漫画「AKIRA」の登場人物…ではなく、SNKの格闘ゲーム「THE KING OF FIGHTERS」シリーズに登場するキャラクター。
シリーズ第8作「THE KING OF FIGHTERS 2001」で初登場。翌年の「THE KING OF FIGHTERS 2002」を最後に欠場している。
また本項目では「THE KING OF FIGHTERS XV」に登場するクローネンについても記述する。
プロフィール
格闘スタイル:俺自身の力
誕生日:不明
身長:168cm
体重:58Kg
血液型:B型
出身地:不明(日本?)
趣味:バイク
大切な物:バイク
好きな食い物:ピーナッツ
嫌いな物:命令する奴、命令
得意スポーツ:なし(なにをやらせてもだめ)
CV:佐々木望
概要
秘密結社「ネスツ」が生み出した草薙京の9999体目のクローン。ただし、劣化コピーを繰り返したため外見は似ても似つかない。
炎を操る能力も微弱であり、偶然に体が特殊変化したために改造され戦闘員として生きる事を許された。自分がクローンであることを知らず、K´のように能力を移植され記憶を消された人間だと思い込んでいる。
戦闘力はネスツの中でも高いが、ネスツから同じ改造人間のK´やKUSANAGIとよりも劣等だと見なされ続けており、彼らに異常なまでのコンプレックスを抱いている。「2001」の新キャラクターの中では事実上の目玉的な扱いであり、OPでもK´・クーラ・K9999がお互いのカスタムグローブを突き出して対比させるようなカットがあるように、同作のストーリーにもデモを含めて絡んでくる。
ぶっ飛ばし攻撃のボイスが「うるさーい!」、投げはずしでは「どけ!馬鹿」と精神的に不安定で粗暴だが、相棒のアンヘルに対しては彼なりの気遣いも見せる。
「2001」ではクーラ・ダイアモンド、フォクシー、アンヘルとネスツチームを結成して出場するが、ネスツ幹部であるフォクシーとの折り合いは悪く、ネスツチーム以外の中間デモではチームメイトのフォクシーを襲撃し、アンヘルと二人で行動を共にした後、エンディングでは壊滅したネスツの本拠地を滅茶苦茶に破壊していた。小説版ではイグニスを倒したK´達の前に立ち塞がり戦闘になるが、そこで物語が終わる為結末は不明であった。
ネスツチームのエンディングの後については、ネオジオバトルコロシアムのHP内に記載されている用語集の解説にて「どこかへ消えてしまった」とされている。
草薙京の新たなクローンということでそれなりにプッシュされたキャラであったが、翌年の「2002」はドリームマッチのため、公式ストーリーに直接絡む場面は結局「2001」のみというレアなキャラクターとなってしまった。しかしその設定や性能から、操作キャラとしてもネタとしても人気が高いことで知られる。
突っ込みどころ
容姿やゲーム内のモーションは漫画およびアニメ映画「AKIRA」に登場する鉄雄(島鉄雄)のパロディ…というか丸パクリであり、あろうことか担当声優まで映画と同じ佐々木氏をキャスティングして時を経て同じセリフを言わせている。
実際に「2002」に登場するKUSANAGI(クローン京)は「AKIRA」のもう一人の主人公である金田を演じた岩田光央氏が声を当てており、2人で「AKIRA」の掛け合いを再現している(草薙京のプロトタイプである霧島翔に金田要素があった事や、岩田氏が彼の声をあてていた事もあるのでその繋がりともとれる)。
KOFのみならず古今東西の格ゲーにおいてパロディネタは枚挙に暇がないが、ここまで徹底的に再現したものは他に数える程しかなく、これにはAKIRAファンも怒りを通り越して呆れ果て、あまりの再現度に絶賛するものもいたとか。
ちなみに当時のアルカディアによれば、企画当初は装甲騎兵ボトムズのキリコをモデルにしたキャラクターとして設定されていたようで、青い短髪の髪型はその名残だったという。しかし旧SNKの解散直前にゲリラ的に会社を3つに分担するなど資金・人材・期間の厳しい中制作されたKOF2001の開発現場は、スポンサーの要望がキャラデザインに波及するほど厳しい状況で、また企画をまともに練られる人材も不足していたようで、当初の面影なくいつのまにか鉄雄のようなキャラになったとのこと(ブレッツァソフト内のデザイナーの暴走?)
唯一の黒歴史キャラとして
そんな訳で「2002」以降はすっかり黒歴史化されており、「2002」リメイクの「NEOWAVE」「2002UM」には出場していない。
特に「NEOWAVE」では、クーラが混合チームと称して草薙柴舟・矢吹真吾とチームを組むなど明らかに不自然なチーム編成になっており、更に家庭用でアンヘルのみが追加された為一人だけハブられた形となり、彼が出場出来ないがために不自然なチームが産まれてしまった事が浮き彫りになってしまった。
またKOF公式サイトのキャラクター紹介ページでは彼の項目だけ画像や担当声優の表記が消されている。開設当初は元ネタの存在を認めながら(島鉄雄と明記はしていないが)堂々と載せていたが、時間が経つにつれどんどん情報が削除されていった。当時のスタッフ曰く「再使用するのにこれくらい差し支えのあるキャラもいない」。だが辛うじて「2001」及び「2002」公式サイトのキャラ紹介では残っている。
「2002UM」では代役としてK9999と似たような技を持つ「ネームレス」が登場した。PS2版のネオジオモード(無印2002のベタ移植)やギャラリーにはしっかり彼が残っている。
格闘ゲーム以外では、同社の恋愛シミュレーションゲーム「デイズオブメモリーズ」では、アンヘルが彼らしき人形を持っているシーンが存在する。
グリーやモバゲー等KOFのソーシャルゲームではカード化して再登場している(現在はいずれもサービス終了)。ちなみにこの際カードの絵を描き下ろしたのは当時のKOFシリーズ同様ヒロアキ氏である。
実のところ
度が過ぎている印象こそあれ、格闘ゲームにおいてはパロディはざらにあることで、本キャラだけが封印措置を受けたのは何故だったのか。
SNKのデザイナーだったFalcoon氏(現:SNKエンタテインメント)によれば、K9999が封印された理由は一般に思われている理由ではない(それが理由なら他にも封印されるべきキャラクターはゴマンといる)とのことで、パクリ以外の問題で拗れてしまったことが示唆されている。
「2001」発売当時、運営母体が3つの会社に分裂していた事(2003年に統合)に関する社内の確執や、スポンサーとの軋轢を指摘する声もあるが、結局公式の発表はないのが現状である。
近況
KOF XIV:相棒アンヘルのストーリー再登場
ネームレスが登場したことによって、(「2001」のストーリーの一部を含め)彼の存在もなかったことにされたのではないかという憶測が生まれていたが、2016年、彼の相棒であるアンヘルが「THE KING OF FIGHTERS XIV」に参戦が決定。メイ・リーやボスも含めて「2001」が初出のキャラクター(サブキャラクターとして「2000」から登場のフォクシーを除く)が公式ストーリーに再び絡むのは実に15年ぶりのことだった。そしてその際、XIVの小田泰之プロデューサーへのインタビューの中での
Q.アンヘルが戻ってきていますが、K9999に何が起きたか我々に明らかになるのでしょうか?
という質問に対し、
A.小田氏:おそらくいつかアンヘルのパートナーであるK9999に何が起きたか発表できることになるでしょう
となかったことにされていたと思われていた中での衝撃の発言。
この発言をそのまま解釈すれば、ネームレスもK9999も同一の世界観を共有していることになる。
そして、まさかデザインそのままということは無いのだろうが、再登場の可能性があるのだろうか?
アンヘルは「XIV」の再登場に際し、「2001」のストーリー以降ネスツを離反したという設定が追加されたが、K9999も同様なのだろうか。というかじゃあ何でK9999のドットに手を加えずネームレスという別キャラを…
今後の展開が待たれる。
アケアカNEOGEO:忠実移植の実現
「XIV」発売の同年より、アーケード版ネオジオ(MVS)の忠実移植をコンセプトとするコンテンツ配信サービス「アケアカNEOGEO」がサービスを開始した。
2015年のFalcoon氏発言もあり、K9999の出演作品である「KOF2001」「KOF2002」については配信不可能か修正を余儀なくされるのではないかという憶測もあったが、2018年に何事もなく配信開始。現行機種でもK9999の姿を拝めるようになった。
KOF XV:クローネン降臨
2022年発売の「THE KING OF FIGHTERS XV」にて、「XIV」から続投のアンヘルに続いて新キャラクター「クローネン」の登場が発表された。
見ての通り、青髪、黄色の上着、青いグローブとK9999の特徴を残しつつ、大きな炎や巨大なドリルへの形状変化などネームレスに見られた要素も追加し、能力をより使いこなせるようになったK9999を思わせる人物となっている(技のモーションや赤マントに鉄雄の要素が残っているものの、前述の通りK9999が再登場できなかった理由は単に「鉄雄に似すぎているから」ではない)。担当声優こそ後述するようにKENN氏へと変更されたが、そもそも前作で多数のキャラの声が変わっているのでこの辺りは時代の流れというべきか。
一応PV時点では正体不明の人物だが、草薙京に対する「別人にしてもそのツラを見てるとイライラしてくる」と言う台詞もK9999を強く思わせるものであり、PV公開後に「K9999」がTwitterのトレンドに上がっていた。クローネンチームを率いてアンヘル、クーラと行動を共にしているが、これは「2002(無印)」の「2001チーム」と同様のチーム構成である。
そして「KOFXV」が発売し、クローネンチームストーリーのエンディングにて、遂に彼がK9999であることが明かされた。捨て鉢な性格は相変わらずだが、ネスツが壊滅したことによって落ち着いた生活に馴染んだようで性格はアンヘルに指摘されるなど多少は丸くなっており、かつて「2001」のストーリーデモで一悶着あったクーラ・ダイアモンドとも、既にお互いに元ネスツという肩書であることや、一緒に生活する事によってわだかまりは解けた様子であった(但し彼女を迎えに来た保護者であるフォクシーやダイアナらには依然として警戒されている模様。というか手を挙げられたのフォクシーだし…)。
プロフィール(クローネン)
本名:クローネン・マクドガル
キャッチコピー:類稀なる超能
格闘スタイル:制御した右腕
誕生日:不明
出身地:不明
血液型:B型
好きな食べ物:ナッツ類、レーション
CV:KENN
性能
機動力はあるものの致命的なまでに防御力が低く、攻撃力も高くない。「2001」ならタクティカルオーダーシステムでフォローできるが、「2002」ではすぐにやられてしまうこともしばしば。
特筆すべき点として、ダウンさせないスライディングのしゃがみDが特殊技のように他の通常技をキャンセルして出せるのだが、何故かどこキャン状態だと必殺技からもキャンセルで出せるため、弱「割れろォ!」→強「割れろォ!」→しゃがみD(空振り)→「月…」などが繋がる。
ゲージ溜め能力は総じて低いが、多段ヒットの遠立ちCやJCは当たればそれなりにダメージを取りつつゲージ回収が可能。とはいえ基本的には中堅や大将に据え、ゲージを持った状態で戦いたい。
ゲージがあればMAX超必殺技の「力が…勝手に…ぅわあああ!!」がコマンドが簡単で性能が非常に良く大きな武器になる。D投げ(いつまで遊んでんだよォ!)→「力が勝手に・・・・ぅわあああ!!」だけで大体4~5割、うまくいけば6割程のダメージを奪える。これを使えば一発逆転も夢じゃない・・はず。
苦手なキャラはビリー、山崎、ウィップ。ライバルのK´やKUSANAGIに対してはそこまで不利ではない。
主な使用技
- うるせぇー!/スパイラル・スマッシュ(A)
- 手をドリルに変形させて攻撃する。6段ヒットしダウンを奪える。MAX発動中2段目キャンセル可能。
- クローネンも同様の技を使う。
- あっちへいってろォ!/ブレイズ・スロアー(+AorC)
- 砂埃のような飛び道具、に見えるが何故か打撃判定。そのため当て身技で取られてしまう。
鉄雄が使った技の再現だが、ボイスは別のシーンから取られている。 - クローネン版では砂埃ではなく炎を発生させる技になっており、これはK9999が以前よりも力を制御できる事を示しているのではないかとも言われている。またネームレスの技同様こちらはきちんと飛び道具判定になっており、EX版に至っては飛び道具を貫通する、連続技の始動に使えるなど用途が幅広い。
- 割れろォ!/ヒート・シールド(+AorC)
- 炎を発生させる技。対空に使える。MAX発動中ならば弱から強への繋ぎが可能。弱は発生が早く、強はAなどで追撃可能。
劇場版で鉄雄がアキラのカプセルを割るシーンが元ネタと思われる。 - クローネンが使用するのもほぼ同様の技。
- 砕けろォ!/ストライク・スラッシュ(+AorC)
- 2002から装備された。低空を跳んで炎で振り払う。弱は強制ダウンを奪う、強は発生が遅いがAなどで追撃できる。ボイスが「砕けろォ!」と聞こえたら空耳。弱は「消えろォ!」、強は「うるさい、消えろ!(ぅるさぃ、きぇろォ!)」である。これは劇場版の空耳を再現しているとも言われる。
- クローネン版は変形させた腕による攻撃となり、他の技と比べて大きくモーションが変わった。EX版はヒットすると相手をバウンドさせて追撃できる。
- 月…/インファーナル・プロミナンス(超必殺技)(+AorC/+AorC)
- 自分の周りに円形の飛び道具判定を発生させる。極めて強力な対空技。
元ネタは漫画および劇場版で鉄雄が使用した技。技名は漫画版でのアキラの台詞で、「2002」のボイスはさらに別のシーンから取られている。 - クローネン版は必殺技同様、炎を纏う技に変更された。コマンドも波動2回に変更されたが、フュージョン・ブラスター共々隠し要素としてK9999のコマンドでも出せる。
- てめぇも往っちまえ!!/フュージョン・ブラスター(超必殺技) (+BorD/+BorD)
- 腕を銃器に変えて炎の弾を連射する技。「2001」ではCPUにヒットさせると異様にスコアが入ったためスコアラー御用達の技だった。
技名はやはり鉄雄の台詞だが、動作は「BLAME!」の重力子放射線射出装置のパクリと見られる。 - クローネン版は他の必殺技と比べて見た目もほぼ変化がない。MAX版は単射に変化し威力が上昇するタメ撃ちが可能になるが、どちらかといえばコンボのタイミングを取る要素と言える。
- 力が…勝手に…ぅわあああ!!/カラミティ・オーバードライブ(MAX超必殺技) (+ABCD/+CD)
- 腕が暴走して攻撃?を繰り出す。攻撃判定が太く画面端まで届くため事実上回避不可能、何でも判定のため通常投げからさえ連続技になり、削りにも使える非常に優秀な技。
漫画や劇場版で鉄雄が繰り出した攻撃?が元ネタ。技名とボイスは劇場版の鉄雄暴走シーンから。 - クローネンが使用するものは触手状のドリルアームを出す技だがほぼ同じ。CLIMAX超必殺技となり3ゲージ使用技になった他、威力も下がった。だが何でも判定なのは健在で、幅広い用途で使用が可能。簡単だったコマンドも共通コマンドに変更された…と思いきや、隠しコマンドとして以前のコマンドでも出るため実質一人だけ簡易コマンド有りという特権となっている。
- これは、まるで…!!(MAX2)(空中で )
- K9999が宙に浮き全画面に光を浴びせる技。まるで鉄雄。だが発生が非常に遅く動作はバレバレ、この技が出せる状態なら「力が(略)」が使えるので使う必要がないロマン技。レバーをガチャガチャやるとバックステップから暴発するので存在を忘れたら忘れたで痛い目に遭う。
元ネタは漫画4巻P368の鉄雄覚醒シーン。技名はケイの台詞「これは、まるで…!?」。衣装もそのままに変化するためニコニコではこの技が使われると「これは、まるで…鉄雄」とコメントされる。
ネームレスやクローネンにはこれに相当する技はない。
関連動画
関連項目
- SNK
- THE KING OF FIGHTERS
- KOF2001
- KOFXV / KOF15
- 格闘ゲームのキャラクター一覧
- アンヘル(KOF)
- K´
- クーラ・ダイアモンド
- ネームレス
- AKIRA / さんをつけろよデコ助野郎
- 黒歴史
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