RFシリーズとは、『機動戦士ガンダムF90』をはじめとするメディアミックス作品に登場する『火星独立ジオン軍』こと『オールズ・モビル』が運用する、旧ジオン公国軍のモビルスーツを模した機体群である。
第1.5期モビルスーツ RFシリーズ
『火星独立ジオン軍』もとい『オールズ・モビル』の運用していたRFシリーズと呼ばれるモビルスーツ群は、ザクやグフといった旧ジオン公国軍を模した、あるいはそれそのものの外見が特徴である。
これは、単なる懐古趣味というだけではなく、マフティー動乱以降、地球圏全域でザクというモビルスーツを宇宙市民を守護する"サイクロプス"として、スペースノイドに敵対する"ガンダム"に立ち向かう抵抗者であると捉えるカルチャーが生まれたことと無縁ではないともされている。
オールズ・モビルのRFシリーズの設計は、そのほとんどがユニバーサル規格によって高度なモジュール化がなされた設計にその特徴がある。連邦軍のジェガンやヘビーガンと同様の規格品を用い、これを組み合わせることで調達可能な機体を設計していたのである。
過去のグリプス戦役期においても“ネモのパーツでゲルググをレストアする”ようなことは普通に行なわれており、モビルスーツは宇宙機械であるからパーツの共用性が極端に高められているが、このことがテロリストによる兵器の調達を容易としたのもまた事実である。パーツの出所を調査しても、それが軍用のものか、モビルワーカーやホビー用MSのものか特定することは難しいことであった。
RFシリーズの性能は18m級でありながらギラ・ドーガやグスタフ・カールといった20m超のMSに比肩するものであったという。これは小型MS開発技術のスピンオフにほかならない。オールズ・モビルの技術者たちは、モビルスーツを旧来以上に小型化しようとは考えず、彼らはあくまで、一年戦争当時までモビルスーツを小型化すればそれでよいと考えた。いわば第1.5期モビルスーツといえる設計思想である。
これはゲリラ組織ならではの発想であり、オールズ・モビルのRFシリーズは、フォーミュラ計画のMS群やデナン・シリーズのような超高性能機ではなかったが、ジェガンの近代化改修機であるジェガンJ型や、マフティーの動乱の少し前から配備されはじめたグスタフ・カールと対等以上に戦えれば戦略目的は達成できたのである。
レプリカから新型へ 後期型RFシリーズ
U.C.0120年、ガンダムF90二号機を奪取したオールズ・モビルは、連邦軍所属第十三独立機動艦隊の追撃を受け火星で壊滅したかに見えた。だが、オールズ・モビルが軍組織としての活動を急速に再開したU.C.0121年以降に用いられたRFシリーズは、それまでのオールズ・モビルのMSとは異なり、必ずしも原型機と同じ外見や兵装に固執していないものだった。
これは奪取したF90二号機のデータがフィードバックされたこと、軍組織としてより規格化が求められたこと、ブッホ・エアロダイナミクス(クロスボーン・バンガード)の支援が得られたことに起因する。火星基地の生産力は非常に高く、ルナツーの設備にも劣るものではないとされ、後期型のRFシリーズは計500機近く生産、第二次オールズモビル戦役に投入されたと考えられている。
第二次オールズモビル戦役の収束後、RFシリーズのテクノロジーはオープンソース化され、地球圏全域に拡散している。モビルワーカー生産設備があれば、同等品の量産は難しくないとされ、この件が、宇宙戦国時代初期から徐々に普及していた『ミキシングビルドモビルスーツ』の隆盛に繋がったのかもしれない。
RFシリーズ一覧
前期型RFシリーズ
- ザク(ザクII)
- グフ
- ドム
- リックドム
- ゲルググ
- ゲルググキャノン
- ギャン (漫画F90FFに、前期型と思われるギャンが登場している)
- ケンプファー (漫画F90FFに登場。外装はケンプファーそのままだが、新型のインコムやミサイルなどが増設されている)
後期型RFシリーズ
- OMS-06RF RFザク
- OMS-07RF RFグフ
- OMS-09RF RFドム
- OMS-09DRF RFデザート・ドム
- OMS-09SRF RFスノー・ドム
- OMS-14RF RFゲルググ(アカゲルググ)
- OMS-14SRF シャルル専用ゲルググ
- OMS-15RF RFギャン (フォーミュラー戦記には未登場だが、RFゲルググと同等レベルの性能のエースパイロット用MS、という設定が存在する)
- OMSM-07RF RFズゴック
- RFムサイ
その他
- 火星のRFギャン
- 火星のRFアッザム
- 火星のド・ダイ改
- RFグロムリン
漫画『機動戦士ガンダムF90』に登場するギャンとアッザムは、外観が旧公国機とは別物であり、旧式機のレプリカではないようだが、後期型に相当する機体になるのかは不明。また、火星では外観がド・ダイ改と思わしきサブフライトシステムを使用しているが、これも改造機であるのかはやはり不明である。
RFシリーズの設定の変遷
漫画『機動戦士ガンダムF90』に登場する火星ジオンの機体は、見た目は旧型のザクやグフそのままの機体である。そして、その数年後を描いた、ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』では外観もリファインされたRFザクやRFドムなどが登場する。
だが、後年発行されたいくつかの資料では、漫画『機動戦士ガンダムF90』に登場するザクやグフなどもRFシリーズとされ、ゲーム『SDガンダム GジェネレーションF』においては、『機動戦士ガンダムF90』シナリオに登場する敵モビルスーツが、外観もリファインされたタイプのRFシリーズになってしまっているなど、設定がかなり混乱していた。
それを受けてか、漫画『機動戦士ガンダムF90FF』の連載に合わせて設定が整理され、外観が旧型のままのレプリカ機や近代化改修機が"前期型"RFシリーズ。クロスボーンバンガードの技術提供や、鹵獲したF90二号機のリバースエンジニアリングによって得た技術で、外装含めて新規設計されたMS群が"後期型"RFシリーズという感じに大別されるようになった。
関連商品
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関連項目
- オールズ・モビル(火星独立ジオン軍)
- クロスボーン・バンガード
- 機動戦士ガンダムF90
- 機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122
- ガンダムシリーズの関連項目一覧
- ガンダムシリーズのMS・MAの一覧
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