概要
ねじりまんぽとは通称であり、正式には斜拱渠(しゃきょうきょ)・斜アーチと呼ばれている。通常、拱渠等のアーチ部に煉瓦やコンクリートブロックを用いるときは、まっすぐに積むのが普通であるが、鉄道線路とその下の道路や川が斜めに交差する場合などに、構造力学的な理由からアーチ部を斜めにねじって積まれることがあった。
上記のように斜めに積まれたアーチ内部において、その景観はかなり奇妙なものとなる。そのためそのトンネルをくぐった時には、タイムマシンに乗ったような不思議な感じを覚える人も多い。
ねじりまんぽは、日本では30例ほど確認されており、コンクリートブロック製の六把野井水拱橋を除いてあとは煉瓦拱渠・煉瓦アーチである。なお、コンクリートによる構造物が発達する大正時代以降の構造物には見られない。逆にもっとも古いものは、東海道本線下に明治初期のものが存在する。
おそらく、明治初期に技術指導のために雇用された外国人建築技師(いわゆる「お雇い外国人」)、おそらくイギリス人からの指導という形でもたらされた技法であると推測されている。イギリスにも日本のそれより古いねじりまんぽの例が多数確認でき、その技術が日本に伝えられたものと考えられる。
「ねじりまんぽ」という俗称は「ねじり」と「まんぽ」の組み合わせである。そのため「ねじりマンポ」と、「まんぽ」部分だけカタカナで表記されるようなこともある。「ねじり」はそのまま「ねじったように煉瓦やブロックが積まれている」というところからきている。一方「まんぽ」とは短いトンネル状の構造を指す関西・中部地方の方言で、「まんぼ」「まんぷう」「まんぼり」「まんぼう」などのバリエーションもあるという。
日本に現存するねじりまんぽ
車場川橋梁(信越本線)/眼鏡橋(えちぜん鉄道)/甲中吹橋梁・甲大門西橋梁・小田原川橋梁・穿屋川橋梁・市三宅田川橋梁・旧狼川トンネル・兵田川橋梁・篠津川橋梁・馬場丁川橋梁・円妙寺橋梁・奥田ノ端橋梁・門ノ前橋梁・東皿池橋梁(東海道本線)/烏谷川橋梁・第二四八号橋梁・第二七二号橋梁(関西本線)/六把野井水橋梁(北勢線)/琵琶湖疎水ねじりまんぽ(インクライン)/東除川橋梁(南海線)/第一三〇号橋梁(桜井線)/欅坂橋梁(ひたひこ)/折尾高架橋(旧西鉄北九州線)
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