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曖昧さ回避 PMCとは

本項では1について説明する

PMCとは、民間軍事会社(Private Military Company)の略称である。

概要

PMCPMCは、軍隊や国家など依頼者の要請に応じて兵士傭兵)を派遣する企業の事である。正式名称は「PMSC(Private Military and Security Company)」および複数形の「PMSCs(~ Companies)」。民間軍事会社の行動に関して2008年スイス定義された「モントルー文書」により取り決められた。

過去に存在した傭兵と違う点は、軍隊というよりは軍事サービスとして提供する"企業"としての要素が大きいことである。兵站や整備なども軍事行動の一環としてサービス提供しており、戦場における要人警護、会場・集会の警備なども行う。なお、依頼さえあれば個人単位でも戦闘訓練の講習を引き受けている(もちろん、インストクターは実戦経験のあるプロ)。

セイン政権崩壊後のイラクにおいては、イラク政府再建機関連合暫定当局」から発行された規定「CPA Order17」に基づいてPMCの特権を許してきたイラク政府側が、PMCの行動に耐えかねて規定を破棄し特権剥奪に出るなど、その存在や活動範囲が狭められつつある。

モントルー文書

イラク戦争後のイラクでは、同盟のために働いている要員はイラク当局に訴追されない(暫定施政当局の17号)ため、PMCのコントラクター殺人などの重大犯罪を起こしても事実上免罪になるという事態が発生し、PMCの法的立場が不明確であることが問題となった。2006年からスイス・モントルーで、スイス政府赤十字際委員会が中心となって各政府とPMC関係者による話し合いが持たれ、2008年にPMCの行動に関する針「モントルー文書」が17カによって批准された。[1]

モントルー文書は条約でも協定でもなく、法的拘束はまったくないものの「民間軍事会社は人義と人権法に従う義務」が宣言され、PMCの活動にともなって責任を負うが具体的に定義された。

PMCの長所・短所

○ フットワークが軽い
PMCから提供される兵は、軍隊特有の上意下達による大集団活動ではなく、小隊~中隊規模のフットワークの軽い存在であるため、様々な状況に対応しやすい
○ 死者としてノーカウント
あくまで兵士ではないため、戦死者・負傷者としてカウントされず、自の世論が反戦に傾くのを恐れる政府からすれば非常に使いやすい駒である。
○ 派遣社員なので安い
正規軍隊と違って傭兵に対する遺族補償、軍人恩給、褒賞の授与などは必要なく、福利厚生はあまり気を遣わなくて良いため軍事費節約につながる。
○/× 国際法での扱いが不明
戦争における扱いとしては「軍隊」ではない。そのため正規兵でない者に軍関係の法令法律を適用できず、正規兵とべて軽い罪で済まされることもあるため、"軍"として行うわけにいかない汚れ仕事を任せることができる。
しかし裏を返せば、国際法に基づいた軍兵士の捕虜としての権利もないため、相手による強制労働や処刑が行われてしまう可性がある。
× 助けてくれない可
先進国の軍隊では「戦友は見捨てない」という信条があることから、救出専門部隊と救急専門部隊が設立されている。が、傭兵相手ではどうしても、(戦友と秤にかけた場合)その相対的な優先順位は低くなるため、十分な救援や医療が回らない可性がある。
× 運用不安
社員に対する待遇や保満足いかない場合、ストライキや裏切りなどの行為も発生する事から、サービスが十分に提供できない場合がある。あくまで傭兵ビジネスマンであり、正規軍隊と違って国家や郷土への忠仲間意識に縛られているわけではない。
× 引き抜きによる浪費
政府防のため大な予算を投入して訓練した軍人を、PMCが引き抜いてしまうことがある(成果となる兵士はPMCに取られてしまうため、国家は訓練と費用を肩代わりしているだけと同じになる)。
その原因として、軍人の肩書きを持ってPMCに入った方が現役時よりも良い待遇となること、退役軍人や先に転職した知り合いがPMCにいることでツテとして入りやすい環境になっている、といった事が挙げられる。また、自軍の上層部に失望した現役軍人が転職してしまうことも問題とされている。
軍も転職の問題には頭を悩ませているが、「職業選択の自由」は権利の類であり簡単には取り締まることができない。(ヘタに取り締まると、PMCとの関係にも悪が出る可性があり、権利にうるさい民主国家では民が黙っていない可性がある)

PMCの関連人物

PMCの関連企業

関連動画

問題行動

関連静画

関連商品

関連コミュニティ

関連項目

脚注

  1. *「図解 民間軍事会社と傭兵コスミック出版 2016 p.96

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PMC

123 ななしのよっしん
2023/06/21(水) 07:51:36 ID: 7dNsXdWalf
ワグネル創設者、ウクライナ動員の受刑者3.2万人「帰還」と投稿
https://mainichi.jp/articles/20230619/k00/00m/030/281000cexit

ロシア民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏は18日、ウクライナでの戦闘に参加した受刑者3万2千人が「契約を終え、帰還した」と述べた。

受刑者らは恩赦を得てロシア内に戻ったとみられる。
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124 ななしのよっしん
2023/06/24(土) 20:32:13 ID: yI8BAJm5/7
やっぱマキャベリは正しかったんや
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125 ななしのよっしん
2023/06/26(月) 09:59:45 ID: xQRPhNgS97
サラしてPMCでも起業しようと思ったけど
やめとこ(´・ω・`)
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削除しました ID: d7aat3524g
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127 ななしのよっしん
2023/06/26(月) 21:03:00 ID: GHHpWen9a1
国家が独占するに限るわ
私人に委ねてたら重武装のヤクザと化すのが関の山、テロリストを奨励するようなもん
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128 ななしのよっしん
2023/06/27(火) 21:55:24 ID: QSeKDcuPEF
でも、歴史的に見たら軍が本格的に組織されたのはフランス革命からで
傭兵連中に戦争アウトソーシングした時代の方が長かった
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129 ななしのよっしん
2023/06/27(火) 22:01:32 ID: 78R+tpWufK
常備軍以外は傭兵ということもないし
中国とかバリバリ古代から常備軍使ってた
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130 ななしのよっしん
2023/06/27(火) 22:33:43 ID: GHHpWen9a1
それは順番が逆で、国家というものが未発達だったから
仇討ちを認めることで警察の機の一部を市民に分け与えていたように、常備軍の組織や維持が非現実的だった時代は軍事もある種の専門職集団である傭兵団に任せておく必要があった
でも国家が発達して政府軍の常設や民の大量動員が可になれば傭兵に頼る必要は全くないし、逆に個人で武を所有してるなんて国家治安維持への脅威でしかない
ローマ帝国のように古代でも強な統治機構と産業基盤を持った国家市民軍を常設していたからね
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131 ななしのよっしん
2023/07/28(金) 01:20:54 ID: 7dNsXdWalf
地方首長は「軍事会社」創設可 ワグネル空白埋める―ロシア法案
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023072600806exit

ロシア下院は25日、地方首長による「軍事会社」創設を認める法案を可決した。

法案は「動員およびの期間中や戦時中」の措置として、正規部隊を補するために民兵組織を設けることを容認。
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132 ななしのよっしん
2023/08/25(金) 06:20:00 ID: JXElHsHz0J
ロシアのあれは近代的な企業というかプーチンという封建領に臣従する国衆や郎党の集まりに見えるが
近代傭兵のようなにでもつくビジネスライクな連中とも違うしワグネル団とかワグネル衆って言った方がいいかも
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