オオスズメバチがやってきたんです!
オオスズメバチ(Vespa mandarinia japonica)とは、ハチ目スズメバチ科の中で最も大きいスズメバチである。
概要に、オオスズメバチがやってきたんです!
世界最大の殺人蜂とも呼ばれており、攻撃性が非常に高い獰猛な蜂。蜂の中で最大級のでかさを誇り、人肉さえ噛み千切る巨大で強靭な大顎や蜜蜂とは比べ物にならない頑丈な体。日本の蜂の中でもっとも強い毒(色々な毒の混合物、別名「毒のカクテル」)をもち、毒液中には仲間を呼ぶフェロモンも含まれている。その攻撃性の高さから、キイロスズメバチやヒメスズメバチなど同種のハチにも襲い掛かって捕食したり、略奪したりする。加えて、スズメバチ数匹でセイヨウミツバチ数万匹を壊滅させる一騎当千の実力を誇る。単騎ですら恐ろしいスズメバチだが、その真価は集団戦で発揮される。増援が必要な場合は先述のフェロモンで仲間を呼び寄せ、数の暴力で攻める。質が伴った数の暴力ほど恐ろしいものは無いだろう……。おまけとばかりに一日に100㎞以上飛行しても全然平気という驚異のスタミナまで誇る。なぜこんな化け物蜂が日本に産まれてしまったのだろうか・・・。
ちなみに「オオスズメバチがやってきたんです!」とは、下のMADでよく使われる名セリフである。オオスズメバチの生態を良く捕らえており、完成度は(無駄に)高い。
日本の北海道から九州・屋久島、種子島近辺にまで分布しており、土中や樹洞に巣を作る。
秋口には雄蜂や新女王蜂の養育と、幼虫に与える餌の大型昆虫が姿を消すため非常に攻撃性が高まる。
このため、他の蜂の巣を集団で襲い、働き蜂を全滅あるいは逃走させた巣から幼虫やさなぎを肉団子にして巣に持ち帰る。
天敵
昆虫界最強と思われるオオスズメバチだが、ちゃんと天敵は存在する。まず挙げられるのは熊である。熊は毛深く、自慢の毒針が届かない。仮に刺さったとしても優れた解毒能力を持っているため決定打となりえない。熊にとってオオスズメバチは脅威ではなく、巣を破壊して蜜やハチノコを奪っていく。黒いものを見るとオオスズメバチが攻撃的になるのは、熊へのトラウマが原因とされている。
他にも1対1であればオニヤンマ、カマキリ、シオヤアブに捕食される事がある。ただ一方的ではなく、返り討ちにするケースも。特にシオヤアブは不意打ちに失敗した場合、よく敗北する。
オオスズメバチにとって、熊並みに強敵なのが人類である。防御が伴っていない人間であれば簡単に倒せるが、防護服と化学兵器で武装した人間には成す術なく殲滅される。
狙われた?
近くを飛び回っており、刺してきそうなときは、絶対に刺激せずにゆっくり去らなくてはならない。
ちなみに近くを飛んでいる際は、人間の恐怖を最大限に刺激する「ブーン」という恐ろしい羽音が大音量で聞こえる。
- 自分の周りをジリジリと飛んでいるとき
スズメバチは、人間を獲物にしようとすることは無い。よっぽど興奮して攻撃的になっていれば、発見するや否や刺しにかかってくる。自分の周りをつかず離れずで微妙に飛んでいる場合は、巣に近づいてしまっていることへの無言の警告である。
このときはまだスズメバチも様子見であるが、既に、大声を上げたりいきなり大きく動いたりしたら即刻攻撃に移る状態にある。まわりに巣がありそうな場所があればそこから離れるか、森の中などで遭遇して巣の方向がわからない場合は、自分が来た道のりを戻ろう。 - 何か「カチカチ」と言う音が聞こえてくるとき
人間で言えば、舌打ちを聞こえよがしにしているところ。上述の警告で、人間が特に刺激するような動作も無くさらに巣に近づいた場合、つまり巣の方向がわからずに移動してきたなどのケースでは、スズメバチは次の警告に移る。
音の正体は、スズメバチの顎。まさに舌打ち。この音が聞こえてきたら、本当にキレかけている証拠である。即刻、しかしゆっくりとその場を離れなくてはならない。
関連動画にも、オオスズメバチがやってきたんです!
最強?
虫の中でも最強といわれるが、案外苦手なものも多い。(それでも蜂の中では最強、昆虫の中でも上位の強さだが)
カマキリと戦う動画などはたびたびネットで確認され、スズメバチがその強力な顎でカマキリをしとめることが殆どだが、実はカマキリの鎌の前に敗北して食べられることも多く、勝率はそんなに高くない。
また、樹液を吸う際にも、カブトムシやクワガタムシなど大型の甲虫には場所を譲らなくてはならない。稀にノコギリクワガタが樹液に近づいてきたオオスズメバチをハサミ殺すこともあり、しかも彼らの体を覆う甲殻にはスズメバチの顎も針も通用しない。樹液を吸っているカブトムシにスズメバチが猛攻を仕掛けても、カブトムシの方はたいてい悠々と樹液を吸って去っていく。 何匹かでとりつき、カブトムシの足に噛み付いてやっと撃退することもあるが、どの道餌には出来ないので非効率的な上、他の甲虫も寄ってきてキリが無いのであまりここまでの行動には及ばない。それ以外でもオオムラサキにビンタされて撤退することもある。他には空中戦でオニヤンマに捕食されたりすることがあり、スズメバチ側が勝つことはほぼ不可能である。
そしてニホンミツバチ・セイヨウミツバチは基本的にただの獲物だが、ニホンミツバチの巣に単独で侵入した場合、仲間を呼ぶ前に集団で群がられ、ミツバチより低い致死温度まで上昇させられ、蒸し殺されてしまう。数十匹の集団で襲撃した場合は、損害は防げなくとも問題なく制圧できる。
スズメバチの真の恐ろしさは単体でも強いのに群れをなして襲う事だろう。
凶暴さゆえの功罪
スズメバチによる年間刺傷件数や死亡者数は多く(日本における野生生物による死亡者数はダントツ)、一般的には害虫として認識される。その一方でスズメバチはその凶暴さによる功績も多い昆虫である。
スズメバチ類の主な獲物はイモムシ・ケムシの仲間であり、植物を食害するこれらをせっせと駆逐し、樹木が丸裸になることを防いでいる。スズメバチの巣一つに運び込まれる獲物の総数は数百万に上るという。
また、養蜂目的で持ち込まれたセイヨウミツバチが野生化しない要因も、スズメバチの存在によるところが大きいと考えられている。人間が持ち込んだ外来種がそれまでいた在来種を駆逐したり遺伝子汚染を起こし(外来種と在来種の雑種ばかりになる)たりすることが問題視される中で、セイヨウミツバチとニホンミツバチの関係を上手く調整している功績もあるといえる。
オオスズメバチを初めとしたスズメバチ類は凶暴さばかりがクローズアップされがちであるがこのように生態系の維持に大きく寄与しており、益虫や害虫のカテゴリーについて考えさせてくれる昆虫である。
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関連項目
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