PHSとは、ポーク・ヒレ・ステーキ(Poak Hire Steak)の略称 パーソナル・ハンディフォン・システム(Personal Handyphone System)の略称で、携帯電話とは似て非なる電話機、および通信システムのことである。ピッチという通称でも知られている。
概要
もともと、家庭用のコードレス・ホンを屋外でも多数のアンテナを設置することで使えるようにできないか? との発想から、日本で始まったサービスである。それゆえ、自動車に搭載する電話を原点とする携帯電話と比較し、
- 電波が弱い
- 音声の符号化方式が携帯電話よりも固定電話の方式に近い。それゆえ、電波の良いところでは携帯電話よりも良い音質で話せる。
- 1.より一つの基地局がカバーできるエリアが狭くなるため、基地局の数が携帯電話より多くなる。
- 基地局の数が多いため、同じ周波数の電波を再利用することが容易。それゆえマイクロセル(周波数の空間的再利用)が簡単に行え、電波の利用効率を高めることが可能となる。
- その起源より、(対応機器ならば)家庭・業務用のコードレス電話親機に接続し、その電波が届く範囲であればコードレス電話の子機として利用することも可能である(内線通話にも対応できる)。
などといった特徴を持つ。
もともとはパーソナル・ハンディ・フォン(Personal Handy Phone)の略称でPHPと名づける予定だったが、松下(今日のパナソニック)グループのPHP研究所と紛らわしいという事で、システム(System)をくっつけPHSを名乗ることになったらしい。また法令上は最初、簡易型携帯電話という名称だったが、上記した発想の違いからもわかるとおり携帯電話の簡易型という名称は後に不適切とみなされることとなり、1998年にはこれもPHSに改められた(ただし法令文章以外の企業約款などでは、この呼称も依然使用されているという)。
1993年の実験ののち、1995年にNTTパーソナル・DDIポケット・アステルの3事業者が順次日本国内でサービスを開始した。
当時は携帯電話の基本使用料や通話料がまだ今日と比較して高い水準にあり、音質も固定電話と比較して大きく見劣りし、更にアンテナが地下街や地下駅等には設置されておらず圏外になるところが多いなど、サービス的に弱点となる要素がいくつも存在していた。
PHSの3事業者はその穴を突くように、当時としては安めの基本使用料・通話料にしたうえで、上記の特性による音質の良さ、更に地下街や地下駅への積極的なアンテナ設置を行い、更には積極的な販促キャンペーンを実施した。結果として初年度で150万件の契約を獲得、2年後の1997年には契約総数が710万件に達するなど、PHSは順調に発展してくかに見えた。
だが、電波が微弱であるということから通話が切れやすい、特に高速での移動には極端に弱いという弱点が問題視されるようになった。また基地局の数を増やすことでエリアをカバーするとはいえ、過疎地域では採算性の問題等からそれがなかなか不可能なところもあり、カバーエリアは携帯電話に比べて劣るという弱点も有していた。
また携帯電話4キャリア(NTTドコモ、IDO・DDIセルラー→au、J-PHONE→Vodafone、Tu-Ka)は上記欠点をカバーする諸施策を講じてPHSの優位性を次第に切り崩していき、更には価格・サービス攻勢をも仕掛けてそのシェアを奪うようになった。1997年を境としてPHSの契約数は減少に転じた。
PHSキャリアは対抗策として、その電波利用効率の高さを生かしたデータ通信部門の強化で反撃を試みた。DDIポケット転じたウィルコムはこの路線を特に強化し、W-ZERO3シリーズなどスマートフォンの投入、更には定額プランの導入等で顧客ニーズに応え、減少を続けていた契約数を2004年を境に増加へ転じさせることに成功した(この年契約数280万だったのが、3年後の2007年には460万となった)。
しかし、他の2業者はウィルコムほど十分な対抗策が講じれず、NTTパーソナルはNTTドコモに事業を譲渡するも2008年にPHS事業を終了、アステルはそれよりも早く2006年には全国的なサービスを打ち切った。これにより、日本においてPHS事業を行うのは事実上、ウィルコムのみとなった。
2000年代も後期になると、Vodafoneがソフトバンクモバイルに改まり、更に新規事業者としてイー・モバイルを加えた(まあその裏でTu-Kaは消滅したが・・・・・)携帯電話事業者も通信方式を2Gから3Gへ改めてデータ通信部門に参入し、PHSの通信面での優位は失われていくことになった。
最後に残ったPHS事業者のウィルコムは、次世代通信規格・・・XGPの開発等で対抗するが資金面で行き詰まりを見せ、2010年に会社更生法を申請、事実上倒産した。
ウィルコムはその後、携帯電話事業を持つソフトバンクの傘下に収まる。同社傘下に収まった後のウィルコムは、PHSの特性である「音質の良さ」や「通信効率の良さ」を生かし、通話等基本機能での強みを前面に打ち出した戦略で新たな客を獲得し始めている。2011年頭には364万まで落ち込んでいた契約数は、2011年7月に再度400万件を突破した。
ソフトバンクの傘下にあり、なおかつデータ通信事業を戦略から外した状態で他社との競合に挑もうとするウィルコム。PHSの行く末は最後に残った同社に委ねられている。
なお日本国外でも、中国(小霊通)・台湾・ベトナム・タイでPHSは導入された。しかし、中国とベトナムに関しては日本と似たような事情(携帯会社の猛追)で契約者数が急減し、2010年から2011年にかけてサービスを打ち切る模様である。
残す台湾では大衆電信、タイではtrueという会社がPHS事業を行っている。ウィルコムとは両社とも国際ローミングで提携を結んでおり、ウィルコムの電話を現地で利用することが可能となっている(台北・台中・高雄・バンコクといった都市圏でしか使えないらしいけど)。
関連動画
関連項目
http://dic.nicomoba.jp/k/a/phs


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初版作成日: 11/10/01 23:27 ◆ 最終更新日: 11/10/11 01:55
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