ようこそシネマハウスへとは、1994年1月28日にハードから発売された映画製作ゲームである。
一応、ポルノも撮影できることから、美少女ゲームのカテゴリーに位置する。
概要
元々、さっぽろももこが1988年にRIKA名義で発売したシングル「ようこそシネマハウスへ」という同名のレコードがあり、これをコンセプトにしたセカンドアルバム『月光倶楽部東京騎士団』の制作を予定したが休止となり、FMタウンズ版『DragonShock!』という麻雀ゲームのミニアルバムのボーカルを担当した事から、さっぽろ氏が歌手からゲーム業界に異業種入りを果たし、HARD社に入社。
その後、同楽曲をモチーフにイメージした『ようこそシネマハウスへ』という映画製作ゲームの企画書を社内で提出すると、ベスト企画賞を受賞し、1992年にゲーム版としてHARD社で開発される事となった。
ゲームシステム
当初は1993年夏の発売で予定されたものの、2万通り以上の映画作成パターンと100人以上の登場人物、30曲以上の楽曲に4千枚の映画作成パーツと、数枚のフロッピーのゲームにも関わらず、疑似Windowsのオリジナルオペレーションシステムを導入、色抜きと呼ばれる特殊な技術で16色のドット絵を12色に置き換え極限までサイズを抑える事で、超絶プログラマーが何とかし、ゲームとしては形になった。
が、当然ながらデバッグは数名のスタッフに対して数十万通りのパターン確認となり、発売は翌年の1994年1月まで伸びる事になった。ゲームとしての販売数はあったものの、発売遅延時に表4で「月刊メガストア」の広告を飾る等の出費がかさみ、商業的にはすぐれない結果に終わった。
なお、DOS/V版はゲーム実行システムの裏番地にシナリオデータを無理やり入れるなどして、僅か5枚のフロッピーディスクに収録したとの事。
登場人物
主演女優
・リブル・テンプル
・マリエ・マリエ
・ザジ・クレゾール
助演
・劇団パワーマルチプライ(メイ北山・諸星大二郎・ララミー牧場)
・劇団ガイア舎(星影ワルツ・蜂野武蔵・宗方隷華)
・劇団・電光(大森荘蔵・綾小路姫丸・品川あんか)
他、助監督・カメラマン・美術・音楽・雑用スタッフなどを選んで撮影を行う。
映画の原作となる小説を購入して脚本家に依頼する事で、同じ作品でも全く異なる展開の映画が撮影できる。表記は昔の物ではあるが、当時としては珍しくLGBTの登場人物が多く、ゲーム内でのカミングアウトイベントの他に一部の住民とは、同性でもエッチが出来る……らしい?
E-LOGINでの特集
あまりの自由度とゲームとしての完成度から「ようこそシネマハウスへ」に心を奪われるファンや雑誌編集者が続出し、雑誌ログインでは美少女ゲームで有りながら魅力を語る記事は続いた。
そして姉妹紙として創刊された「EーLOGIN」では、既にHARD社の現行スタッフが解散したにも関わらず、見開き2面のフルカラーで一年間に渡って発売が終了した「ようこそシネマハウスへ」の記事を編集とファンの愛だけで書き続ける等、未だに業界で語り継がれる伝説の作品となった。
復刻企画始動と原画展
2017年末、休眠中だったHARD社が突如復活を遂げ「はっちゃけあやよさん」の復刻を発表し、シネマハウスへの期待が高まる。
そして、2年後の2019年1月、「ようこそシネマハウスへ25周年特設サイト」がオープンし、25周年の記念グッズや資料。壁紙やコンビニプリント等が実施され、同年8月に「電ファミニコゲーマーの記事」にて復刻をめざした企画の始動が告知される。
・伝説のエロゲー『ようこそシネマハウスへ』が復刻へ──80人以上のキャラクターが生きる「ものづくりと滅びの世界」は、なぜ熱狂的な信者を生み出したのか? | 電ファミニコゲーマー
これにより、今まで27年間外部に一切公表されなかった「ようこそシネマハウスへ」の開発資料や原画が公開される事となり、翌年に「ようこそシネマハウスへ複製原画展」が予定されるものの新型コロナウイルスの影響で順延となり、2021年5月に『アキハバラBEEP・書泉グランデ・特殊書店Bibliomania・アートスープ』の全国4会場で開催され、記念に「ようこそシネマハウスへ公式ガイドブック」「ようこそシネマハウスへ未収録資料集」の2冊の公式本が制作された。
関連動画
関連リンク
関連項目
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