キハ285系とは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が開発中止した特急形気動車である。
概要
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JR北海道がスピードアップを目的として振り子式に代わる新たな傾斜システムとして開発した「複合車体傾斜システム(最大8度傾斜)」と省エネルギー化を目指して開発した「MAハイブリッド駆動システム」を搭載する予定だった車両。
2011年4月に試作車の設計および製作に着手し、2014年9月に川崎重工業で試作車(3両)が落成した。
しかし、試作車を製作している間、JR北海道は度重なる事故・不祥事を起こし、①安全対策として最高速度の引き下げを行わなければならなくなったこと、②北海道新幹線の開業準備を最優先しなければならないこと、③コストが高い上にメンテナンスが面倒なこと、④従来の車両に統一してしまったほうがメンテナンスが楽になるから、2014年9月10日に開発中止が発表された。このため、当面の間は特急車両の更新はキハ261系によって行うことになった。
問題は本車両の取り扱いである。落成してしまったので引き取るしかなく、新車なので廃車にするわけにもいかず、走行性能試験で安全性が確認できない現状況下では、営業用車両として使用することが不可能である。そこでJR北海道は、在来線用総合検測車にすることも含めて活用方法を検討することになった。JR北海道の検測車は1956年に改造されたオヤ31形(建築限界測定用試験車)と1978年に製造されたマヤ34形(軌道検測車)の2つしかなく老朽化が心配されているため、置き換えるタイミングとしては十分なのではあるが、営業用車両として製造された車両が検測車として運用されるのはなにかと不憫でならない。
しかし、JR北海道に引き渡されてから1年経過した2015年9月になっても、改造工事等は実施されておらず、苗穂でニートレインとなっているのが現状である。
結局、改造工事には多額の費用がかかることから2016年4月になって改造は実施しない方針となり、試作車は廃車とすることが決定。2017年3月に解体された。
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関連項目
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