MAC10とは、1964年に開発されたサブマシンガン(短機関銃)である。
「MAC-10」「イングラムM10」などの表記があるが、ここではタグ数の多かった名称で作成している。
概要
ミリタリー・アーマメント・コーポレーション(以下MAC社)の代表作とされる銃器で、同社の経営者で「マシンピストルの父」とうたわれた設計者ゴードン・イングラムが設計・開発した。
銃器としての正式名称は「Model 10」(M10)である。「MAC-10」という名前は、この銃器を生産したイングラムの会社がMAC社に社名変更した時点で呼称されるようになったものである。
安価で高い生産性を誇るため、ベトナム戦争の頃に開発された古い銃でありながら、現在までほぼ形を変えることなく存在している名銃である。開発当時は他に競争できるレベルの銃が存在しなかったため軍や警察など公的機関への採用もあったが、現在は新しい銃に取って代わられてしまっている。
また、この銃がもつ安価・優れた生産性・安定した動作性などの点が犯罪者達にもうけてしまい、アサルトライフルのAKシリーズと同じく、犯罪者に使われる銃としても広まってしまっている。
詳細・スペック
スペック | |
---|---|
全長 | 548mm 296mm (収納時) |
重量 | 2850g (2.85kg) |
銃身長 | 146mm |
機構 | ブローバック方式 (シンプルブローバック) |
口径・弾薬 | 9x19mm パラベラム弾 45口径 ※2種類ある |
有効射程 | 50m ~ 70m |
作動機構はシンプルブローバック方式、オープンボルト方式という旧来のサブマシンガンでも採用されていた方式を踏襲。部品は大半がプレス加工で作れるので生産性に優れ、加えて構造も精密さのない単純なものにしてあるため、ジャングルや砂漠など環境の悪い場所でも安定して動作するという堅実さを備えた銃となっている。
命中率は悪い。一人一人に狙いをつけて撃つ"点としての制圧"よりも弾のバラマキによって相手を牽制する"面としての制圧"の方が優れている。そのため、場合によっては精密さを求められる軍や警察では、MAC10を採用から外しMP5などを導入しているところもある。
最大の特徴は、毎分1000発という圧倒的なスピードの連射速度であるが、実際にはそんなに長く発射はできない。「連射しすぎると反動が大きく反れやすい」「スチールプレスなので熱くなると撃ち手が長く触っていられない」「フルオートで撃つと連射スピードが速すぎるためマガジン(弾倉)が即カラになってしまう」などの問題があるからである。
銃本体の後ろについているのは、引っぱって伸ばすタイプのストック(銃床)である。非常に簡易な作りとはいえ肩に当てることで銃器の安定と命中率は上げられるが、精密さをそもそも重要視しない銃であるため、あまり活躍の場はないかも知れない。
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関連項目
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