Zenfoneとは、台湾のコンピュータメーカー「ASUSTeK Computer Inc.」が開発・製造しているAndroidスマートフォンのシリーズ名である。
概要
同社の主力ブランドである「Zen」シリーズのひとつ。Zenとは、日本語の「禅」が由来となっており、『心に平和をもたらす無駄のない美しさ』を開発コンセプトとしている。
ホーム画面アプリには自社開発の「Zen UI」を導入しており、使いやすさを重視した作りとなっている。
「Zen」シリーズでは、Androidタブレットである「ZenPad」も主力ブランドのひとつである。
通信について
日本における3G/4Gの対応バンドに関しては、ドコモとソフトバンクに関しては全機種でフル対応なので、ドコモやソフトバンク系の本家SIMやワイモバイルのSIMは勿論、格安SIMも問題なく使用可能。
ただしauに関しては製品のバンドが対応していても、通信(特に通話)ができないケースも多いため、au系のSIMカードを使う場合、前もって対応状況をチェックすることが必要。特にZenfone3以前の機種は2機種しか対応していないほか、それ以降の機種でも初期状態では対応していなかったり、最後までau向けの通信対応のアップデートが見送られるというケースもないとは言い切れないので注意。
一応4Gのバンド1/3/8/19/18or26、3Gの1/6/8に機種が対応している場合は、本項目において3大キャリアのバンドにフル対応しているものとして扱う。
製品一覧
※ここでは総務省の技適を取得し、日本国内で正規販売された機種のみを紹介する。
5(A500KL)
2014年11月発売。日本市場では初号機にあたる。
搭載CPUはSnapdragon400 1.2GHzクアッドコア。ミドルスペック機。
ストレージ容量は8GB・16GB・32GBの3種類で、8GBは楽天モバイルとNTTコムストアでのみ販売された。
OSはVer. 4.4を搭載(後のアップデートで5.0になった)。
日本仕様はATOKをプリインストールしているほか、NTTドコモやソフトバンク向けに対応バンドを最適化している。
本体カラーは黒・白・赤・金の全4色。
2(ZE551ML)
2015年5月発売。
世界で初めてメインメモリ(RAM)容量4GBを搭載したことで話題となったハイスペック機。
搭載CPUはIntel Atom Z3580 2.3GHzクアッドコア(RAM2GBモデルはAtom Z3560 1.8GHzクアッドコア)。
ストレージ容量は32GB・64GBの2種類。
OSは5.0を搭載。
音量ボタンはLG Gシリーズと同じように背面に配置している。
Quickcharge 2.0に対応しており、約40分で6割方迄一気に超急速充電が可能となっている。
本体カラーは日本仕様は黒・赤・灰・金の全4色。
2Laser(ZE500KL・ZE601KL)
ZE500KLが2015年8月発売。ZE601KLが2015年11月発売。
基本はドコモとソフトバンクの通信網に対応しているが、後にZE500KLに関してはauの通信網(auVoLTE)にもアップデートで対応した。
オートフォーカス検出にレーザービームを採用しており、僅か0.03秒でピント合わせが行われるほか、暗い場所でもバッチリとピントが合うようになった。
CPUはZE500KLがSnapdragon410 1.2GHzクアッドコアのミドルスペック機。ZE601KLがSnapdragon S616 オクタコア(1.7GHz × 4 + 1.0GHz × 4)のミドルハイスペック機。
OSは5.0を搭載。
ストレージ容量はZE500KLが16GB、ZE601KLが32GB。
画面サイズも異なり、ZE500KLが5インチであるのに対し、ZE601KLは6インチ。
日本仕様の対応バンドはNTTドコモやソフトバンク向けに最適化している。
本体カラーは日本仕様のZE500KLが黒・白・赤・灰・金の全5色、ZE601KLが赤・灰・金の全3色。
Selfie(ZD551KL)
2015年9月発売。
インカメラが強化されており、シリーズ他機種が軒並み500万画素止まりであるのに対し、こちらは1300万画素で尚且つ広角レンズを搭載。自撮り(セルフィー)に適した機種となる。
CPUはSnapdragon615 オクタコア(1.7GHz × 4 + 1.0GHz × 4)。ミドルハイスペック機。
OSは5.0を搭載。
ストレージ容量は16GB。
日本仕様の対応バンドはNTTドコモやソフトバンク向けに最適化している。
本体カラーは日本仕様は白・桃・水色の全3色。
Zoom(ZX551ML)
2016年2月発売。2(ZE551ML)のリアカメラを光学3倍ズームのものに置き換えた機種。世界で名高い日本のレンズメーカーである「HOYA」製プリズムおよび10層レンズを採用している。
バックパネルにはプレミアムモデルではイタリア製高級本革を採用するなど高級路線に走っている。
CPUはIntel Atom Z3590 2.5GHzクアッドコア もしくは Atom Z3580 2.3GHzクアッドコア。
ストレージ容量はスタンダードモデルが32GB・64GB、プレミアムモデルが64GB・128GB。
日本仕様の対応バンドはNTTドコモやソフトバンク向けに最適化している。
本体カラーは日本仕様は黒・白の全2色。
Max(ZC550KL)
2016年3月発売。シリーズ最大級の5000mAhという超大容量バッテリーを搭載。
連続待受時間38日間という驚異のスタミナを誇る。また、付属のUSBホストケーブル(USB-OTGケーブル)を使えば他のスマホ等に電力を供給可能な「リバースチャージ」機能を備える。
CPUはSnapdragon410 1.2GHzクアッドコアのミドルスペック機。
日本仕様の対応バンドはNTTドコモやソフトバンク向けに最適化している。
本体カラーは日本仕様は黒・白の全2色。
Go(ZB551KL)
2016年4月発売。実勢価格が新品でも2万円を切る超廉価機で、実質的なエントリーモデル。
搭載CPUはSnapdragon400 1.4GHzクアッドコア。ミドルスペック機。
基本はドコモとソフトバンクの通信網に対応しているが、後にauの通信網(auVoLTE)にもアップデートで対応した。
本体カラーは日本仕様は黒・白・青の全3色。
3(ZE520KL/ZE552KL)
2016年10月発売(後者は2017年3月発売)
Zenfoneシリーズでは初めて国際価格よりも高く販売された機種であり、発売当初は国際価格より15000円近く高値(後に5000円値下げ)で販売されたため、日本の格安スマホではZenfone5・Zenfone2laser・ZenfoneGoと常に人気機種を出してきたASUSでも、流石にこの強気な価格設定で販売してしまったことが仇となり、コスパに優れたライバルであるファーウェイのliteシリーズにシェアを大きく奪われる形となったが、Zenfoneというブランドが既に確立されていたこともあり、この価格でも日本ではかなりの人気機種となっただけではなく、後に値下げされたこともあって2年近くも売れ続けるロングセラー機種となった。
日本で販売されたDSDS採用機種では代表的な端末であり、SIMカードを2枚同時に切り替えずに使用できる。
このシリーズ以降は基本的にauVoLTEにも対応しているのも特徴のひとつで、この機種以降は日本における3G/4Gの4Gプラチナバンドやau以外の3Gの補助バンドにフル対応となっている。
搭載CPUはSnapdragon625 2.0Ghzオクタコア。ミドルハイスペック機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
本体カラーは日本仕様は黒・白・金の全3色。
3Deluxe(ZS550KL/ZS570KL)
2016年10月発売。
無印3の上位モデルで、ディスプレイのグレードアップやNFCが搭載されたりしている。またRAMも6GB版がある。
搭載CPUはZS550KLはSnapdragon625 2.0Ghzオクタコア。ミドルハイスペック機。
ZS570KLの日本版はSnapdragon821 2.4Ghzクアッドコア。フラグシップモデル&ハイエンド機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
本体カラーは日本仕様は金・銀の全2色。
3Ultra(ZU680KL)
2016年12月発売。6.8インチの大型スマホで、タブレット級の大きさが特徴。
搭載CPUはSnapdragon652 1.8GHz+1.2GHzオクタコア。ミドルハイスペック機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
本体カラーは日本仕様はグレー・ピンク・銀の全3色。
3Laser(ZC551KL)
2016年11月発売。無印3の廉価版で、日本版ではDSDSにも非対応。
何故か日本以外では無印3と同額と売る気が全く感じられないので、日本にしか売る気のない端末である。
前評判は悪くなかったが、トラブル報告が多かったほか、アップデートすら見送られたり(最終的には3Maxより遅れたものの、アップデート自体の配信はされた)と不憫な機種。そんな微妙な機種のせいか、実質的な上位機種であるZC553KLがネットでは推奨される事態となった。
搭載CPUはSnapdragon430 1.4GHz+1.1Ghzオクタコア。ミドルスペック機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
本体カラーは日本仕様は金・銀の全2色。
3Max(ZC520TL/ZC553KL)
2017年1月発売(ZC553KLは4月発売)
Maxの後継機で4100mAhの大容量バッテリーを搭載。
初期状態ではどちらもauVoLTEやDSDSには非対応となっている。
搭載CPUはZC520TLはMediaTek MT6737M 1.25GHzクアッドコア。エントリースペック機。
安価なのが強みではあるものの、省エネ性能の微妙なCPUを積んでいる上、しかもZenfone3以降のシリーズでは唯一au VoLTEにも非対応(→アップデートでauVoLTEに対応しました)ため、大容量バッテリーがあまり生かせない機種になってしまっているのが残念。
ZC553KLはSnapdragon430 1.4GHz+1.1GHzオクタコア。ミドルスペック機。
値段が3Laserと同額なのに、バッテリー容量+Maxの機能を持つ分、実質的には3Laserの上位機種にあたる。
CPUも省エネ性能が標準的なものを採用したため、電池持ちも非常に良くなっている。
またアップデートでauVoLTEやDSDSにも対応している。ますます3laserやZC520TLを買う意義が見出せなくなった。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
本体カラーはグレー・金のほか、ZC520TLでは銀、ZC553KLではピンクとそれぞれ全3色。
3Zoom/ZoomS(ZE553KL)
2017年6月発売。
ZoomやZS550KLの後継機で同じくカメラ性能が高く、背面デュアルレンズ&光学ズーム機能を備えているのが特徴。……なのだが、正直カメラは値段の割りに微妙との声が強いため、過度な期待は禁物。
一方でディスプレイにはZS570KL同様に有機ELを採用し、バッテリーも5000mAhと大容量のため、省エネ性能に優れたCPUを採用したこともあり、電池持ちに関しては非常に良好。
搭載CPUはSnapdragon625 2.0Ghzオクタコア。ミドルハイスペック機。
CPUがZenfone3と据え置きなのに値段が1.5~2倍という高価格のせいか、評判はイマイチ……なのだが、ZS550KLが発売されなかった北米では若干安く販売されている。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
本体カラーは日本仕様はグレー・ピンク・銀の全3色。
AR(ZS571KL)
2017年6月発売。ZS570KLの後継機でディスプレイの性能などがパワーアップしているほか、RAMに8GBも用意。
他にもTango/Daydreamの両方に対応し、ARとVRにも対応している事を売りにしている。
搭載CPUはSnapdragon821 2.4GHzクアッドコア。フラグシップモデル&ハイエンド機。
CPUに当時のハイエンドであるSnapdragon835を積めなかったため、実はCPUスペックが同等な分、前世代のZS570KLの方が値下がりしたことにより、単純性能のコスパでは負けてはいるが、AR/VR対応機能を搭載しながらも、日本では国際価格そのままで売られていることを考えれば、ある意味ではお得ともいえるかもしれない。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
本体カラーは日本仕様は黒のみ。
Live(ZB501KL)
2017年7月発売。
初期のコードでは3Goとなっていたが、後にLiveのブランドとして独立した。実質的にはエントリースペックの系列に当たるGoの後継ブランド。動画撮影に特化したエントリーモデルの低価格スマホで、DSDSには非対応だが、auVoLTEには対応している。
搭載CPUはSnapdragon400 1.4Ghzクアッドコア。エントリースペック機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
本体カラーは日本仕様は黒・ピンク・金の全3色。
4(ZE554KL)
2017年9月発売。3の後継機で主にカメラ性能がアップしていることを売りにしている……が、カメラ性能はデュアルカメラになり、かつ広角撮影機能などが追加されてはいるが、写真映りそのものは3より若干いい程度。むしろ最新型のミドルスペックCPUを搭載しているため、前世代の3の1.8倍近い性能を誇りつつ、電池持ちも非常に良い機種になっている方が売りといえる。
ただし3同様に国際価格より10000円高い『おま値』で売られているため、完全に人を選ぶ機種にもなってしまっているのは残念。しかもCPUのコストが高いせいか値下がりも次機種の5より少ない。
下位モデルとしてSnapdragon630を搭載した端末もあり、日本ではIIJmioがZenfone4カスタマイズモデルという名目として独占販売。こちらはZenfone3が日本での発売開始価格とほぼ同価格で販売開始となった。が、Snapdragon630は前世代の625と性能差がほとんどないCPUのため、ますます値下がりしているZenfone3で十分ではないかと思わざるを得ないのが正直なところである。
搭載CPUはSnapdragon660 2.2Ghzオクタコア。ハイスペック機。
下位モデルの搭載CPUはSnapdragon630 2.2Ghzオクタコア。ミドルハイスペック機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
本体カラーは日本仕様は白・黒の全2色。
4 Pro(ZS551KL)
2017年9月発売。3Deluxeの後継機でZenfone4の性能を全面強化したフラグシップモデル。カメラは無印4に搭載されてる広角撮影機能は無いが、代わりに背面デュアルレンズ&光学ズーム機能を備えるなどiPhoneに対抗した作りとなっている。
問題は日本での発売価格で、国際価格より25000円も高いというトンデモな『おま値』であること。さらにARのような独自の強みがないため、日本販売に限れば他のハイエンド機種との差別化に失敗しているとの評が強い。何より同じ価格で日本の場合だとブランド力と性能で優るiPhone8が買えてしまえるのは致命的と言える。
ただし相応な高級機種となっており、次世代の5は日本向けだとCPU強化のみの上位モデルしか出さなかったこともあって、本当の意味でZenfoneのハイエンドといえる機種はZenfone6発売まではこのモデルのみだった。(非Zenfoneも含めれば、ASUS全体ではゲーミングスマホのROG PhoneがZenfone6発売前までは最上位モデルだった)
搭載CPUはSnapdragon835 2.45Ghzオクタコア。フラグシップモデル&ハイエンド機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
本体カラーは日本仕様は白・黒の全2色。
4Selfie Pro(ZD552KL)
2017年9月発売。Selfieの後継機らしく自撮りに強いのが特徴で、特にインカメラにデュアルレンズを採用している点は、他の機種にはまず見られないアドバンテージといえる。ただしその分メインカメラはシングルレンズな上に機能も少し省かれているので、このあたりは妥協する必要がある。他にもDSDSにも対応し、CPUも省エネに優れたものを搭載しているのが特徴。
自撮りをしない人にとっては値下がりしている無印3にメインカメラの機能面でも劣ってしまうことや、この機種自体も国際価格より10000円高いというおま値であるという2つの点からも、良くも悪くも自撮りをする人向けの機種といえる。
搭載CPUはSnapdragon625 2.0Ghzオクタコア。ミドルハイスペック機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
本体カラーは日本仕様は黒・金・赤の全3色。
4Max(ZC520KL)
2017年12月発売。3Max(ZC520TL)の後継機で、CPUがMediaTeK MT6737MからSnapdoragon430に強化されたことで、処理性能と電池持ちが大幅によくなっている。また日本の発売端末ではほとんど見られないトリプルスロット対応(DSDSとmicroSDカードが同時使用可能)機種であり、そういう意味でもポイントが高い。ほかは3Max(ZC520TL)に大方準拠しているが、メインカメラがデュアルレンズ仕様になったため、カメラ性能が地味に底上げされているのも特徴。
この機種以降のZenfone Maxシリーズは標準モデルが4100mAh、Pro仕様のモデルが5000mAhのバッテリーに統一され、Plusシリーズを除けば日本仕様のモデルはCPUもSnapdoragonに統一されている。
弱点としては3Max(ZC553KL)からの進化があまりなく、トリプルスロットに魅力を感じない場合は乗り換える必要性が薄い。またMax(ZC550KL)に採用された5000mAhの大容量バッテリーではなく、3Max同様の4100mAhバッテリー採用のため、電池持ち目当てだとMaxから乗り換えるにも微妙なポジションにある。ちなみにZC553KLの実質的な後継機にあたる4Maxのバリエーション機であるZC554KLは5000mAhバッテリーを採用しており、日本ではビッグカメラ専売で発売された。
対応バンド上はKDDIネットワークにも対応し、今度のアップデートでau回線でも使用可能になるとのことだが、DSDS使用時のauの電波(特にauVoLTEを使う場合)は動作が不安定になることも多く、KDDIネットワークを用いたDSDS機として使用する場合は歴代機種同様に過度の期待はしないほうがいいと思われる。ちなみにドコモとソフトバンクのネットワークに関しては問題なく使用可能である。
搭載CPUはSnapdragon430 1.4Ghz+1.1Ghzオクタコア。ミドルスペック機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
本体カラーは黒・ピンク・金の全3色。
Zenfone5(ZE620KL)
2018年5月発売。4の後継機。Zenfone機種ではこのシリーズから19:9比率のディスプレイを採用し、指紋認証のほかに顔認証が追加され、DSDSからDSDVにグレードアップしている。他は代わり映えがあまり無く、カメラはAI機能が追加された程度にとどまり、CPUにいたっては4よりも性能が劣るものが採用されているにもかかわらず、値段は4よりも高い。ただし、おま値は4よりは若干マシになったほか、キャンペーンなどでの値下げも4よりも大きいので比較的買いやすくなった。
搭載CPUはSnapdragon636 1.8Ghzオクタコア。ハイスペック機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
Zenfone5Z(ZS620KL)
2018年5月発売。立ち位置的には4Proの後継機だが、本機はむしろ5からCPUとRAMのみを強化した形になっており、4Proと比較するとディスプレイやバッテリー、カメラがコストダウンされている。特にカメラに関しては5と共通化してコストダウンを図っており、4Proと比べると出来ることとできないことがはっきりと分かれている……というかむしろグレードとしては4Proより落ちている。一方でハイエンドCPUであるSnapdragon845搭載機種としては値段も安くなっており、おま値も控えめである。
搭載CPUはSnapdragon845 2.8Ghzオクタコア。フラグシップモデル&ハイエンド機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
Zenfone5Q(ZC600KL)
2018年5月発売。廉価機種という立場だが、立ち位置的には4Selfie Proの後継機。インカメラの性能が5シリーズの中では最も高いため、自撮りに向いている。メインカメラは若干性能で劣るものの、値段を考えれば健闘している、一方でDSDSどまり、急速充電/CPUの性能、充電端子がMicroUSB Micro-Bであったりなど、随所にグレードが落ちている。
搭載CPUはSnapdragon630 2.2Ghzオクタコア。ミドルハイスペック機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
Zenfone MAX (M1)(ZB555KL/ZB602KL/ZB570TL)
MAX(2018年9月)、MAX Pro(2018年12月)、MAX Plus(2018年2月)がそれぞれ発売。インドや東南アジア向けに作られた廉価版のエントリー機種で、日本ではこの中でもエントリースペックのものが発売されている。それぞれZenfone4 MAXの後継機という扱いだが、MAX ProだけはDSDV機とほぼピュアAndroidのOSを採用しているのに加えて、CPUもZenfone5と同等のものを搭載するなど高コスパ機種となっており、エントリーレベルのゲーミングスマホという一面を持つが、日本発売のモデルはRAM3GB、ROM32GBとCPUに反して非常に容量が少ないため、本格的にゲーム用途に使うつもりなら、最低でもZenfone4かZenfone5を選んだ方が無難。またMAX Plusに関しては燃費に不安のあるMediaTekのCPUを採用しているため、大容量バッテリーの長所をいまいち生かしきれていないところがある。
非常に優秀な機種だが、日本での発売が遅れ、ProシリーズのM1発売からわずか3ヶ月後に後継のM2シリーズが日本で発売。値段差があるとはいえ、これではM1シリーズが浮かばれないと思うのも無理はない。
搭載CPUはそれぞれ、
MAXはSnapdragon430 1.4Ghz+1.1Ghzオクタコア。エントリースペック機。
MAX PlusはMediaTek MT6750T 1.5GhzGhz+1.0Ghzオクタコア。エントリースペック機。
MAX ProはSnapdragon636 1.8Ghzオクタコア。ハイスペック機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
Zenfone MAX (M2)(ZB633KL/ZB631KL)
MAXとMAX Proがそれぞれ2019年3月に発売。Zenfone MAX (M1)の後継機で、主にCPUとRAMが強化されたほか、両機種共通でDSDV対応&ピュアAndroidOS搭載となった。特にRAMの4GB搭載は前モデルでRAM3GBではCPU性能的には若干不安だったこともあり歓迎されている。さらにMAX ProはROMも64GBになったため、RAM4GBとCPUにSnapdragon660を採用したということもあわせて、ゲーム用途にも耐えうるスペックとなった。またRAM6GBモデルも新規に発売されている。
なおMAX Proは出荷時に手違いがあり、対応バンドが違うバージョン(ZB630KL)を日本に誤って輸出したため、判明までに日本国内で売られた10000機とそれ以外の在庫が無償交換・回収される騒ぎとなった。
(なおソフトバンクのSIMなら手違いのバージョンでもバンドはフル対応しているので問題なく通信はできるが、罰則がほぼないとはいえ電波法違反となるので、さっさと無償交換したほうがよい)
搭載CPUはそれぞれ、
MAXはSnapdragon632 1.8Ghzオクタコア。ミドルスペック機。
MAX ProはSnapdragon660 1.95Ghオクタコア。ハイスペック機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
Zenfone Live (L1)(ZA550KL)
2019年3月発売。Liveの後継機に当たるエントリーモデル。とにかく安価なので超ライトユーザーかサブ機向けのスマホ。特に本機種のRAM2GBは2015年~2016年前半の格安スマホの標準レベルであり、ぶっちゃければ3年落ちの低スペックなので、基本的には同じエントリー機でも電池持ちのいいM1かM2を選んだ方が無難。そんなロースペック機だが、DSDSやauVoLTEに対応し、かつCPUもオクタコア機を採用し、ROMも32GBとなっているので、通話とネット閲覧用と割り切れば耐えうるスペックにはなっている。
ただし過去にもこの機種の系統の元祖とも言えるローエンドのZenfone Goが日本でヒットしたように、安いというのはそれだけで武器であり、ほぼ同時発売のM2が不具合のためスタートダッシュでこけたのもあったとはいえ、ネットでの評価が高いM1シリーズよりも2018年の第4Qでは売れ、同QにおいてZenfoneシリーズでは日本で一番売れるいう快挙を達成した。(というよりこれより売れたSIMフリー機種はP20 liteとAQUOS Senceシリーズのみ)
搭載CPUはSnapdragon430 1.4Ghz+1.1Ghzオクタコア。エントリースペック機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
Zenfone 6(ZS630KL)
2019年8月発売。5の後継機にあたる。廉価モデルをLiveやMaxに譲った関係もあり、単独ハイエンド構成となる。RAM6GB+ROM128GBとRAM8GB+ROM256GBの2つのバージョンが日本で発売されているが、それ以外の構成はまったく同じである。特徴としてはカメラがフリップ式で、スマホ本体から迫り出して回転する変態ギミックがあり、メイン・フロントのカメラが共用仕様になっているのが最大の特徴。ASUS自体もそれをアピールしているが、肝心のカメラ自体の性能は歴代シリーズより改善こそされているが、ライバルのファーウェイやサムスンのハイエンドと比べてしまうと見劣りするため、期待しすぎないように注意。SoCには最新ハイエンドのSDM855を搭載し、バッテリーも5000mAhとMax Proと同様のものを積んでいるなど穴がなく、性能的には文句ないレベルである。
価格自体もzenfone5同様におま値は控えめというか、SDM855搭載の機種では日本発売の中でもトップクラスに安い。Zenfone6より安く日本で発売されているSDM855搭載機種は知名度が低いXiaomiのBlack Shark2の6GBモデルぐらいである。毎回おま値が高すぎると言われてきたASUSのハイエンドにしてはめちゃくちゃ頑張った値段である。ただし今回は筆頭ライバルのiPhone11をはじめ、キャリア専売とはいえGalaxyS10やP30proも値段をそれなりに抑えてきたため、アドバンテージがさほどないのはある意味運がない。さらにソフトバンク専売だがLG G8X ThinQが「お前の国にも売ってやる、ただし割安で」といわんばかりに日本仕様全部乗せ&擬似二画面という変態スマホをLGがZenfone6より安い激安価格でローカライズ。ただし肝心のスマホのほうは一般向けの知名度が死んでいるため、売れ行きに乏しいのはLGらしいところである。ガジェッターやマニアの評価が高い高コスパ機種だろうが、売れなくてはどうしようもないという見本である。
ちなみにASUSからはゲーミングスマホのRog Phone2も発表されており、こっちにはSocにSDM855のカスタムであるPlusが搭載されており、単純な処理能力ではZenfone6より勝っているほか、フリップ式ではないものの、メインカメラの性能自体も同じ。初代のRog Phoneは値段的にアレ過ぎて相手にされなかったが、後継機であるRog Phone2の海外での販売価格(最小構成の場合)はzenfone6のハイエンド帯と大差ないため、ZenUIやフリップカメラなどの使い勝手にこだわらないなら此方を狙うのもあり。ただしRAM12GBのモデルしか日本に投入されない場合だと海外価格でも10万を越えているため、安くなるケースはRAM8GBモデルが日本市場に投入された場合のみだが、残念ながら現時点では12GBモデルのみしか販売されていない。グローバル価格で8GB版のグローバルモデルが買えてしまう中華の大手通販を利用すれば問題ないとかとかいってはいけない。また12GBモデルを相当値引いてgoosimsellerが販売していることも突っ込んではいけない。
搭載CPUはSnapdragon855 2.84Ghzオクタコア。フラグシップモデル&ハイエンド機。
日本仕様の対応バンドはフル対応。
Zenfone 7/7 Pro(ZS670KS/ZS671KS)
2020年10月発売。6の後継機であり、上位モデルのProも用意された。最早Zenfoneの代名詞となったフリップカメラは望遠レンズを加えた3眼となり、耐久性も強化。Proでは光学式手ブレ補正も搭載している。まだ防水性能を有するまでには至っていないが、前作より使い勝手が向上した。ディスプレイはやっと有機ELを採用したものの、リフレッシュレートは90Hzとやや控えめ。充電速度も改善され、最大30Wで充電できる。SoCはSnapdragon865、ProはSnapdragon 865+と、ゲーミングスマホと言っても差し支えない性能を誇り、当然5G対応。しかしこれらの代償として本体だけでも235gと業界ワーストクラスの重さに仕上がってしまった。
値段は前作より上昇したものの、競合機種と比べたら安い。またMVNOでの抱き合わせ販売も行われている。
搭載SoCはSnapdragon865 2.84Ghzオクタコア&X55 5G/Snapdragon865+ 3.1Ghzオクタコア&X55 5G。フラッグシップ機。
日本仕様の対応バンドは一応フル対応だが、ほぼ同時期に発売されたROG Phone 3と違いB42とn79に対応していない(4Gでのキャリアアグリゲーションができない他、NTTドコモでは5Gもまともに使えない)
一応擁護するとそもそも海外製SIMフリー機種でn79に対応している機種がほぼない。国内SIMフリーでさえ対応してない機種があるバンド21よりはマシといった程度。実はn78にさえ対応してない海外製SIMフリー機種も珍しくなかったりするため、ドコモ回線だと5Gのsub6自体に繋がらないという事態も珍しくない。
そのためドコモでまともな5Gライフが楽しめる機種はバンドフル対応のiPhoneとドコモ発売機種ぐらいで、GoogleのオリジナルスマホであるPixelでさえバンド21とn79は対応していないので、2022年現在においてドコモ回線でSIMフリー機種による5Gライフ自体をあきらめた方が無難とも言える。
そもそもドコモ5Gは繋がりにくいと言われるのでデメリットは少ないが
4Gや3G回線の5G転用が進んでくれば話は多少変わるかもしれないが、これ自体5Gの網羅が極めて鈍い日本においては数年先の話である。
Zenfone 8(ZS590KS)
2021年8月発売。2019年から続くXiaomiやOPPOの攻勢に対抗したASUS初のおサイフケータイ搭載機であり、軽量・コンパクト・イヤホンジャック搭載・防水防塵・ハイスペックと、日本人のために作られたかのような夢の一台である。キャッチフレーズは「手のひらに、無限の可能性を。」。
世界的にコンパクト機種が廃れていく中で敢えて時代に逆行し、コアな購買層に狙いを絞った問題作でありながら、ゲーミングスマホ並となる16GBのROMを搭載したモデルも用意するなどゲーマーにも配慮している。リフレッシュレートも120hzに対応するなど、ROGシリーズで培われた技術が遺憾なく注ぎ込まれている。その代わりデザインは安っぽい。値段はフラッグシップ機とは思えない安値だが、Xiaomiに対応してか発売半年後には更なる価格改定が行われた。
搭載SoCはSnapdragon888 5G 2.84Ghzオクタコア。フラッグシップ機。日本仕様の対応バンドはフル対応。今回からB42にも対応したが相変わらずn79には対応していないので、NTTドコモ回線を使用する際は注意が必要である。
Zenfone 8 Flip(ZS672KS)
2021年8月発売。7の後継機...というよりは焼き直し。こちらはおサイフケータイや防水防塵に対応していない。SoCの変更やフリップカメラの耐久性強化などマイナーアップデートに留まっており、キャッチフレーズ「視点を変えろ。世界は変わる。」も前作からの使い回しである。リフレッシュレートや充電速度も変更されておらず、230gにも達するモンスター級の重量も健在。勿論最新のチップを採用したことで撮影処理能力は向上しているのだが、目に見える変化に乏しい。なお値段も据え置き。
搭載SoCはSnapdragon888 5G 2.84Ghzオクタコア。フラッグシップ機。日本仕様の対応バンドはフル対応。案の定n79には対応していない。
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