OpenOffice.org (OOo) とは、オープンソース形式で開発・提供されていた無償のオフィススイートである。
後継ソフトとして、Sun Microsystemsを買収したOracle社とApache財団による「Apache OpenOffice」、およびOOoの主要な開発メンバーがOracleから離れて設立したThe Document Foundationによる「LibreOffice」の2種類がある。
概要
フリーのオフィススイート(Microsoft Officeと同じような機能を持つソフトウェア群のこと)であり、OpenDocument Format(.odf)を標準の文書フォーマットとしてサポートしている。MS Officeとの互換性もあり、Officeフォーマット(.doc .xls .ppt)形式のファイルを開くことができる。OOo3からはOpenXMLフォーマット(.docx .xlsx .pptx)形式のファイルにも標準で対応した。
フリーソフトウェアでは珍しい機能としてPDFを編集する機能がプラグインとして存在する。以前は有償版(StarOffice(日本語名StarSuite))が存在し、一太郎文書を開けたりしたが現在はこれもプラグインとして無償化している。
2010年にOracle社がOpenOfficeに関する諸権利を持つSun Microsystems社を買収、OpenOfficeをはじめとする商標などを取得した。これに対してOpenOfficeの開発メンバーはソフトウェアの利用の自由が阻害されるとして離脱、独自の組織「The Document Foundation」の設立とOpenOffice.orgをベースにしたオフィスソフト「LibreOffice」の開発と配布を行った上でOpenOffice.orgの商標やコードの権利を自分たちの団体に寄贈するよう要求した。
しかしOracle社は諸権利の寄贈を拒否。これに対抗するかたちで別の非営利団体であるApacheソフトウェア財団に諸権利を寄贈した。Apache財団がプロジェクトの移行を承認したため、「OpenOffice.org」は新たに「Apache OpenOffice」としてスタートすることになった。
なお、2011年をもってOpenOffice.orgの制作プロジェクトは解散している。
Apache OpenOffice
Apache Licenseにて配布された、OpenOffice.orgの後継ソフトの一つ。
Oracle社から譲渡されたOpenOffice.orgのソースコードの著作権・商標を元とし、IBM社のサポートを受けて開発された(加えて同社保有のオフィスソフト「Lotus Symphony」のソースコードも譲渡された)。
しかし、ほとんどの開発者はLibreOfficeに移ってしまったためApacheの開発は長らく停滞しており、LibreOfficeが順調にバージョンアップしていくのに対して、こちらは2014年の4.1を最後にメジャーバージョンアップは全く行われていない。[1] [2]
加えて、(全くやっていないというわけではないが)不具合や脆弱性の修正すら細々と行われている状態で、古くからの不具合も多くが修正されず残っているため、実質的に開発終了しているかのような状況である。2022年現在で使うのはあまり望ましくない。[3] [4]
……のだが、「OpenOffice」という知名度はそれでも今なお抜群に高いため、今でもLibreOfficeのことを知らないまま「とりあえず」でOpenOfficeをダウンロードしてしまう人が後を絶たないのが現状である。[5]
機能・プラットフォーム
Windows、Linux、BSD、Solaris、Mac OS Xのプラットフォームに対応している。
バージョン2.xまではMac OS Xで使うにはX11を起動する必要があった。このためAQUAに対応したNeoOfficeという派生版がある。現在はOOo本家がネイティブ対応している。
関連動画
関連静画・お絵カキコ
外部リンク
関連項目
- Microsoft Office
- LibreOffice - 主要な開発者が離反してOOoから派生させたもの。機能などがより上で、よりオープン。
- OpenDocumentFormat
- OpenXML
- ソフトウェアの一覧
脚注
- *「Apache OpenOffice」が深刻な開発リソース不足に直面--開発終了の可能性も (ZDnet Japan 2016-09-06 10:37)
- *「Apache OpenOffice」が“より大きなアップデート”のための貢献を呼び掛け (窓の杜 2020年5月18日 12:44)
- *「Apache OpenOffice 4.1.10」が公開 ~16年来の脆弱性を解決 (窓の杜 2021年5月6日 12:59)
- *「Apache OpenOffice 4.1.12」が公開 ~半年ぶりのメンテナンスリリース (窓の杜 2022年5月9日 11:00)
- *Apache OpenOffice、ダウンロード回数が3億3300万回を突破 (財経新聞 2022年9月3日 09:11)
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