Z80とは、アメリカ・ザイログ社が設計、開発したCPU(マイクロプロセッサー)である。開発に日本人技術者の嶋正利が加わっていた。
概要
インテルの8ビットCPU、i8080の上位互換性を持ったCPUで、黎明期のパソコンにおいては高速なi8080としての役割を果たした。
その後、多くの企業とセカンドソース契約を結ぶことで大量の互換CPUが供給され、多くの8ビットパソコンや家庭用ゲーム機に採用されていった。
ライバルとなったのは、モトローラのMC6809と、モステクノロジーのMOS6502であった。
また、メガドライブやNEOGEOといった16ビットゲーム機においても、FM音源チップの制御のためにZ80互換CPUを使用する事例もあった。現在でも組み込み制御向けとしてZ80互換のCPUが使われている。
ハードウェアの特徴
i8080とはバイナリーレベルでの互換性はあったものの、アセンブリ言語のニーモニックは異なるものを用意していた。
アドレスバスは16ビットで、最大64KBのメモリーアクセスを可能としていた(バンク切り替えによってそれ以上のメモリーへのアクセスも可能だった)。
また、クロックアップへの対応も行われ、Z80が2.5MHz、Z80Aが4MHz、Z80Bが6MHz、Z80EとZ80Hが8MHzとなっていた。特にZ80Aは多くのパソコンなどで採用された。
採用されたハードウェア
パソコン
- NEC:PC-6001、PC-6601、PC-8001、PC-8801およびこれら派生モデル
- シャープ:MZシリーズ(5500、6500系列を除く)、X1シリーズ
- MSXシリーズ (TurboRでは上位互換のR800を搭載)
- ソード計算機システム(現:東芝パソコンシステム):M5(タカラへOEM供給された)
- 東芝:パソピア(16シリーズを除く)
- ソニー:SMC-777(HiTBiT)
- セガ:SC-3000
ゲーム機
- セガ:SG-1000、SG-1000II、MARK III、マスターシステム、メガドライブ(サウンド制御用)
- 任天堂:ゲームボーイ(カスタマイズされたものを採用)
- SNK:NEOGEO、NEOGEO CD(いずれもサウンド制御用)
関連動画
関連項目
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