VT250シリーズ単語

38件
ブイティーニヒャクゴジュウシリーズ
3.7千文字の記事
  • 1
  • 0pt
掲示板へ

VT250シリーズとは、1982年から現在まで販売が続けられているホンダオートバイである。

概要

当時250ccクラスを席巻していたRZ250の対抗として企画・設計されたのが初代VT250であるVT250Fである。 80年台2st全盛のGP500クラス4stのNR500で参戦していたこともあり、エンジンもRZと互の35開発標とされた。

そこで生み出されたのがVT250シリーズの第1台となる

VT250FCMC08)である、
バイクブーム中に発売された本

と、「現在だったら絶対そこまでやらない」と断言できるほどの高度で贅沢なエンジン設計であり、
当時販売されていた同じ4ストローク250ccでは

スズキのRG250GT2502)が30
カワサキZ250FTが27

と当時の4ストローク250ccクラスVT250FCVTエンジン
30オーバーの35を出する高出エンジンであった。

そのため、最初期にはユーザーエンジンを回し過ぎたことによるエンジンローが多発し、

急きょホンダ電気式のレブリミッターを設定したほどである。

また体側にも

と様々な工夫がなされた、
結果としてはチャンバー次第で50オーバーを出するライバルRZ250には速さで並ぶことは出来なかったが

前述したよく回るエンジン特性、扱いやすさと燃費の良さが評価され、多くのファンを獲得することとなった

84年2月発売の2代目VT250FE

といった設計変更を受け、

86年4月発売の3代では式名を変更しVT250FGMC15)が発売された

VT250FCから続いた「VT250F」シリーズはこの3代VT250FGをもって一度幕を閉じた

躓きと再起動

 折しも世はレーサーレプリカブーム250ccクラス内4社が独自の4気筒エンジン開発し、アルミ製ツインチューブ式ダイヤモンドフレームに載せフルカウルに身を包み、それがバカ売れするという狂乱の時代。
VTは図らずもそのあおりを食らい立ち位置を見失うこととなる。

そこで
1988年ホンダから

VT250J SPADAMC20)が発売される。

当時のホンダ独自技術「CASTEC」による、アルミ鋳造の一体フレームの特徴的なフレームと前後に装備されたディスクブレーキから非常にレーシースタイルをしており、
体重量も燥重量140kgとVT250シリーズ最軽量を誇った、
またCMキャラクターには、今はなきF1レーサーアイルトン・セナを起用し、積極的に売り出していたが
当時のスポーツレプリカブームの中に乗りバイクとして地走行を意識して売り出されたことや、
11Lしかない燃料タンクなどが原因で市場の販売数が伸び悩み、結果、販売台数を大きく落とす結果となった。

1991年ホンダスパーダでの失敗を生かそうと、方向転換とばかりにツアラーバイクである

VT250FN(MC25) XELVISゼルビス)を発売する。
XELVISとは「最高の歓迎すべき友人」という意味のホンダが作った造語である

などより日常的な使われ方を想定したバイクであった。

しかし、燥重量で172kgと少々重く体価格も48万9000円と同時期に販売していたVTZ250や他の250ccクラス種とべると手が出しづらい価格であったこと、またスパーダの販売不振の原因となったブームに逆らった設計思想からか発売当時は思うように販売台数を伸ばすことができなかった。

しかし21世紀に入ってから本アラーとしての装備の充実ぶりが現在は再評価されている

1997年
ホンダ東京モーターショウに出展し好評を得たVTRVTR250)を発売する、と発表した。
ドゥカティモンスターを彷彿とさせるトラス構造のダイヤモンドフレーム、リヤサスペンションを単純なモノショック式に変更、エンジンを更に低中速寄りに仕立て上げた32とし、シートシートカウルを一体化しシートスペースをなくし、タコメーター・サイドカバーを思い切って省略するなど底的な軽量化とコストダウンを敢行。軽快で素直な乗り味と429,000円と較的抑えられた本体価格により、VT復権の立役者となった。
ガス規制の強化により2007年にいったん生産終了したものの、一足先にNinja250Rを発売し250cc市場を活性化させたカワサキに対抗する形で、2009年PGM-FIを採用し規制クリアした新が発売され、こちらも人気種となった。

また、2013年に初代VT250Fのリメイクとも言えるハーフカウル装備のVTR-Fも発売されている。

伝統のVツイン

前述したように、2stのRZの対抗として作られておりエンジン本体の耐久性はもともと極めて高い。記事作成者のVT体験から言わせてもらうと、バルブさえ持てば15000~16000回転くらいは軽く回ってしまうであろうと思われる。また、FI化に伴い最後の弱点とされたカムチェーンテンショナーが強化され、本当に20万キロ走れるエンジンとなっている。(冷間スタート時のタペット音が気になる方には、5万キロごとのタペットクリアランス調整をお勧めする。万全を期するなら、10万キロあたりでシリンダーヘッドガスケットの交換をするとなお良い。)
低回転域でこそVツインエンジン独特のゴロゴロ感が残るものの、回転を上げるに従ってスムーズに回るようになっていく独特のフィーリングは乗っていて非常に気持ちがいい。
現行VTRで、リミッターをカットしより高回転まで回るようチューニングするファンも一部に見受けられるが、カムが元々低速寄りのセッティングのため回しても出が上がらないばかりか燃費の悪化にもつながるので記事作成者としてはお勧めしない。 

そして次の世代へ

設計年次が1980年代流石に古く、

と、さすがにホンダ4st250ccエンジンの中核を担う役割を終えつつある。近日発売35周年記念モデルを発売し、そのモデルをもって生産終了、というのがもっぱらの噂である。

ホンダから正式に生産終了が発表されています。事実2016年末をもって終わっていた模様。

関連動画

関連コミュニティ

vt250シリーズに関するニコニコミュニティ紹介してください。

関連項目

関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

  • なし

【スポンサーリンク】

  • 1
  • 0pt
記事編集 編集履歴を閲覧

ニコニ広告で宣伝された記事

蘇我屠自古 (単) 記事と一緒に動画もおすすめ!
提供: -17.5
もっと見る

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

VT250シリーズ

1 ななしのよっしん
2016/09/18(日) 04:48:49 ID: f3+ac/rdq7
今さらですが記事作成お疲れ様です
最近興味を持ちましたので記念カキコ
👍
高評価
0
👎
低評価
0
2 ななしのよっしん
2017/09/05(火) 14:54:39 ID: Rg2nCt+wwu
去年に3代のを購入しました。海外向けに3代のにマイナーチェンジを加えたVTR250Interceptorという同種も存在してるようですね
乗られてた方にお聞きしたいのですが、1時間ぐらい乗ってると座ってるのが苦痛なほどシートが熱くなってきます。これは仕様なのでしょうか…?
👍
高評価
0
👎
低評価
0
3 ななしのよっしん
2017/10/07(土) 22:05:29 ID: dlZQtV78HP
>>2 VTは基本後ろバンク側に熱がこもりがちなのでどうしてもシート(特に股間あたり)がシリーズ通して熱くなりがちです、対策は少しシートの後ろ側に乗るくらいしかいですね・・・しかもスパーダ以前のVTはなぜか熱の籠る後ろバンクの上部あたりにレギレターを持ってきているので移設等を行わないとパンクが起きやすいので注意が必要です^^
👍
高評価
0
👎
低評価
0
4 記事作成者
2017/10/07(土) 23:06:31 ID: QFC4epXPkI
>>2
>>3コメントへの補足ですが、VTに限らずホンダフレームレギュレータのヒートシンクと位置付ける設計思想で、特にVT系だとそれが災いしてレギュレータがパンクしやすいようです。
PGM-FIモデルからはラジエーターファンめに回りだすようになり多少はマシになったようです。
とはいえ、どのみちレギュレータは8~10万キロくらいで寿命が来る消耗品と考えた方がよさそうです。
👍
高評価
0
👎
低評価
0
5 ななしのよっしん
2017/11/30(木) 01:23:21 ID: Rg2nCt+wwu
>>3
>>4
ご回答ありがとうございます! 構造的仕様なのですね…w
各所で言われてたのでレギュレーターはPCに使う放熱を付けて移設しました。しかしシートの熱は、色々試してみてますがまだ全解決には至ってません…。
しかしシートが熱くなる事以外は、デザインパワー共に気に入っておりますので、もうちょっと色々試してみたいと思います。
👍
高評価
0
👎
低評価
0
6 ななしのよっしん
2020/02/16(日) 21:07:06 ID: tCNt4ORLew
ホンダの人と話す機会があったんだけど、元は第一期のF1エンジンを元に作っているそうで…(1500cc V12250cc V2)上の記事作成者さんの言うとおり、バルブ、バルブスプリング、ピストン、コンロッド、カムチェーンテンショナー、が持てば2万回転近くまで回るそうです(笑)実際初代MC08のエンジンベンテストではそれに近い数字が出たそうです。恐るべしVT250
👍
高評価
0
👎
低評価
0

急上昇ワード改