Strv.103(Stridsvagn 103)は、スウェーデン陸軍で運用された第二世代主力戦車(MBT)。別名Sタンクとも呼ばれていた。現在はすべて退役済。「バルカン」はタミヤが勝手に付けた商標です。
概要
スウェーデンは中立国である都合上、基本的には防御戦闘が主体となることが考えられた。1950年代まで英国のセンチュリオン戦車を用いていたが、次期戦車としてスゥエーデン軍当局が作り出したのがStrv.103、別名Sタンクである。その独特な車体デザインは今でも特筆されるべきものがある。
まず、外見上の最大の特徴として砲塔が存在しないことが挙げられる。スウェーデン国内が起伏にとんだ地形などが多いため、車体前面投影面積を極限まで押さえるためになんと砲塔を取り除いて105mmライフル砲を搭載するという極端なデザインがなされることになった。砲塔がない場合ため、照準には車体旋回は必要になる問題もあり、射撃後の陣地変更の兼ね合いもあるためわざわざ後進用操縦席まで準備する熱の入れようだった。また傾斜地において常に最適な射撃位置を確保するためのサスペンションによる姿勢制御機能も取り入れられており、この方法は地球の反対側、同じ様に起伏にとんだ地形で防御戦闘を行う日本の74式戦車以降の戦車にも取り入れられることになる先進的な手法になった。
また、動力としてディーゼルとガスタービンという二種類のエンジンを一緒に搭載していることも大きな特徴である。これは燃費の良いディーゼルエンジンと、立ち上がりが良く大出力を得られるガスタービンエンジンをいいとこ取りするための工夫であるが、整備性が低下するためか試作車両を除けばSがタンクのみが採用した機構である。そのレイアウトも先進的なものであり、メルカバ同様車体前部にエンジンを置く形をとったものの、メンテナンス用ハッチを置く必要から最も必要な車体前面の装甲に制限が生まれるため、必然と防御は車体の傾斜による避弾経始に頼ることになってしまう。しかし第3世代戦車が運用を始めたAPFSDSのような高速徹甲弾ではこのような傾斜形状を無効化されてしまうため、防御能力にかなりの疑問符がつく結果となってしまった。防御に関して付け加えるならば、C型ではHEAT弾対策のため防護柵が前面に増設されている。
その他の特徴として、MBTとしては唯一、搭乗者が一人でも操縦と射撃が可能という点が挙げられる。通常でも①車長②操縦手(兼砲手)③通信手(兼後方操縦手 兼非常時の装填手)の計3名での運用を前提としており、車長席、後方操縦席でも操縦・火器管制が可能となっている。
砲塔がないため、防御後の攻勢において必要となる行進間射撃などが行えないなどのデメリットも大きく、結果的にスウェーデン陸軍はStrv.103の運用を早期に終了、退役させることになった。以後スウェーデン陸軍は後継車輌としてレオパルド2系列の車輌(Strv.121、Strv.122)を導入することとなる。
外見上類似点のある第二次大戦時の突撃砲とは用途も成り立ちも異なり、あくまで待ち伏せ戦術というスウェーデンの国情に特化しすぎたコンセプトのもとに生まれたユニークな車輌であったが故、その思想は後の戦車には受け継がれなかったと言える。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
http://dic.nicomoba.jp/k/a/strv.103


ページ番号: 4131897
リビジョン番号: 1772603
読み:エスティアールブイイチマルサン
初版作成日: 09/07/27 13:35 ◆ 最終更新日: 13/03/20 01:46
編集内容についての説明/コメント: 一部プチ加筆
記事編集 / 編集履歴を閲覧






JASRAC許諾番号: 9011622001Y31015
ヘッダー:固定
ヘッダー:追従