PC-9801-86とは、NEC PC-9800シリーズ用サウンドボードである。
通称86ボード。
概要
1993年に発売されたCバス用FM音源ボード。
機能としては、同年発売のPC-9821Aシリーズ(通称A-MATE)に搭載されていた音源部と同等で、Cバス用に移植したものして扱って差支えはない。
それまでPC-9800の世界でのサウンドはPC-9801-26k(以下26音源)が役割を担っていた(Bio_100%などの一部ソフトはBEEP音と呼ばれる音を使っていた)のだが、Windowsブームが到来し従来のFM音源だけではなくPCM音源が注目されるようになった。
しかし、26音源ではPCM音源を再生することが出来なかったために26音源の変わりにサウンドボードを新たに製作する必要があった。そのサウンドボードがPC-9801-73というサウンドボードである。
これは、PC-98GSの音源部をCバスに移植したもので非常に高機能だった。が、定価が9万円という恐ろしい金額だっただけにほとんど売れなかった。
当時、マルチメディアな使い方をするのには高額なお金が必要だったのである。
そこで、PC-9801-73からエフェクト機能などを取り除き安価に仕上げたのが86ボードである。
定価2万5千円という(当時から見れば)安価で発売されたこと、26音源の上位互換で従来の音源をこのボードに差し替えるだけで設定はそのままでFM音源が拡張され、PCM音源が利用可能になるということもあり(搭載マシンによってはPCMがWindows上で音飛びする等の欠点も抱えていたが)短期間でかなり普及し98ユーザーにとって事実上必須の一枚になった。
サードパーティ各社も独自機能の音源ボードを発売していたが、Sound Blasterが多少普及する程度でユーザーの多くはこのボードを使用していた。
それほどまでに86ボードの存在はユーザーに浸透していたのである。
なお、生産数が非常に多いため現在もオークション等で(動作云々は別の話だが)3000円~5000円前後で容易に入手することが可能。
ちなみに東方旧作でもこの音源が使用されており、一部では「旧作音源」と呼ばれていたりもする。
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