アシナガバチとは、スズメバチ科アシナガバチ亜科に属するハチの仲間である。
概要
名前の通り、飛翔時に長い後ろ足をだらんと垂らしながらゆったりと飛ぶ。このゆったりとした飛び方を見ればわかるように、飛行能力はそれほど高くはない。よって蝿など小回りの利く昆虫を狙うのは苦手。大きさはスズメバチと違って1cmから2cm程度であるため、見分けはつきやすい。
民家にも比較的営巣しやすく、都心でもよく見られる種類である。スズメバチに比べれば何の事はないと思われがちだが、腐ってもスズメバチの仲間なので毒性は決して弱くはない。刺されると耐え難い激痛が走り、一度ハチに刺された人ならアナフィラキシーショックを引き起こす引き金になる可能性がある。
ただし攻撃性はそれほど高くなく、よほど刺激しなければ人を襲ってくる機会は少ない。巣も使い回しをせず一年に一度利用すると完全に放棄する。人間にとってより身近な害虫である毛虫などを捕食対象とするため、基本的に市などでは益虫として紹介され、区による駆除の対象外とされていることが多い。
だからといって、さっきも言ったように危険性がないわけではないので、刺激することはご法度である。騒いだり、巣に触れたりは当然厳禁。子供がいるならばアシナガバチを刺激する可能性も高くなり、益虫とは言いがたくなる。あまつさえライトで照らそうものなら、アシナガバチは光に向かってくる習性を持つので確実に襲われてしまう。
また、いくらおとなしいとはいえ、人の往来が激しい所に営巣すればアシナガバチもピリピリすることが多い。自分で変なところに作ったんじゃねぇかとツッコミを入れても、アシナガバチにとっては知ったこっちゃない。
また、益虫と言っても民家への営巣は洗濯物に紛れる可能性を高くする。例え人間にその気がなくてもアシナガバチにとっては自分達を危害を加える敵性生物として攻撃対象にされてしまうだろう。
害虫、益虫、どちらの面も持っているので、危険を感じる、ハチが怖いなどの理由があるならば適切な手順を踏んだうえでちゃんと駆除すべき虫であることには違いない。業者に頼むと高いが、素人レベルでの駆除は安全とはいえないので自分と相談のうえで。
なお、スズメバチの仲間ではあるが、自分達より身体の大きい・凶暴性の強いスズメバチ(特にヒメスズメバチ)にはあっさり巣を根絶やしにされてしまう可哀想なハチである。特にオオスズメバチは、襲撃チームがたった数匹に満たなくても、あっさりやられてしまうほど。
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