へっぽこーずとは、旧版ソード・ワールドRPGリプレイに登場するプレイヤーキャラクター(以下PC)のパーティの愛称であり、彼らが登場するリプレイ企画「新ソードワールドRPGリプレイ」の通称である。
概要
へっぽこーずの登場する「新ソードワールドRPGリプレイ」(通称:へっぽこーず篇)は、数年のブランクを経て2001年から再開された、旧版ソードワールドRPGのリプレイ集企画の新装第1弾(通算で第6弾)。グループSNE期待の新人・秋田みやび(経理)を執筆者(ゲームマスター。以下GM)に大胆起用、メインシステムデザイナーのベテラン・清松みゆきがサポートを務める態勢でスタートした。
へっぽこーずは秋田による命名。ゲーマーとしてもまだ新人であった彼女は「へっぽこGM」を自称していたが、プレイヤーたち(および分身であるPC)たちがそれに輪をかけて「へっぽこ」であったことによる。ただしGMとしてプレイ中にPCたちをそう呼ぶ描写は無い。
ともあれ、意のままに行動してくれない一癖も二癖もあるプレイヤーたちや不確かなルールの記憶、何より気まぐれなダイス目に翻弄され苦悩しながらもGMとして健気に逞しく成長していく秋田の姿に、新旧のソード・ワールドユーザーの絶大な共感(「あるあるw」「ですよねーw」)が集まり、これまでのような専門誌での連載も無い単行本販売のみの展開にも関わらず、旧版リプレイ集では最長の全10巻に及ぶ快挙を達成した。この他にも本シリーズの代名詞となった「へっぽこ」を冠して長篇小説、短篇小説(富士見ファンタジア文庫)、漫画(カドカワコミックスドラゴンJr.)、ドラマCD(フロンティアワークス)とマルチに展開をするほどの人気を博し、企画終了から数年が経過した今でも支持者は多い。
また、本作の執筆を手がけた秋田みやびは、後のソード・ワールド2.0メインスタッフ及び初のリプレイ担当に抜擢されており、彼女の出世作ともいえる。
メンバー
中原の大国オーファンの首都ファンを拠点に活動する冒険者パーティ。
主拠点とする冒険者の宿は「青い小鳩亭」。ただし、一部メンバーは別途自宅や自室を持っており、宿で全員が寝泊まりすることは稀。
途中でメンバーの交代があり、後期は区別のためネオ・へっぽこーずと呼称する事がある。
イリーナ・フォウリー
人間の女性。16歳。至高神ファリスの神官戦士。見た目は可憐な少女だが、実は普通の人間の限界に及んだ肉体(筋力24)を持つため、「ファリスの猛女」の異名を持つ(後に成長して限界を突破する)。正義感の塊だが、文字通り空回りしてしまう事も多く、戦闘でも大物を仕留めることもあれば扇風機と化してしまう事もありキルレシオが安定しない。
基本的には重装甲を生かした壁・前線維持が主任務であり、イリーナをよってたかって強化して戦うのがへっぽこーずの基本戦法である。
最初にキャラクターを作ったときは、かの暗黒皇帝ベルド(ロードス島戦記の超英雄)より能力値が高くなってしまい、完全無欠過ぎるためにキャラ作り直しとなったのは有名な裏話である。
また、悪即斬の正義の使途のように見えて、高額の装備品に目が無かったり、それを手に入れる為に割りと報酬に釣られたりと俗っぽい所がある。(筋力に見合った重装備には、それだけの大金が必要と言う事情はあるが) また、頭が悪い(知力も低い)上、ありあまる筋力で器物破損をしてしまう事も多いなどの理由から、発言力もあんまり無い。
こうしたどこか憎めないキャラクター造詣は、それまでアレクラストにおいて最もメジャーな神と設定されながらも、実際のプレイ環境では「正義にうるさい、頭が固い頑固者」と言うレッテルを張られて敬遠されがちだったファリス神官のイメージアップに大きく貢献したと言う評価もされている。
6年前に勘当された実兄クリストファー(クリス)は短篇「許されし偽り」に登場。ドラマCD版の声は堀江由衣。
ヒースクリフ・セイバーヘーゲン(ヒース)
人間の男性。17歳。魔術師。イリーナとは母親同士の繋がりで幼馴染みの兄貴分で、通称ヒース兄さん。
狩人の村に生まれたが、才能を見込まれて魔術師ギルドの特待生となった。
とにかく態度がでかく見栄っ張りで、知らない事があれば知った顔してホラを吹き、苦手な魔法は遺失魔法扱いするしょーもない人物だが、自分を慕う人間(主に子供と動物)には優しい。
動物好きが高じて使い魔のカラス、フレディや荷馬のジェイミー等ペットを可愛がって飼育したり、ボーンサーバントでゴーレムをコレクションしたりしている。
とにかく善意や好意を表に出したがらない性格の為、描写の細かい小説版では途端にかっこ良くなる人。
当初は同じギルド所属の魔法戦士リウイにライバル意識を持っており、それに対抗して冒険者を志したという設定だったが、小説版では「家計に困ったフォウリー家を助けるための建前」であるとされている。
スリープクラウドに遺失魔法のあだ名をつけた人。よく転んでランタンを壊すため「ランタンは予備を持つのが常識である」という定説も生み出したりしている。
精神力が非常にしょっぱい為、攻撃呪文をバンバン撃つような事が難しく、イリーナの補助を中心に立ちまわる。
マウナ・ガジュマ
ハーフエルフの女性。20歳。精霊使い。冒険に出ないときは青い小鳩亭で住み込みのウェイトレスとして働いている。
その努力が実って、後半は正式に青い小鳩亭の養女として迎えられる。冒険を通じて定職と家庭をゲットするという、歴代PCの中でもかなりの幸せを手にした人である。後半では冒険者の宿が自宅になった為、「自分ちで依頼を受けて自分が冒険に行く」という非常に珍しい事をやっていた。(依頼の斡旋は彼女の業務ではないが)
生い立ちがそれなりに不幸で貧乏性で策士だが、パーティ内では割と常識人でけっこう巨乳さん(イリーナとの差別化の為)。髪型が度々変わっているおしゃれさんでもある。基本的にツッコミ。
あまり用途のないとされるティンダーのコモンルーンに何故か執着がある。
ドラマCD版の声は折笠富美子。
ガルガド
ドワーフとしてはまだ若者の年齢ながら、ヒースからはおやっさんと呼ばれるほど世事に通じた落ち着きのある人物。ただしノリスに対してはちゃぶ台をひっくり返すお父さんのごとく叱りつけるようなツッコミが冴える。
若輩揃いのパーティーの仲間の信頼も厚い縁の下の力持ち。
ノリス・ウェストイック
人間の男性。15歳。盗賊の少年。高名な呪術士の家系出身で若干だが精霊魔法も使う。甘えん坊のイタズラ小僧で、何かと騒ぎを起こすトラブルメーカー的存在。
シーフとして非常に頼りなく(そもそも頭が悪いのに、さらに短慮な為)、ガルガドからは幾度と無く他のシーフとトレードを検討されていたが、実は戦闘では割と活躍している。
結果、女装して「ノリーナ」と名乗ったり猫になったり波乱万丈な人生を送るが、本人は概ね楽しんでいる模様。
一時期パーティを離脱していたが、やっぱりそこでも事件に巻き込まれていた。このせいもあって復帰も相当遅れてしまい、復帰後もNPC相当の扱いであった。
エキュー
人間の男性。15歳。元傭兵。精霊魔法もそこそこ使えるが、これは病的なエルフ(ハーフやダークも含む)好きが高じたもの。ハーフエルフのマウナにもラブ・コールを送り続けているが、そのエルフ好きは「耳が尖っていればいい」レベルの節操無しの為、マウナからは相手にされておらず、逆に精霊使いとしてライバル視されている(男性の精霊使いは強力な攻撃魔法であるバルキリー・ジャベリンが使用できる為)
子供の頃から傭兵として生活していた為、非常に冷めた人生観を持っている。こうした性格から、ヒースとは馬が合わない。
小説版ではノリス離脱以前にへっぽこーずの対立相手に雇われて登場している。
バス
ドワーフの男性。45歳。ドワーフで盗賊でバードという変わり者で、芸術神ヴェーナーの神官でもある。本人は盗賊ではなくアーティストを自称。冒険を後世に伝えるためと称して前に出たがらない。
ガルガドの旧知であり、ガルガド離脱に際しへっぽこーずに紹介されて加入した。実際のところ盗賊としての能力は前任者と大差が無かった等と揶揄されたが、高レベルバード技能は日々の生活費稼ぎから戦略兵器としてまで幅広く活躍。
長編小説版では、パーティ参入以前に敵方に雇われ、ガルガドと再会している。
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