ウルリッヒ・ケスラーとは、
概要
CVは池田秀一(石黒監督版OVA)、羽多野渉(Die Neue These)。
ラインハルト・フォン・ローエングラム麾下の指揮官の中で、憲兵総監・帝都防衛司令官を務めるという特徴ある提督。帝国暦452年生まれ。
謹厳にして剛直、豪胆な歴戦の武人であり、戦歴にふさわしい精悍な風貌をそなえるが、「軍人というより有能な少壮の弁護士」という評もある。髪色は茶色だが、両耳の横部分のみ白髪で、眉毛にも白がまじるという特徴がある。石黒監督版OVAにおける旗艦は<フォルセティ>。
物語の後半で描かれる彼の仕事の殆どは、提督というより偉いお巡りさんであり、エルネスト・メックリンガーと並んで帝都(オーディン、並びにフェザーンに移ってからも)高い確率でお留守番担当となる。本篇終了時点での階級は上級大将で、ラインハルトの死後、元帥に叙せられた。
かつて憲兵本部に出向した際、自宅で皇帝を罵倒した老婆が密告を受け逮捕された事案を処理するにあたり、知恵を働かせて逆に密告者を処罰し、老婆の生命を救うことに成功した(ただし流刑は回避できず、その後に衰弱死している)。当時、大佐時代のラインハルトが憲兵隊に出向していたが、
帝国軍幼年学校連続殺人事件
犯人は色盲?真犯人が仕掛けたトリックにラインハルトが挑む!
の捜査を命じられる前にこの手腕を横で見聞きし、感銘を受けている。
この時は直接顔を合わせる機会はなかったが、ラインハルトがリヒャルト・フォン・グリンメルスハウゼン子爵の麾下にあった際、ケスラーが子爵の知遇を得ていたことから帝都オーディンや第六次イゼルローン要塞攻略作戦真っ只中のイゼルローン要塞でラインハルトと対面し、信頼を勝ち得た。この際、軍上層部から疎まれていたケスラーは3年(事実上無期限)の辺境勤務に赴かされることとなったが、それからもスピード出世を重ねていったラインハルトは、数年の後にケスラーを呼び戻したのである。
能力・人物
ラインハルト麾下の提督は大体皆そうだが、彼も有能な人物。但し他の提督の多くが戦闘においてその能力を示す中、彼は憲兵隊の規律向上や捜査能力の向上、治安政策の立案及び実施などの面でその有能さを多く示している。
ケスラーが指揮するまでの憲兵隊は強大な権力を持つ一方で堕落しきっていた(石黒監督版OVAにおける前任者オッペンハイマーが典型例である)が、彼は体制・人事の刷新と綱紀の粛正に着手。サボタージュを試みた者たちには流刑・資産没収・処刑など苛烈な処分を下し、反発して彼の身辺調査を試みた造反者たちを完璧な秘密保全で抑え、憲兵隊から追放して憲兵隊の統率を確固たるものとした。このように、純粋に治安維持への貢献能力を高めた功績は極めて大である。
一方で、総監があまりにも有能すぎた為か、憲兵隊全体が総監の指揮に依存してしまったところもある。新帝国暦3年、地球教徒が身重の皇妃暗殺を謀った「柊館炎上事件」では、ケスラーが別件で本部を離れていた為に憲兵隊が適切に対処できず、地球教徒の陽動に対し憲兵隊が後手に回ってしまう。その結果、懐妊していた皇妃ヒルデガルド、皇妃の世話をしていたグリューネワルト大公妃、侍従らが危機に際した。幸いケスラーは現場へ急行し、救出活動の指揮を陣頭指揮を執ることができた。ところが、新帝国暦3年頃は屋内戦闘や近接戦闘戦術がどうであったかは判然としないが、憲兵総監は陣頭指揮どころか自らがブラスター片手に強行突入を行う。
これを21世紀初頭の地球で例えてみよう。大統領夫人らを人質に取り、リッツ・カールトンのスィートルームにテロリストが立て篭もったとする。事案に際して救出と制圧をするにあたり、NYPD・ESUやFBI・HRT、シークレットサービス・ERTを差し置いて、NYPD警視総監自らがグロック19を握り締め突入するようなものである。憲兵隊には特殊部隊が存在しないらしい
結果としては、この突入は成功した。ケスラーの射撃とグリューネワルト大公妃のオーバースローが見事な連携を見せ、地球教徒の制圧に成功。憲兵隊などに死者は出たものの皇妃や大公妃は無事救出され、直後に皇妃は男子、つまりアレクサンデル・ジークフリードを出産した。
この事件がきっかけで、ケスラーは皇妃の美少女メイドであるマリーカ・フォン・フォイエルバッハと知り合う。突入する直前に魔よけのおまじない「ホクスポクス・フィジブス」を教えてもらうだけでなく、マリーカが後にケスラーの嫁となる。こいつ憲兵総監さんです。なお、マリーカがケスラーを「大佐さん」と呼んだのは、階級がわからないので取りあえず偉そうな階級で呼んでみただけであり、中の人が仮面の大佐だからというわけではない。
石黒監督版OVAでは、クラインゲルト子爵家との関わりを描いた独自の物語も語られた。同盟のクソ馬鹿アムロ野郎ことフォーク准将が、有害無益な帝国領侵攻作戦を実施する直前のこと。ラインハルトは焦土作戦を実施する為に、イゼルローン回廊に連なる各星系から物資を巻き上げていた。クラインゲルト領へ赴いたケスラーはクラインゲルト子爵に対し、物資の押収と子爵一家の疎開を告げる。しかし子爵は領地を手放し、領民を見捨てて逃げるを潔しとしなかった。その子爵の死んだ息子の未亡人が、ケスラーの幼馴染フィーアだったのだ。その後色々あるが、結局子爵一家は領地に残る。なおフィーアの中の人はこれがきっかけで、ケスラーの中の人のリアル嫁となった。
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関連項目
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