概要
さよならジュピターは1984年公開の日本映画、及びそれを元にした小松左京による小説作品。
当時の日本SF界が総力を挙げて世に送り出した超本格的宇宙SF巨篇である。本当である。
あらすじ
時に西暦2125年。搖り籃を離れた人類の手は今、太陽系全域へと着実に伸びつつあった。
太陽系開発機構 (SSDO) は太陽系外縁部のエネルギー問題解決の糸口として、木星内で核融合反応を起こし、恒星化させる「木星太陽化計画」を環境保護団体の妨害を受けながらも進めていた。
そんなある日、マイクロブラックホールが太陽に向かって接近している事が判明する。衝突はおよそ2年後。人類の工業力をフルに投入しても建造出来る脱出船団は僅か1億人分。
SSDOはこの未曾有の災厄を避ける為、木星をブラックホールにぶつけ爆破しブラックホールの軌道を変えようと試みる。
評価
本作は『幻の湖』 (1982年)、『北京原人 Who are you?』 (1997年) 等と並んで邦画屈指の駄作として名高い。
その原因の一つとして、詰め込み過ぎが挙げられる。本作には「カタストロフを回避する人類の闘い」という本筋とは別に
- 火星の古代遺跡とジュピター・ゴーストの謎
- SSDOに属する主人公と環境保護団体に属する恋人の苦悩
- 突如挿入される謎の歌と環境映像
- ゴジラとキングギドラの壮絶な戦い
- 鮫と三浦友和の壮絶な戦い
- テロリストと三浦友和の壮絶な戦い
等が含まれている。これらを129分の映像に圧縮したが為に、消化不良を起こした脚本が絶望的なテンポの悪さを引き起こしてしまっている。
ちなみに本作を語る際、屢々言及されるのが「無重力セックス」である。本篇ではおよそ3分間に亙って、星々を背景とした無重力メイク・ラヴが描かれる。重力のない状況で如何にしてコトを為すのか、3分 (ラヴ・シーンそのものはもっと長い) も時間を割くならばその辺りを細かく描写して欲しいものである。
尚、映画の酷評に反しノベライズ版の評価は高く、第14回星雲賞を受賞している。
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関連項目
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