マルカンドレ・アムラン(Marc-André Hamelin, 1961年9月5日 - )とは、フランス系のカナダ人ピアニストである。
同じくフランス系カナダ人ピアニストのアムランに2015年にショパン国際ピアノコンクール第2位となったシャルル・リシャール=アムラン(Charles Richard-Hamelin)がいるが、こちらはリシャール=アムランで一つの姓であり、おそらく両親の家系のどちらかにアムラン姓の人物がいるはずだが、この記事で取り扱うアムランとは無関係である。
概要
1961年9月、カナダのケベック州モントリオールで生まれる。5歳からピアノを始め、ヴァンサン・ダンディ音楽院、テンプル大学にて学ぶ。
アルカン、メトネル、ゴドフスキー等の技巧的かつ音楽性は高いがマイナーである作品やアイヴズ、バーバー、ボルコム、ロスラヴェッツ等の現代曲を盛んに取り上げ、評価の進んでいない名曲を世に広める。
「ニューヨーク・タイムズ」のハロルド・C・ショーンバーグによって「スーパー・ヴィルトゥオーゾ」と賞され、そのピアノ界のハイフェッツと言わんばかりの類稀なる技巧と楽曲の真に迫る巧みな表現力で全世界に熱狂的なファンもつ。
『ペトルーシュカからの3楽章』や『ハンガリー狂詩曲第6番』を「技巧をひけらかすだけの曲」と言って演奏しない、『超絶技巧百番練習曲』を「単に難しい技巧の羅列」と感じ、校訂作業をやめるといったように技巧と内容の両立を徹底している。
ピアノの演奏以外にも極めて高度な演奏技巧を必要とする『短調による12の練習曲』、オリジナル曲や編曲作品を集めた曲集『最も親密な思いを込めて』などの作曲家でもあり、コンポーサー・ピアニストとして注目されている。たびたび「無理譜面」などと言われることもあるが、実に合理的な構成になっている。流石だと言うべきであろう。
近年ではハイドン、ドビュッシー、ショパン、モーツァルトといった定番作曲家の演奏の録音も多くなってきたが、依然エックハルト=グラマッテやブゾーニ、カトゥアールといったある意味アムランらしい作曲家も取り上げ続けている。
また、ニコニコ動画では『自動演奏ピアノのためのサーカスギャロップ』の作曲者として知られており、このほかにも自動演奏ピアノを使用した曲では『ポップミュージック?』、『C.P.E.バッハによる五声のソルフェジット』を作曲している。なお、これらの曲は人間が弾くことを想定して作られた楽曲ではないため、何人ピアニストがいようとカイリキーであろうと演奏は不可能である。「カイリキー専用」はいささかお門違いである。あくまで自動演奏ピアノの曲であるので、人間が演奏することを念頭に置くべきではないだろう。
関連動画
関連項目
- 4
- 0pt