YF-23とは、アメリカのノースロップとマクドネル・ダグラスが共同製作した試験機である。愛称はブラック・ウィドウⅡ。(ブラック・ウィドウとは日本語でクロゴケグモを意味する語。)
概要
1986年、米空軍はATF(Advanced Tactical Fighter、先進戦術戦闘機)計画のためにプロトタイプを開発し、テストを行うことを発表した、参加した5社(ボーイング、ロッキード、ジェネラル・ダイナミクス、ノースロップ、マクドネル・ダグラス)が案を示し、そのうちロッキードのYF-22とノースロップのYF-23が採用され、ATFの概念実証/飛行実証が行われることになった。
開発にはマクドネル・ダグラスが加わり、2機のプロトタイプが製作された。1号機が1990年8月27日、2号機が同年10月26日に初飛行を行った。1号機は機体が黒色に塗られ「スパイダー」、2号機は灰色になり「グレイゴースト」という愛称が付けられた。エンジンもそれぞれ違っており、1号機にはプラット&ホイットニーのYF119-PW-100型ターボファンエンジンが、2号機にはゼネラル・エレクトリック社のYF120-GE-100型ターボファンエンジンが搭載された。
「21世紀の戦闘機 F-22 Raptor」(著:ビル・スウィートマン)によると、YF-23は高速性とステルス性に重点が置かれ、YF-22に比べて側面、後部からのRCSが小さく、下部からの赤外線探知に対しても優れていたということだ。テスト中、YF-23は迎角を25°以上はとらなかった(ノースロップは風洞試験で迎角に限界が無いことは確認されていると反論)。またYF-22は模擬のAIM-9、AIM-120をウエポンベイから試射するテストを行ったが、YF-23ではミサイルの試射は行われなかった。
飛行テストの最中、ロッキードとノースロップはATFの次の段階であるEMD(the Engineering and Manufacturing Development)フェーズに向けたプロポーザル(企画書)を用意し、1990年に空軍チームで評価が行われたが、1991年4月23日アメリカ空軍はロッキード案を採用し、8月に正式にEMD契約を結んだ。
選定にあたっては各社の能力(プロポーザルをきちんと遂行し、機体を軍に引き渡す能力があるか)も評価の対象になるため、軍がYF-23に対してどのような評価を与えたのかは、結局のところよくわからない。
テストを終えたYF-23は1996年までNASA(アメリカ航空宇宙局)にて保管されていた。
登場作品
- エースコンバットシリーズ
1、2、5、ゼロ、X、X2、アサルトホライゾン、3Dで登場。アサルトホライゾンのみ有料DLCでの登場。 - H.A.W.X
1およびモバイル版で登場 - エリア88
スーパーファミコン版で登場。愛称は「ステルス・レイ」
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関連項目
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