JR九州とは、九州旅客鉄道の略称である。1987年の国鉄分割民営化に伴い発足した。
概要
2005年以降、営業利益が黒に転換しており、三島会社の中では株式上場に最も近い位置にある(2009年3月期時点で営業利益75億、経常利益144億、ただし本業の運輸サービスは36億の赤字)。
特記すべきは年間売り上げの半分以上が、運輸事業以外からの稼ぎであり、JR旅客6社の中で最も民間私鉄に近い収益構造を持っているといえる(2009年売上げ構成比のうち50%以上を運輸以外の売上げが占める)。
現在、JR北海道・JR四国と並び、いわゆる三島会社で固定資産税減免を受けているが、九州新幹線が出来たこともあり今後の躍進が期待できる会社である。
早ければ2014年にも株式上場したいと唐池社長が表明している。もし、上場が実現するならば民営化以来の宿願であった完全民営化への一歩と同時に、(わずかながらではあるが)売却益が国庫に入ることで日本国民全員への恩返しにもなると言われている。
なお、車体デザインについてはデザイナー水戸岡鋭治氏による特徴的なものが多い。水戸岡氏曰く、経営者が率先して大胆なものを好んで選ぶ会社であるとのこと。
「いまだかつてないものを作ってよ」「日本一になりたいよね」「世界一じゃないとね」という経営陣の要望に水戸岡氏がこたえた結果が今のJR九州の車両たちである。(週間ダイアモンド(2011/7/30号))
上記のような恒常的な努力が実を結び、2011年に全社的なデザインに対する姿勢に最も優れた企業・団体に贈られるブルネル賞審査員賞(Jury Prize)を受賞した。日本の企業で初めての受賞である。
特徴
- JR九州といえば、とにかく特急。博多駅と九州の主要駅を結ぶ特急が数多く発着している。
- 佐賀県と熊本県は通過点。宮崎県はJR九州中古車市場。
- 車両(特に特急車両)に定評がある。787系出現以降、ずっと水戸岡氏のターン。
- 博多港−釜山港航路に世界一速い高速船を運行している(現在は子会社)。
- JR九州バスは赤い。SUGOCA・nimocaは使えないが、鹿児島のRapica・いわさきICカードは使える。
- ラッシュでもクロスシート。おかげで乗車率が高い。
- 一部の列車(817系、813系1000番台以降等)は混雑対策のために入り口のつり革が円形に配置されており、その珍しさから大阪の毎日放送が取材に来た事がある。
九州新幹線
- 2004年に新八代-鹿児島中央間に九州新幹線が部分開業した。全線は2011年3月12日に開通した。
- 全線開通日の前日に東北地方太平洋沖地震が起きたため、予定されていた全線開通記念イベントのほとんどは中止となった。
- 各駅停車の「つばめ」、一部通過の「さくら」、博多・熊本・鹿児島中央のみ停車の最速列車「みずほ」が運行されている。
- 並行在来線である鹿児島本線の八代〜川内間は第三セクター方式の「肥薩おれんじ鉄道」となった。元々あった交流電化設備等は残され、それらの保守はJR貨物が行っている。
支社と路線・車両基地
新幹線鉄道事業部
北部九州地域本社
- 鹿児島本線(門司港駅~大牟田駅)
- 日豊本線(西小倉駅~中津駅)
- 山陽本線(下関駅~門司駅)
- 長崎本線(鳥栖駅~肥前大浦駅)
- 久大本線(久留米駅~日田駅)
- 日田彦山線(城野駅~夜明駅:全線)
- 筑豊本線(若松駅~原田駅:全線)
- 後藤寺線(田川後藤寺駅~新飯塚駅:全線)
- 香椎線(西戸崎駅~宇美駅:全線)
- 篠栗線(桂川駅~吉塚駅:全線)
- 唐津線(久保田駅~西唐津駅:全線)
- 筑肥線(姪浜駅~唐津駅・山本駅~伊万里駅:全線)
- 南福岡車両区(本ミフ)
- 筑豊篠栗鉄道事業部直方運輸センター(本チク)
- 門司港運転区(本モコ)
- 唐津鉄道事業部唐津運輸センター(本カラ)
長崎支社
大分支社
熊本支社
鹿児島支社
- 鹿児島本線(川内駅~鹿児島駅)
- 日豊本線(宗太郎駅~鹿児島駅)
- 肥薩線(吉松駅~隼人駅)
- 指宿枕崎線(鹿児島中央駅~枕崎駅:全線)
- 日南線(南宮崎駅~志布志駅:全線)
- 吉都線(吉松駅~都城駅:全線)
- 宮崎空港線(田吉駅~宮崎空港駅:全線)
- 鹿児島鉄道事業部鹿児島車両センター(鹿カコ)
- 宮崎総合鉄道事業部宮崎車両センター(鹿ミサ)
特急に関して
運行状況
前記の通り博多駅には日中多くの特急が発着しており、特に博多−鳥栖間は複々線ではないにも関わらず長崎本線の特急が直通するために九州新幹線の博多延伸まで超過密ダイヤとなっていた。
ちなみに在来線特急列車の種類・発着本数ではJR西日本の京都駅と1・2を争っている。
九州新幹線全線開通までは基本的に1時間の間に上下線それぞれに、「リレーつばめ」2本 「有明」1本 「白いかもめ」1本 「みどり」+「ハウステンボス」+「かもめ」1本が走っていた。更に久大線を通る「ゆふいんの森(ゆふDX)」が1本走る事もある。さらにここに快速が3本、普通が4本程度ずつあるためにまさに遅延が許されない区間である。
そのため普通列車は待避線のある駅で特急にガンガン抜かれるのを待つため、博多−二日市間で30分を要する列車もある(特急なら10~15分程度)。また、普通列車の2~3分の遅延が特急列車の信号停車を招き、さらに遅延が拡大することも日常茶飯事である。しかもその遅延が毎日のように発生する。
博多−小倉に関しては小倉で折り返して日豊線へ入る「ソニック」が2本、熊本から直通の「有明」が1本であった。こちらも特急による追い越しがあるが特記するほどでもない。2011年3月12日現在は「ソニック・きらめき」による3本体制となっている。
また、2009年3月まで運行していた寝台特急「はやぶさ」は特急とは言え鈍足であるため、上りは「有明」、下りは「ソニック」にそれぞれ追い抜かれるダイヤを組んでいた。そのため、上りの場合、博多で乗り遅れてもすぐあとの「有明」に乗れば小倉から乗車が可能であった。
日豊線の佐伯-延岡は特急だけと言っていいほど普通列車が少ない(下り3本、上り2本)。
運転車両
2008年12月現在寝台特急を合わせると18系統の特急が運転されており、5種の電車と5種の気動車で運転されている。787系を除き、予備車が著しく少ないため、時刻表などで編成や運行日時を確認したほうがよい。
このため塗色と運用が食い違っていることがよく見られる。(みどり塗色の783系がハウステンボス運用に入ったりするなど)
1994年まではわずかながらジョイフルトレインが在籍していた。
電車
- 485系
- 国鉄より継承。車体カラーの変更、直流機器取り外しなどの改造を受け九州各地への特急として運転されていたが新車の登場などの玉突きにより現在は3両編成となり、鹿児島、宮崎の「きりしま」、「ひゅうが」で運行中。
- 昔は「みどり」、「ソニック」でも使用されており、それぞれ「赤いみどり」「ウソニック」と呼ばれていた。
- 真っ赤なシャア専用塗装と赤・緑・青・黄で塗り分けられたきりしま&ひゅうが塗装がある。
平成23年3月12日の改正で九州からの撤退が発表された(後継は787系)。但し、国鉄色に戻されている編成は廃車とならず残存する事になっている。 - 783系
- 1988年営業運転開始。国鉄からJRグループ化して初の新系列電車であったため、注目を集めた。翌年に第29回鉄道友の会ローレル賞を受賞した。登場初期は「有明」として運行されていたが、現在は2度のリニューアルの後、主に「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」の三階建てや、「にちりん」で運行中(2011年3月12日のダイヤ改正により、「かもめ」運用からは撤退した)。
- 少ない両数でもグリーン席を設置できるように車体を中央で区切る珍しい構造をしている。
なお、三階建て列車は平成23年3月12日の改正で廃止となっている。また、「かいおう」や「きらめき」に新たに投入された事で運用範囲を広げている。また23年度改正により11年ぶりに「有明」運用についている。 - 787系
- 1992年営業運転開始。博多~西鹿児島間を結ぶ「つばめ」として登場。なお「つばめ」は国鉄の看板列車の愛称であったため、JR九州は格式に見合うための車両を用意し、他のJR各社から了承を得たほどである。
- 1993年には第36回鉄道友の会ブルーリボン賞と通商産業省のグッドデザイン商品の賞を、さらに翌年には第5回ブルネル賞を受賞した。2003年以前はビュッフェがあったが現在は普通車化されている。2011年3月11日までは、DXグリーンの設置や短編成化され、一部開通した九州新幹線へ接続する「リレーつばめ」や、小倉~熊本の「有明」、朝夜の直方~博多の通勤特急「かいおう」として運行していた。2011年3月12日のダイヤ改正で、九州新幹線開業によって余剰となった「リレーつばめ」は、日豊本線の「にちりん」「にちりんシーガイア」「きりしま」「ひゅうが」に置き換えられた。たまに「かもめ」で走る事もある。
- ガンメタリックの全面塗装で、表面にはチョコボールを連想させる凹凸がある。
- このように格式ある車両だが、最近は振り子車両の台頭によりレトロな雰囲気が漂っている。
- 883系
- 1995年営業運転開始。「にちりん」、「ソニックにちりん」として登場、後に博多~大分の列車は「ソニック」に改称される。1995年グッドデザイン商品、翌年にブルネル賞ブルーリボン賞を受賞。JR九州初の振り子式車両で、博多~大分の所要時間を20分ほど短縮した。
- フジテレビのトリビアの泉で「グリーン車の座席を後ろから見るとあのねずみがいっぱいいるように見える」と言うトリビアが紹介されたことがある。現在は塗装変更と内装リニューアル、5両編成車の7両編成化をうけ、「ソニック」として運行中。
- 青色の全面塗装で通称「青いソニック」と呼ばれる。
- 885系
- 2000年営業運転開始。博多~長崎の「かもめ」の速度向上を目的に登場。2001年ブルーリボン賞ブルネル賞グッドデザイン賞を受賞。883系に続き振り子式車両であり、2001年にはソニック用にも製造された。かもめ用が6両編成、ソニック用が5両編成で運転されていたが2003年にソニック用編成をすべて6両化した。黄色い帯がかもめ編成、青い帯がソニック編成だが、両編成とも予備車に乏しいため、783系や787系が代走することもあるほか、小倉工場への検査入場などの理由が重なると、博多駅で「かもめ編成で運転されるソニック」と「ソニック編成で運転されるかもめ」を同時に見ることが出来ることがある。
- 白色の全面塗装に黄色または青色のラインで、通称「白いかもめ」「白いソニック」と呼ばれる。なお、ソニックにおける代走が常態化した為、ラインは青色に統一される。
なお、これらの特急列車のほとんどは、実際に就いている運用専用のデザインで作られていたが、予備車の不足等による代打で他の列車が割り当てられる事が多くなってきたため、「(INTERCITY)AROUND THE KYUSHU」デザインに順次切り替わる予定である。
気動車
- キハ71系
- 1989年営業運転開始。博多~別府を九大本線経由で運転する特急「ゆふいんの森」に導入された。
いずれもキハ58・65系からの改造車である。 - キハ72系
- 1999年営業運転開始。キハ183系1000番台を別の運用に転用するためその後継として導入された。
- 登場以来一貫して特急「ゆふいんの森」で運用されている。
- キハ183系1000番台
- 1988年「オランダ村特急」で運用開始。初の電車との併結協調運転が話題になった。その後「ゆふいんの森」「シーボルト」「ゆふDX」と運用が変更。
- このように何度も運用・塗色変更に遭っている波瀾万丈の車両である。2011年現在は「ゆふDX」が廃止になったため、豊肥本線の観光特急「あそぼーい!」に転属し活躍中。
- キハ185系
- JR四国でニートレイン状態であった車両をJR九州が救済した車両。水戸岡センセーにリデザインされ、久大本線と豊肥本線でそれぞれ「ゆふ」「あそ」で運用開始。
- 2004年に「くまがわ」を特急に格上げした列車と「あそ」と「くまがわ」を統合した観光特急「九州横断特急」でも運用されるようになった。
- キハ140/147系
- 2004年に誕生した観光特急「はやとの風」運行開始により種車キハ40/47系を改造したもの。
姉妹車としてキハ40/47系8000/9000番台がある。こちらは観光特急「指宿のたまて箱」に充当。 - キハ58・28・65系
- 国鉄時代に大量に製造された急行型気動車。かつては多くの線区で走っていたが、キハ200系気動車の投入により現在はキハ58・28のコンビ1組が残るのみである。
- このコンビは「あそ1962」に使用されていたもので動態保存車を含めもっとも若番の車両である。また、大分車両センターにキハ58 569とキハ65 36が動態保存中である
特別企画乗車券(トクトクきっぷ)等に関して
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2枚きっぷ・4枚きっぷ・10枚きっぷ・20枚きっぷ
メインの特別企画乗車券で、JR九州の特急に乗車する場合ほぼ必ずこのきっぷを購入することになる。
割引率は2枚<4枚=10枚=20枚で、10枚きっぷは「窓口に行く手間が省ける」、20枚きっぷは「グリーン引換券が付属する」というメリットがある。
歴史的には、国鉄末期に一般人には到底把握できないほど乱立した特企券にシンプルな統一名称を付けたものである。
JR九州/旅名人の九州満喫きっぷ
九州内のJR九州・私鉄・第三セクターの普通列車・快速列車・路面電車に乗り放題の特別企画乗車券。
3日分発行され、値段は大人・子どもどちらとも10,500円。
2007年に「20周年記念という建前」で発売されたが、その後も毎年発売されている。
ゲキ★ヤス土日乗り放題きっぷ
指定された期間内の連続する土・日曜日に、九州新幹線を含むJR九州全線が1日乗り放題となるきっぷで、2007年と2009年に発売された。
値段は、大人10,000円、子供1,000円で、もっとも割引率が高くなる大人1人と子供3人のケースでは、一人1日あたり1625円となる((10,000円 + 1,000円*3) / 2日 / 4人 = 1625円/人日)。
また、指定券およびグリーン券を追加して使用することもでき、この他ホテルとレンタカーの割引特典も付属している。
夏の思い出きっぷ
2008年7月30日から8月31日に発売された特別企画乗車券。有効日は2008年8月30日と31日の2日間のみで、内容的には上の「ゲキ★ヤス〜」と同様である。九州内の特急と新幹線を含むすべての列車の自由席に乗り放題になるきっぷ。大人10,000円、子供5,000円。
また、指定券およびグリーン券を追加して使用することもでき、この他ホテルとレンタカーの割引特典も付属している。
ナイスゴーイングカード
若年者向けの割引カードで、101km以上の乗車券を購入するときに提示すると運賃が最大4割引(ただし九州新幹線が含まれると3割引、このため博多~八代間は繁忙期以外は分割購入する方が安くなる)となる。利用できるのは金、土、日曜、ゴールデンウィーク、年末年始のみ。入会資格は16~29歳、年会費500円が必要だが、1回の使用で元が取れてしまうことも多い。
JR各社共通の学割制度では乗車券のみ2割引きになるのに対し、NGC使用では乗車券のみならず特急券まで割引が適用される。またNGC所有者向けの回数券なども販売されるほか、指定のレストラン、レンタカーなどの割引も受けることができる。
入会資格を満たしており、年に数回程度でも週末に101km以上の区間を利用する予定があるのであれば、NGC会員になっておいて損はなかった。
現在、新規入会が終了している。
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初版作成日: 08/09/29 20:04 ◆ 最終更新日: 12/01/27 20:09
編集内容についての説明/コメント: 鹿児島支社の車両基地修正
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