言語学において、VO言語とは、動詞 (Verb) が概して目的語 (Object) の前に来る言語である。
概要
VO言語の多くは右方分岐あるいは主要部先導型、すなわち主要部が文のはじまりに通例ある。このような言語では、例えば前置詞の方が後置詞よりも常習的である。
英語や中国語、ロシア語、アラビア語、タガログ語などが典型的なVO言語に挙げられる。SVO型の言語(主語+動詞+目的語の語順の言語)は言語全体のうちの42%を占め、日本語のようなSOV型よりもやや少ない。VSO型は9%の割合で、VOS型は3%の割合で起こる。
語順
動詞と目的語の順は、基本的に主要部と依存部の順と同じになる。つまり、動詞が目的語に先行するような言語においては、名詞の主要部である冠詞は名詞の前に置かれて名詞句を形成し、名詞句の主要部である接置詞は名詞句の前に置かれ(このため前置詞と呼ばれる)て前置詞句を形成する。
ただし、SVOについて言えば、依存部が他の語句や節にとっての主要部でない限り、つまり修飾されていない限り、主要部である名詞の前に置くこともある。たとえば形容詞にとっての主要部は名詞であるが、英語は主要部である前置詞・冠詞・関係代名詞等を持つ語(要するに二語以上でひとまとまりになっているもの)は名詞より後に置く一方で、形容詞は名詞の前に置く。
この傾向を外れる言語はシナ語派のものを除いて存在しない。中国語は、関係節がその主要部に先行する数少ないVO言語である。
関連項目
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