P-38は第二次世界大戦でアメリカ陸軍が使用した双発型戦闘機である。
概要
アメリカ軍撃墜数1位と2位のエースパイロット(リチャード・ボング、トーマス・マクガイア)を輩出し、山本五十六の暗殺を実行した「ヴェンジェンス作戦(英語表記:Operation Vengeance)」で使用されたことや、「星の王子さま」の作者であるサン=テグジュペリが最後に乗っていた[2]ことでも知られている。
よく知られた通説として、敵国のパイロットから「双胴の悪魔 (Fork-tailed devil)」と呼ばれ恐れられたというものがある。
この話の真偽については議論・反論が絶えない[3]が、飛行機ファンはこの呼称を現在に至るまでP-38の代名詞として使っている。
誕生
1930年代後半、アメリカでは戦略型爆撃機B-17フライングフォートレスの開発が始まっていた。
アメリカ軍はそのような爆撃機に対抗する必要性も同時に認識していた為、迎撃用戦闘機を各メーカーに発注した。
その際の要求として「最高速度580km/h」「上昇力は高度6500mまで6分以内」等 と言ったものである。
その要求をクリアしたのは、ロッキード社であった。
それ以降改良が重ねられ1939年の9月にP-38として正式採用された。その時の最高速度は675km/hまで達していた。
武装は機首の先端に当初37㎜砲1門+12.7㎜機関銃4丁の構成だったが後に37㎜機関砲は20㎜機関砲に換えられている。
歴史
- 欧州戦線
欧州では、戦略爆撃機の主力掩護戦闘機として活躍した。だが機体特性が類似するドイツ軍機(Bf109等)には苦戦を強いられた。後続であるP-51やP-47に役目を譲っていく事になるが、終戦まで性能を生かして偵察機や爆撃機として活躍した。
イタリア軍に鹵獲されたP-38とB-17の改造型YB-40が交戦した事例が伝えられているが、現在ではこれは事実ではないとされている。
- 太平洋戦線
開戦当初、日本機に対し格闘性能で劣るP-38は辛酸を舐めさせられた。通説では簡単に撃墜できる事からP-38の名前からとって「ペロハチ(ペロりと喰えるP-38)」と呼ばれていたとされる。だが、その最高速度を生かした一撃離脱戦法に切り替えると評価は一変。立場は狩られる側から狩る側へと逆転した。
1943年4月18日には連合艦隊司令長官・山本五十六搭乗機である一式陸攻を撃墜している。 日本軍機撃墜数は約3800機でF6F、F4Uに次ぐ第3位である(陸軍機部門なら第1位とも言える)。
登場するゲーム
第二次世界大戦での有名な戦闘機であり、特徴のある形でもあるためWWIIを舞台にしたゲームでもしばしば登場する。
- カプコン「19シリーズ」
- 彩京「STRIKERS1945シリーズ」
- WarThunder
- World of Warplanes
- Call of Duty: WWII、Call of Duty 2: Big Red One
関連作品
動画
静画・MMDモデル
関連項目
脚注
- *これはアメリカ軍本来の物ではなくイギリス軍での愛称を逆輸入した
- *厳密に言うとP-38の偵察型であるF-5に搭乗していた。
- *一例としてはこちら: https://ww2aircraft.net/forum/threads/the-fork-tailed-devil-history-of-the-p-38.4624/
- 1
- 0pt