本歌劇団研修所」が育成組織である。
- 宝塚は戦前の一時期は劇団が音楽学校の研究科だった歴史的経緯から劇団員は正式には「生徒」と呼び、学校に擬制した制度が取られている(例えば歌劇団入団3年目は研究科3年(一般的には略して研3と呼ぶ))が、入団後一定の年数までは阪急電鉄の社員として扱われ、その後タレント契約を結ぶのに対し、OSKは純然たるプロフェッショナルの劇団である。
- 育成組織に入学出来る年齢は宝塚は「15歳〜18歳まで」であるが、OSKは前述のように、23歳まで入学可能で、実際に前任の男役トップスターの桐生麻耶(現・特別専科)は、実際に東京女子体育大学に入学していた経験がある(研修所(当時は日本歌劇学校)に合格後に大学を中退)。
- また、宝塚は育成組織に入学=中退か辞退しない限り劇団に入団であるが、OSKは研修所を出ても入団試験に合格しないと入団は出来ない。
- 興行面では、男役に人気が偏重することもあり、男役のトップスターありきで、娘役のトップは「トップ娘役」と称して、あくまでも男役引き立て役に徹する宝塚に対し、娘役のトップも「娘役トップスター」と称し、男女が比較的平等であるのがOSKの特徴である。また、総勢約400名の団員がいる宝塚と違い、OSKは約50名(宝塚の1組は約80名)と少数精鋭のためOSKに組制度は存在しない。
- 人材面では、現役の生徒(団員)がプライベートの交流はあっても、ステージで共演することはないが、スタッフはOSKの黎明期から双方に関わっている人もおり、「ベルサイユのばら」で知られる植田紳爾や、植田の子息にある山村友五郎が双方の演出に携わったことがある。なお、宝塚所属・出身のスタッフを歴史的にOSKは多く受け入れているが、OSKのスタッフが宝塚に携わるケースは皆無。
関連動画
関連商品
関連リンク
- OSK日本歌劇団公式サイト
- OSK日本歌劇団チャンネル
- OSK NIPPONKAGEKI (Youtubeチャンネル)
- OSK日本歌劇団 -wikipediaの項目
- 松竹歌劇団 wikipediaの項目
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