THE KING OF FIGHTERS '96とは、SNKから発売された対戦格闘ゲームである。
概要
KOFシリーズ第3作。
前作から演出面が大幅に強化。超必殺技の複数所持、通常版とMAX版の差異明確化(パワーゲイザーならMAX版で3発に増加など)、発動時の演出が導入されたのも今作から。ゲームバランスは良くないものの、演出とBGMはシリーズ最高品質という声が高い。
『'95』からの変更点
- 参加キャラクターの一部入替
- 前作初登場のライバル・八神庵は、過去2作でラスボス、ルガール・バーンシュタインの秘書を務めていたマチュア、バイスとともに参加し、怒チームではハイデルンに代わって養子のレオナが、龍虎チームではタクマに代わってユリが、ユリが抜けた女子チームは、前作の龍虎ライバル枠を引き継いだのか、香澄が加入している。
- 小、中、大ジャンプの導入
- 高度が低く鋭い上に動きが速い中ジャンプを中心に、各種ジャンプを使い分けて攻めるのが強力でKOF96以降のKOFは「バッタゲー」と揶揄されるほどジャンプ攻撃が強く、後述の飛び道具の飛距離が低下したことも相まってスピーディーな攻めが展開されるゲーム性となった。
- 飛び道具の射程の大幅制限
- 画面端から端までまともに(?)飛んでいくのは、アテナのサイコボール、ケンスウの超球弾、庵の闇払い、舞の花蝶扇、クラウザーのブリッツボールくらいで遠距離で気弾の撃ち合いということが少なくなった。
- ゲージ消費行動の仕様変更及びMAX超必殺技の追加
- パワーゲージのMAX状態の攻撃力補正が大幅に低下し、挑発でのゲージ減少が大幅に増したため、一定以上のプレイヤー同士の対戦において、パワーMAX状態になる事は滅多にない。
前作にあったガードキャンセルは削除され、MAX状態時だけ何度でもガードキャンセル緊急回避が使用可能に。
また、超必殺技を超えるMAX超必殺技が導入され、体力1/4かつパワーMAX時に超必殺技を使うと演出とともに性能が変化、多くは威力がアップする。 - 避けが削除
- 代わりに緊急回避が追加され、打撃無敵のまま前転・後転して移動するが投げには無防備。
ただ、導入初期という事もあって性能は悪く、移動途中に無敵が切れてしまって攻撃を受けることがしばしば。 - その他
- 前ダッシュがフロントステップからレバーを入れ続けた分だけ走るランタイプに変更、垂直ジャンプ&後方ジャンプ字限定の空中ガードの追加(ジャンプ技と飛び道具をガード可、地上技はガード不可)、ガードクラッシュの追加、カウンターヒット&クリティカルヒットの追加、投げ外しの追加、ダウン受け身の追加、特殊技の全削除、ヒットカウント表示の追加…etc
歴代KOF史上ふっとばし攻撃が最も性能が良くどのキャラもやたら発生が速く判定も異様に強い上に、空中ふっとばしに至っては中段である(KOF97以降はふっとばしの発生が遅くなり、空中ふっとばしも中段ではない)。
コマンド入力の受付がシビアで斜め入力が最低2フレーム必要なため必殺技がなかなか出ず、なおさらふっとばし攻撃に頼る光景もよく見られた(その反省かKOF97では多数のコマンド簡略化が有効になり逆に暴発が多くなってしまった)。
KOF95とKOF97の中間のようなシステムで、全体的に攻めが強く各種ジャンプによるスピーディーなゲーム性は以降のKOFシリーズの土台となり方向性を決定付けた。 - ジョーの挑発。
- ネオジオフリーク創刊号の表紙を飾った男が、どうしてこうなった…
参加キャラクター
強キャラクター
- 鎮元斎
- その場に寝転ぶ忘月酔が追加され、寝ている間は極端に当たり判定が小さくなり、京のしゃがみD(足払い)のように少しでも地面から浮いているような攻撃はスカってしまい、この技を使われるだけで詰むキャラ多数。
忘月酔から後転しながら攻撃する派生技の鯉魚反棚がこれまた狂っており、判定が強く無敵時間もある上に大きく後退するので殆ど隙が無い。
しかも↑+Dで出せるために相手の動きを見てから出すことが容易で、近付いて投げようにも間合いの広いコマンド投げを持たないキャラは鯉魚反棚で逃げられてしまう。
寝ながら移動出来るため強引に接近して削って体力リードしたらガン待ちといったことも可能で寝て待っているだけで大抵のキャラに詰みに近い状況を作り出してしまう。
他にも、攻撃判定の持続が長い空中ふっとばしや昇りジャンプCが中段になり、超必殺技の轟欄炎炮の発生が速くガードしても反撃が難しいため下手に体力を減らすと画面端で削り殺されるなど寝なくても強い。
ネオジオフリークのムックでは庵と共に二強とされ、当時の店舗大会やフロアルールでは、禁止・自重・自己責任(=リアルファイトになっても知らないよ)の措置が取られる事が多かった。
ただし、上記の忘月酔はコマンド投げや掴み投げ・庵の闇払いなどには無力の為、それらが揃っている上位キャラには相性が悪いという致命的弱点がある。
以上により、強いキャラにはとことん強いが上位キャラには弱いという極端な相性となっていて、よく言われる96最強というキャラではないというのが現在での評価。 - 八神庵
- ダッシュが速くジャンプも低く鋭いため小・中ジャンプと相性が良く、ジャンプ攻撃が強いので対の選択肢になる小足や近Cが刺しやすくふっとばしも地上・空中とも強く基本的に通常技の性能が高水準。
そもそも各種必殺技の隙が小さく、軒並み飛び道具が飛ばなくなった中で射程無制限の地を這う飛び道具の闇払いを持ち、遠距離から寝転んだ鎮に攻撃出来る唯一のキャラとして鎮対策にも有効、対空技弱鬼焼きや突進技の琴月陰などはガードさせてしまえば間合いが離れるためとりあえず反撃は受けないなど凄まじい性能を誇る。
葵花は二段目から鬼焼きには繋げなくなったものの本作でも小足始動が有効でヒット確認も容易で隙も少ない。
D投げから必殺技に昇格した屑風がコマンド投げ共通の発生1Fで相手と位置を入れ替えて一瞬無防備にするというものに変更されたが、屑風→ダッシュ近C→屑風の永久が可能になり、失敗しても闇払いが出るのでノーリスク。
当然、当時の店舗大会では屑風永久禁止にされる事がほとんど。
闇払いや屑風のおかげで鎮には非常に強く、隙の少ない高性能な技ばかり持っているので上位キャラの中でもトップクラスの強さを誇る。 - チョイ・ボンゲ
- 各種ジャンプ攻撃の判定が強く、3ヒットしてめくりやすいジャンプCと発生が速くきっちり当てると着地に小足が繋がる飛翔脚が強力で殆どの対空技に無敵判定がない事もあって飛んでも落とせないという事がしばしば。
特に飛翔脚はジャンプで飛び越した相手をサーチし方向転換して返って来る(KOF97以降は飛び越すとそのまま降りて行く)上にジャンプCでめくりながらキャンセルして出すことも可能なのでヒット・ガード問わず厄介で削りも馬鹿に出来ない。
旋風飛燕刺突と飛翔空裂斬が空中で3回方向転換出来るようになりほぼ出し得になり、小足から竜巻疾風斬が繋がるので下段始動としては十分な威力。
小・中ジャンプと非常に相性が良く、これらの技で縦横無尽に飛び回るチョイに一部キャラは地上戦を仕掛けることが出来ず撃ち落とせない。
上記2人と違い、システムの煽りなどを受けた明確な強キャラ、C投げが掴み投げの為鎮相手でも戦えるのも強み。 - クラーク・スティル
- 今作で投げを重視した性能にモデルチェンジ。
各種コマンド投げからの追加入力で発動するフラッシングエルボーの威力が高く、スーパーアルゼンチンバックブリーカー&フラッシングエルボーを3セット決めるだけで一部キャラをKO可能、パワーMAX状態ならゲーニッツを除く全キャラをKO出来る。
また空中ふっとばしも全キャラ屈指の発生速度でやたら判定が強く、テリーのバーンナックルと正面から当たっても打ち勝てるほどで、ジャンプから空中ふっとばしか着地してから投げに行くかの2択が単純かつ強力。
その他、遠Dがリーチ・判定とも優れており、コマ投げや超秘投げの間合いが広くチンが寝ても外側から吸える。
ただ、紅丸の小足がダウン中にヒットしてしまい、紅丸コレダー→小足→紅丸コレダーのクラーク限定永久コンボがあるのが弱点。 - 大門と同様BCD同時押しで攻撃避けを出すことができ、攻撃避け中でも投げ外しを行なえてしまうので、コマ投げや掴み投げを持ってるキャラ以外にはリードを奪った時点で勝ち確定となってしまうとんでもない性質を持つ
- マチュア
- もともとゲーム全体で発生が速く判定も強いふっとばし攻撃だが、彼女の地上ふっとばしは発生がアンディに次ぐ2番目の速さでリーチが長く判定が強い上に隙も小さいと全キャラでも最高の性能を持つ。
牽制、差し込み、対空全て地上ふっとばし一つで十分で、これを連発されるだけで一部キャラは近付けなくなる。
突進技メタルマサカーも小技から繋がるほど発生が速く、ガードされてもガリガリ削る上にほぼ反撃されない。
そしてガードさせると再び地上ふっとばしが活かせる間合いとなっており、地上ふっとばし→メタルマサカー→地上ふっとばしがマチュアの黄金連携。
それ以外の技の性能が平凡なのでひたすらこの黄金連携を繰り返すことになる。
なおコマンド投げがないので鎮・大門・クラークに対してはほぼ積んでいる、上位キャラ陥落の噂も。 - 大門五郎
- 通常技にリーチがあり判定が強く火力も高い。
前作の反動か火力が控えめになった本作でもコマンド投げは調整を受けてないような威力を叩き出し、投げ間合いが全体的に広くジャンプ予備動作も投げてしまい投げスカリモーションも無いので全体的に投げキャラが強い。
また、前作の名残か大門とクラークだけはBCD同時押しで避け動作が可能で動作中に投げ抜けを受け付けてしまうため、コマンド投げを持たない相手には避け→避け中に投げ外し連打だけで時間切れで勝ててしまう。
地雷震バグも既にこの頃から実装済みだが、全キャラに的確にヒットさせるレシピは研究されていない。
攻撃避けの調整ミス性能により上位になっているが、ほぼ全てがクラークに劣っているのでクラークよりかは評価は下がるが、それでも強いことには変わりない
バグ
- 後退前ダッシュ
- テンキー表示で364とかなりすばやく入力すると、前ダッシュのモーションのまま後ろにダッシュするというとても面白い現象が起こる。今作はバックステップではなくバックダッシュなので、面白い以外の活用法は特にない。
- 多段化
- 超必殺技が使用できない状態で各種強攻撃の最中に超必殺技コマンドを入れると判定が多段化して大ダメージが叩き込めるバグ。
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