カサゴとは、以下を表す。
- カサゴ(瘡魚、笠子、鮋) - スズキ目カサゴ亜目メバル科カサゴ属の海水魚、またはその仲間。この項目で記述。近縁のウッカリカサゴについても触れる。
- 笠碁 - 落語の演目の一つ。
- かさご(歌い手) - ニコニコ動画で活動していた歌い手。
概要
カサゴ | |
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目 | スズキ目 |
科 | メバル科 |
学名 | Sebastiscus marmoratus |
英名 | Rockfish Marbled rockfish False kelpfish Sea ruffe |
学名はSebastiscus marmoratus。普通は全長25cm程だが沖では大物もいる。日本近海を含む太平洋西部の暖かい海に分布し、沿岸の水深200m位までの岩礁域などに生息する。
日本のほとんどの地域にいるよく知られた魚だが、纏まって獲れないため現在は最低でも1kg2000円前後の高級魚。煮付け・塩焼き・味噌汁・唐揚げなどさまざまな料理に用いられる他、釣りの対象として人気。
海底で暮らし、あまり泳ぎ回らない。夜に活発になる夜行性で、餌は甲殻類など。縄張りを持つことが知られている。深い場所にいるカサゴは保護色になるため赤い。
実はメバルと同じく卵胎生で、体内で卵を孵化させた後しばらくして数万匹の仔魚を産む。
漢字では頭が大きく笠を被っているように見えることから「笠子」、あるいは瘡蓋(かさぶた)が出来たようなゴツゴツとした体から「瘡子」。漢字一字だと「鮋」となる。英名の「Rockfish」とは岩礁の魚という意味で、ロックンロールな魚という訳ではない。
また、「がしら」「あらかぶ」「ぼっこう」「あかめばる[1]」「ががね」「ほご」など非常に多くの地方名がある。
江戸時代には姿が勇ましいとされ、端午の節句の祝魚として用いられた。逆に、大きな口に対して食べられる部分が少ないことから、「磯のカサゴは口ばかり」という「口先ばかりで実行力がない」ことを意味することわざにもなっている。
釣り
手軽な釣りの対象魚として幅広く愛されている魚である。漁港や防波堤、磯、船から狙う場合が多い。活発に泳ぎ回る魚ではないため、沈み根やテトラポッドなどの障害物周り、あるいは岸壁際などを重点的に攻める。
釣り方・仕掛けは多岐にわたるが、人気が高いのが穴釣りとルアーフィッシングである。
穴釣りはブラクリというオモリとハリが一体化した専用仕掛けを用いて、テトラの穴や岸壁際などに仕掛けを落とし込む釣り方。カサゴがそこにいさえすれば即刻食いついてくるため、ちょっとずつ場所を変えながら次々と釣っていく方法である。足場が悪い場所であることが多い為、転落には要注意。
ルアーにもよくアタックする。ジグヘッドとワームの組み合わせが主流で、メバリングやアジングのタックルをそのまま流用できる。釣り方は穴釣りと同じ要領でもよいが、キャストして広範囲を探ってくることも可能。ゴロタ浜などではルアーの方が釣りやすいかもしれない。
また、ジギングで大型のカサゴが出る場合もある。釣り人の特権として刺身を貪り食おう。なお三枚におろすとびっくりするくらい小さくなるが、そういう仕様なので諦めてください。
フライフィッシングでも狙える。まあ、ソルトフライをしてる人自体めったにいないが。
ウッカリカサゴ
ウッカリカサゴ | |
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目 | スズキ目 |
科 | メバル科 |
学名 | Sebastiscus tertius |
英名 | Red marbled rockfish Absent-minded scorpionfish |
カサゴのそっくりさんとしてウッカリカサゴ(Sebastiscus tertius)という変な和名の魚がいる。カサゴと見分けるのが難しく、より深い場所に住み、より大きくなるが味が落ちる。
この和名は、1979年に著名な魚類学者の故・阿部宗明博士によって付けられたもので、あまりにもカサゴと似ているので「うっかり」しているとカサゴと見間違えてしまうことに因む[2]。なんでも阿部宗明博士自身も「うっかり」カサゴだと思い込んで発表し忘れていたとか。新種として記載されたのは1978年(長崎産の標本に基づく)[3]。
ウッカリカサゴにはカサゴにはほとんど無い上半分の斑紋が多く、縁どられてはっきりしている点などが見分けるポイントだとされる。
市場ではカサゴと区別されずに「かさご」の名で流通しているが、カサゴの方が味が良いのでカサゴの方を「本かさご」と呼ぶこともある。
市場で見られるカサゴ属にはアヤメカサゴ(Sebastiscus albofasciatus)もいるが、こちらは鮮やかな赤色で、黄色い網目模様があるので簡単に見分けられる。
他にもいる○○カサゴ
カサゴは以前はフサカサゴ科に分類されていたが、メバル科に分類するのが一般的になった。
カサゴと名の付く魚類であるフサカサゴ(Scorpaena onaria)やミノカサゴ(Pterois lunulata)、イズカサゴ(Scorpaena neglecta)、アカカサゴ(Setarches longimanus)などは変わらずフサカサゴ科(アカカサゴはシロカサゴ科に分類する場合もある)に所属している。深海魚&高級魚として知られるユメカサゴ(Helicolenus hilgendorfi)はメバル科ユメカサゴ属に分類されることが多い。
2020年時点では下記のカサゴ目の件と合わせて分類が流動的な部分が多いのが現状である。ネット上でも昔の分類が残っている場合が多い。
ミノカサゴ、オニダルマオコゼなどフサカサゴ科には強い毒を持つ種が多く、メバル科のメバル(3種に分けられた)も地域によっては毒魚とされるが、カサゴには人体に影響のある毒は特に無いようである。
消えたカサゴ目
以前は上記のような多くの仲間と一緒にカサゴの名を冠するカサゴ目カサゴ亜目に分類されていたが、カサゴ目が単系統ではないという説が有力になったため、現在はカサゴ亜目はスズキ目に分類されるのが一般的である。
カジカやホッケ、アイナメ、ハタハタ、ビクニン、ダンゴウオなどかつてのカサゴ目カジカ亜目の仲間もスズキ目に移されたが、カサゴ亜目とはそれほど近縁ではないと言われている。また、カサゴ目の一員だったセミホウボウの仲間もまた別の系統だとされている。
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関連項目
脚注
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