エイリアンクロストークとは、複数の LAN ケーブルを並列して敷設した場合に、隣接するケーブルから受ける (隣接するケーブルへ与える) ノイズのことである。
概要
銅線などを用いて電気信号を伝送する場合に、複数の信号線が平行した経路を取っていると、互いに電磁的な影響を及ぼし合うことになる。4対の信号線を持つ LAN ケーブルにおいては、1対ごとにケーブルを撚る (ツイストする) ことでこの影響を緩和している。加えて、Cat.6 以上のケーブルでは、十字介在 (4対を1対ごとに区切るセパレータ) を挿入し、対同士の干渉を防ぐ手立てを強化している。
しかし、伝送する信号の周波数が高くなると、同じケーブル内にある別の対との干渉だけでなく、隣接する別のケーブルとの干渉 (エイリアンクロストーク) も無視できなくなる。1000BASE-T では 100MHz までの信号を伝送できればよかったのに対し、10GBASE-T では 500MHz までの信号を伝送する必要があり、エイリアンクロストークへの対策が必須である。
Cat.6A (A は Augmented の略) 以上のケーブルを用いることで、10GBASE-T を 100m まで利用できる。Cat.6 のケーブルに関しては、エイリアンクロストーク対策が不十分であるためか、10GBASE-T を利用できる長さが 37m までに留まる。Cat.6 のエイリアンクロストーク対策が不十分なのは、Cat.6 の策定時期よりも 10GBASE-T の策定時期が遅かったためであると思われる。
なお、10GBASE-T はエイリアンクロストークだけでなく、TV や携帯電話、電力線などから発生するノイズ (バックグラウンドノイズ) に対しても、従来より一層シビアである。地上デジタル放送の 13~17ch が 470~500MHz であり、10GBASE-T の限界域と周波数が重複するため、特に TV に関しては注意が必要と考えられる。
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