EyeSight(アイサイト)とは、富士重工業(スバル)の先進運転支援システムである。
概要
車による事故を無くすこと。これは自動車メーカーにとって究極の目標のひとつである。
スバルは危険を予測することで衝突の被害を軽減するという「プリクラッシュセーフティ (衝突被害軽減)」という考えから、”ぶつからないクルマ”の開発に着手。
その回答のひとつが、「ステレオカメラ+3D画像処理エンジン・画像認識ソフトウェア・車両制御ソフトウェア」による運転支援システム「EyeSight (アイサイト)」である。
スバルのステレオカメラを用いた運転支援システム自体はADA (Active Driving Assist)という名で、1999年9月発売の3代目レガシィ(ランカスターADA)に既に搭載されていた。しかしその機能は車線逸脱警報、車間距離警報、車間距離制御クルーズコントロール、カーブ警報/シフトダウン制御のみであった。
そこで新型ステレオカメラと新型3D画像処理エンジンを用いた次世代ADAとして開発されたのが「EyeSight」であり、2008年5月の4代目レガシィの一部改良にあわせて搭載された。
およそ10万円で搭載可能ということもありその搭載率は非常に高い。
またスバルとしても全車種に搭載を拡大する予定である[1]。
年表
- 2008年5月、4代目レガシィの一部改良にあわせて「EyeSight」を採用。
- 2009年9月、エクシーガに「EyeSight」を採用。
- 2010年5月、5代目レガシィの一部改良にあわせて「EyeSight (ver.2)」に進化。
- 2011年12月、4代目インプレッサに「EyeSight (ver.2)」を採用。
- 2012年7月、エクシーガのマイナーチェンジ(E型)にあわせて「EyeSight (ver.2)」を採用。
- 2012年9月、XVに「EyeSight (ver.2)」を採用。
- 2012年11月、4代目フォレスターに「EyeSight (ver.2)」を採用。
- 2013年10月、「次世代EyeSight」を発表。後に「EyeSight (ver.3)」となる。
- 2013年11月、第43回東京モーターショーにて「EyeSight (ver.3)」搭載車のレヴォーグを披露。
主な機能
機能 | 制御名 | 制御内容 |
---|---|---|
衝突回避・衝突被害軽減機能 | AT誤発進抑制制御 | 前方に障害物を検知している状態でペダルの踏み間違い等による急発進を抑制。 |
プリクラッシュブレーキ | 前方の先行車や障害物に衝突する危険を検知した場合、まず車間距離警報によりドライバーに回避操作を促す。回避操作が無い場合、自動ブレーキにより衝突回避・被害軽減を図る。 | |
プリクラッシュブレーキアシスト | 前方の先行車や障害物に衝突する危険を検知した状況で、ドライバーの急ブレーキ操作を検知した場合、ブレーキアシスト機能により衝突回避・被害軽減を図る。 | |
運転負荷軽減機能 | 全車速追従機能付クルーズコントロール | ドライバーが設定した車速、車間距離を維持したうえで、0~100km/hで追従走行から自動停止までが可能。 |
先行車発進のお知らせ | 信号待ち等で、前車が発進したことに気付かず停車し続けた場合、メーター内ディスプレイ表示とアラームで発進を促す。 | |
予防安全機能 | 車間距離警報 | 前車に近づきすぎや自車前方への急な割り込み等、衝突する危険性がある場合、警報音で注意を促す。 |
車線逸脱警報 | 走行中、車両が車線から外れそうな場合、メーター内ディスプレイ表示と警報音で注意を促す。 | |
ふらつき警報 | 覚醒低下等に起因する車両ふらつきを検知した場合、メーター内ディスプレイ表示と警報音で注意を促す。 |
関連動画
関連項目
関連リンク
- SUBARU : スバル アイサイト総合サイト
- 富士重工業 EyeSight 開発担当者インタビュー:開発中止の危機を乗り越えヒット商品に、「EyeSight」成功の原動力とは (1/3) - MONOist(モノイスト)
脚注
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