OP海外版(オープニング/オーピー-かいがいばん)とは、オープニング(テーマソング)の日本国外版を指す語である。※便宜上、エンディング(テーマソング)の場合でもこのタグが付けられる。
概要
一般に、日本国内向けに制作されたアニメーションが国外に輸出され外国の放送局で放映される際、そのアニメには何らかの明瞭な改変が加えられている場合が多い。オープニングも例外では無く、映像カットの編集やテーマソングの吹き替え(或いは差し替え)がされる。OP海外版は、上記の事柄を紹介するような動画に付けられる表札である。
アメリカ{北米(カナダ英語圏)・イギリス}
流血の表現や肌の露出面積等、様々な表現について法律に基く強い規制が為されている。また、「アメリカ」という国で流す為に、「アメリカ流」の編集を行う(視聴者に待つ時間を与えさせない)のも特徴的である。アメリカの大手アニメ配給会社「フォーキッズ(4kids)」は世界各国に支部を持ち、故にアメリカ編集版で日本製アニメが海外に紹介される場合も少なくない。
ドイツ{ドイツ語圏諸国(オーストリア・スイス)}
劇中音楽制作会社「アーツ・オブ・トイコ(Arts of Toyco)」が放送局「RTL2(エル・テー・エル・ツヴァイ)」からの依頼を受けてアニメソングを専門に制作している。ドイツ版デジモンアドベンチャー主題歌「レープ・ダイネン・トゥラォム(Leb' deinen Traum)」を歌ったフランク・シンデル(Frank Schindel)が有名。因みに、エンディングは放送されない場合が殆どである。「ドイツ語版エンディングテーマ」と称される動画は、実際にはその元動画制作者の編集によるものという事も彼方此方に見受ける事が出来る。
イタリア
基本的にオープニング枠が約2分設けられている。アメリカでは約1分以下、日本では約1分30秒の為、オリジナル曲が番組の尺に合わず、結果的に独自制作のものに差し替える場合が多い。タイトルを連呼し劇内容を説明するユーロビートを得意とする。著名な歌手はジョルジォ・ヴァンニ(Giorgio Vanni)。
フランス
アメリカと迎合する場合が殆どである。但し、『ヒカルの碁』等はオリジナル曲を吹き替えた。カナダ(フランス語版)も制作されたアニメーションもある。
スペイン・ポルトガル(スペイン語圏・ポルトガル語圏)
ヨーロッパとラテンアメリカとで別々に吹き替えが為される場合が殆どであるが『ドラえもん』や『ドラゴンボール』に代表されるような有名な作品の場合には、各地域毎に編集される場合がある。その為に種類が豊富である。概して、所謂「ラテン系」のアツイ歌唱を披露する傾向がある。
- スペイン版ではまず「エスパニョール・イベリコ(Español Iberico, イベリア半島のスペイン語)」と、「エスパニョール・ラティーノ(Español Latino, ラテンアメリカ諸国のスペイン語)」とに大別され、それぞれ地域語版としてカスティーリャ(カスティージャ)語版・カタルーニャ語版・ガリシア語版と、メキシコ-スペイン語版、チリ-スペイン語版のものが存在する事が確認されている。
- ポルトガル版では「プルトゥゲーシュ(Português, ポルトガル語)」と「ポルトゥゲース・ブラズィレイロ(Português Brasileiro, ブラジルのポルトガル語)」とに大別される。尚、葡伯間でアニメは取り引きされるものである為、ポルトガル版がブラジルで、或いはブラジル版がポルトガルで放映された事例もある。
- 更にスペインではバスク語版まで出来た場合もある。バレンシア語版やバレアレス諸島方言版も加わり、スペイン国内だけで6種類もの言語で吹き替えられることもある。
イスラエル・ギリシア
ナショナリズムの高揚に伴い、現代ヘブライ語・現代ギリシア語ファンダブが多く制作されている。ファンダブ(Fan-dub, fan-dubbing)とは愛好者による非公式・無許諾音声吹き替え版アニメを指す語だが、(※音声は日本語そのまま、字幕のみ現地語を差し込んだものが「ファンサブ(Fan-sub,fan-subtitle)」。)他言語話者にとって、質の高いファンダブに関しては、正規・非正規の区別を付ける事が非常に困難であり、視聴者はそれらの大多数が公式なものではなく、違法アップロードによる成果物である自覚さえ無い場合が多い。その為に、それが各種動画配信サイトによって広く紹介されているが故、世界中のユーザによって「それが現地語版だ」と定着した節がある(不確証情報)
エジプト{中東諸国(アラブ首長国連邦・カタール)}
カタールに所在する衛星放送局「スペース・トゥーン(Space Toon)」が中東諸国唯一のアニメ放送局として、イスラーム文化に配慮した編集(物語の焦点をモンスターから主人公の人間に移す,女性キャラクターの肌の露出を隠す等)を行った上で放映している。ヴォーカルは基本的に女性が担い、また放送局にとってアニメソングとは「みんなのうた」的な位置付け(児童唱歌)である為、他国ではあまり為されない歌詞テロップの表示を大々的に行う(標準アラビア語, 初期はエジプト-アラビア語)。
クロアチア{東欧諸国(チェコ・ポーランド)}
東欧諸国へはアメリカ(「フォックス・キッズ(Fox Kids)」等)を通じて日本アニメが渡っていった場合が殆どだが、稀にドイツを経由して現地語に吹き替えられた事例(『Leb' deinen Traum』→『Živi svoj san』)もある。
スウェーデン{北欧諸国(デンマーク・ノルウェー)}
アメリカと迎合する場合が殆どである(ニコニコ動画では『ポケモン』等を取り扱った動画で確認できる)。但し、『A Whole New World』の吹き替えは世界中から賞賛を集めている。
フィンランド
アガピオ・レーシング・チーム(Agapio Racing Team)が嘗て吹き替えを試みたが、あまりの出来の酷さにファンが抗議し、現在ではフィンランド語訳字幕のみの編集が普通である(不確証情報)
韓国
基本的にはテーマソングを差し替えて放映するが、カヴァーしたもの(『Butter-Fly』等)もある。また、アニメ本編においても日本語を韓国語に置き換えて放送されている。OP、ED共に差し替える場合が多い為、世界各国と比べてより多くのアニソン海外版を生み出している。ニコニコ動画に於いては、よく日本語話者による空耳テロップが書き込まれる。
香港
特筆すべき事項として、著名な俳優・歌手がカヴァー曲としてアニソンを歌っている。例として「デジモン」を挙げると、イーキン・チェン(鄭伊健, 無印)、アンディ・ラウ(劉德華, 02)、レイモンド・リー(林峰, テイマーズ)、ジュノー・マック(麥浚龍, フロンティア)、チャウ・パクホー(周柏豪, セイバーズ)がそれぞれテーマソングを担当している。因みに台湾では、標準中国語の吹き替えが為されたアニメもあるが、基本的には字幕放送である。
日本
日本もまた例外ではなく、『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ(Teenage Mutant Ninja Turtles)』等の海外アニメをオープニングテーマ曲を差し替えて放送している。
関連動画
空気の読める国ドイツ - デジモン篇
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関連項目
外部リンク
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