サッカーカタール代表とは、カタールサッカー協会(QFA)によって編成されるサッカーのカタール代表チームである。愛称は預言者を意味する「Annabi」。ユニフォームはホーム用が上下マルーン、アウェイ用が上下白。
概要
サッカーのナショナルチーム | |||
カタール代表 | |||
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基本情報 | |||
国旗 | |||
協会 | QFA | ||
大陸 | AFC(アジア) | ||
FIFAコード | QAT | ||
FIFA加盟 | 1972年 | ||
監督 | ティンティン・マルケス | ||
FIFAワールドカップ | |||
出場 | 1回 | ||
最高成績 | グループリーグ | ||
AFCアジアカップ | |||
出場 | 11回 | ||
最高成績 | 優勝(2回) |
1990年代以降に力をつけるようになり、2019年のAFCアジアカップで初優勝を飾っている。また、西アジアの地域の大会であるガルフカップでは3度優勝している。また、1981年のFIFAワールドユース選手権準優勝、1991年のFIFA U-17世界選手権ベスト4と若年世代で好成績を収めている。FIFAワールドカップは、開催国となった2022 FIFAワールドカップが初出場となり、アジア予選を通過しての出場経験は無い。
早くからアンダー世代が世界の舞台で好成績を残し、1990年代後半からは他国の選手を帰化させる「帰化戦略」によってチームを強化してきた。当初は外国から有力なサッカー選手を豊富な資金力によって帰化させようとし、かつてJリーグで活躍したエメルソンをカタール代表に入れようとしたこともあった(結局規定に抵触したため実現せず)。
2004年に「アスパイア・アカデミー」を設立し、スペインの育成機関をモデルにした若年層の強化に力を入れ、近年は自国の選手を強化する方針に切り替えている。カタール黄金世代と呼ばれる2019年アジアカップ優勝メンバーも8名がアスパイア・アカデミー出身の選手である。
歴史
初試合は1970年。1980年代に入って力を付け始め、1981年のFIFAワールドユース選手権本大会では準優勝というサプライズを起こす。1981年のU-20代表が主力に定着した1990 FIFAワールドカップアジア最終予選は2位UAEと勝ち点わずか1差の3位に付け、本大会出場まであと一歩というところまで迫る。さらに、1992年のバルセロナオリンピックでは、U-23代表がベスト8入りを果たしている。
日本で開催されたAFCアジアカップ1992で優勝候補に挙げられていたが、結果はグループリーグ敗退。一方、直後に自国で開催されたガルフカップ1992では、優勝し、初のタイトルを獲得。しかし、翌年の1994 FIFAワールドカップアジア予選では1次予選で敗退となる。
以降、カタールサッカー協会は帰化選手による強化戦略を開始。AFCアジアカップ2000でベスト8、ガルフカップでは2004年に優勝と中東の中では上位に入る力をつけるようになる。また、この頃から「アスパイア・アカデミー」が設立され、国家プロジェクトとして長期プランでの強化を開始する。2006年のアジア競技大会で優勝の立役者となったセバスティアン・ソリア(ウルグアイから帰化)がエースとして台頭するようになると、自国開催でのAFCアジアカップ2011では準々決勝まで進み、日本をあと一歩のところまで追い詰めながらも敗れている。
FIFAワールドカップでは、2010年大会、2014年大会ともに最終予選までは進出するが、アジアのトップ4には入ることができず、敗退している。2018 FIFAワールドカップ・アジア最終予選でもグループA最下位に終わり敗退。これによって2022年自国開催予定のワールドカップに、開催国枠で初出場を果たす最初の代表チームとなった。
2017年からアンダー世代の監督を務めていたスペイン人のフェリックス・サンチェス・パスが監督に就任。AFCアジアカップ2019では、カタール黄金世代と呼ばれるアンダー世代でアジア制覇を経験したアカデミー出身の選手たちが中心となり、スペイン式のポジショナルプレーを導入したスタイルを披露。決勝では日本を相手に快勝し、19得点1失点という圧倒的な内容で初優勝を果たす。
自国開催で初出場となった2022 FIFAワールドカップ・カタール大会では入念な強化プランで準備を進めてきたが、エクアドルとセネガルを相手に連敗し、大会最速でグループリーグ敗退が決定する。さらには最終節のオランダ戦にも敗れ、3戦全敗の最下位に終わる。
2024年1月に自国開催となったAFCアジアカップ2023ではグループステージを3連勝、しかも3試合無失点で突破。ノックアウトステージではいずれも接戦となるが、パレスチナ、ウズベキスタン、そして準決勝では優勝候補のイランを下し、ファイナルへ進出。伏兵ヨルダンとの決勝ではアクラム・アフィーフが3本のPKを決めてハットトリックを達成。史上5か国目となるアジアカップ連覇を果たす。
主な戦績
- FIFAワールドカップ
- グループリーグ敗退(2022)
- AFCアジアカップ
- 優勝(2019, 2023)
- ベスト8(2000, 2011)
- グループリーグ敗退(1980, 1984, 1988, 1992, 2000, 2007, 2015)
- ガルフカップ
- 優勝(1992, 2004, 2014)、準優勝(1984, 1990, 1996)、3位(1974, 1976, 2003)
- FIFAアラブカップ
- 準優勝(1998)、3位(2021)
- コパ・アメリカ
- グループリーグ敗退(2019)
- CONCACAFゴールドカップ
- ベスト4(2019)
世代別の戦績
- FIFA U-20ワールドカップ
- 準優勝(1981)
- FIFA U-17ワールドカップ
- ベスト4(1992)
主な代表選手
- マンスール・ムスタファ(1976-2000)- 歴代最多得点(42得点)
- ムバラク・ムスタファ(1992-2004)- 歴代得点3位(41得点)
- フセイン・ヤセル(2001-2011)
- タラール・アル=ブルーシー(2006-2013)
- ハルファン・イブラヒム(2006-2015)
- セバスティアン・ソリア(2006-2017)- 歴代出場3位(123試合)、歴代得点4位(39得点)
- アリー・アフィーフ(2006-)
- ファビオ・セザール(2008-2013)
- ハサン・アル=ハイドゥース(2008-)- 歴代最多出場(170試合)、歴代得点5位(36得点)
- カシム・ブルハン(2009-)
- サアド・アル=シーブ(2009-)
- アブドルアズィーズ・ハーティム(2009-)
- ジャーラッラー・アル=マッリー(2010-2013)
- アブドゥルカリーム・ハッサン(2010-)- 歴代出場2位(131試合)
- ハーリド・ムフターハ(2010-)
- ムハンマド・アッ=サイイド(2010-)
- アリー・アサダッラー(2013-)
- アルモエズ・アリ(2013-)- 歴代最多得点(42得点)
- カリム・ブディアフ(2013-)- 歴代出場4位(115試合)
- ブーアッラーム・フーヒー(2014-)
- ロドリゴ・タバタ(2015-2017)
- アフマド・ファトヒー(2017-)
- アクラム・アフィフ(2020-)
2022 FIFAワールドカップ・カタール大会メンバー
- 1 GK サアド・アル=シープ(アル・サッド)
- 21 GK ユセフ・ハッサン(アル・ガラファ)
- 22 GK マシャアル・バルシャム(アル・サッド)
- 2 DF ペドロ・ミゲル(アル・サッド)
- 4 DF モハメド・ワード(アル・サッド)
- 5 DF タレク・サルマン(アル・サッド)
- 13 DF ムサーブ・ヒディル(アル・サッド)
- 14 DF ホマム・アフメド(アル・ガラファ)
- 15 DF バサム・アルラウィ(アル・ドゥハイル)
- 16 DF ブアレム・フーヒ(アル・サッド)
- 17 DF イスマイール・モハマド(アル・ドゥハイル)
- 3 MF アブデルカリム・ハッサン(アル・サッド)
- 6 MF アブドゥルハジス・ハテム(アル・ラーヤン)
- 8 MF アリ・アサド(アル・サッド)
- 10 MF ハサン・アル=ハイドゥース(C)(アル・サッド)
- 12 MF カリム・ブディアフ(アル・ドゥハイル)
- 20 MF サレム・アル=ハジリ(アル・サッド)
- 23 MF アシム・マティボ(アル・ドゥハイル)
- 24 MF ナイエフ・アル=ハドラミ(アル・ラーヤン)
- 25 MF ジャシム・ガベル(アル・アラビ)
- 26 MF ムスタファ・タレク(アル・サッド)
- 7 FW アフメド・アラーエルディン(アル・ガラファ)
- 9 FW モハメド・ムンタリ(アル・ドゥハイル)
- 11 FW アクラム・アフィフ(アル・サッド)
- 18 FW ハリド・ムニール(アル・ワクラ)
- 19 FW アルモエズ・アリ(アル・ドゥハイル)
歴代監督
ワールドカップを戦った監督は太字。国旗が付いているのは外国人監督。
- エヴァリスト・デ・マセド(1979–1985)
- ジノ・サニ(1985-1986)
- ジノ・サニ(1989–1990)
- エヴァリスト・デ・マセド(1992)
- イヴォ・ウォルトマン(1992)
- デイブ・マッカイ(1994–1995)
- ジェマル・ハジアブディッチ(1997-1998)
- ゼ・マリオ(1998)
- ジェマル・ハジアブディッチ(1999–2001)
- パウロ・カンポス(2001)
- ピエール・ルシャントル(2002-2003)
- フィリップ・トルシエ(2003-2004)
- ジェマルディン・ムショビッチ(2004-2007)
- ホルヘ・フォサッティ(2007-2008)
- ブルーノ・メツ(2008-2011)
- ミロヴァン・ライェヴァツ(2011)
- セバスティアン・ラザロニ(2011-2012)
- パウロ・アウトゥオリ(2012-2013)
- ファハド・サーニー(2013-2014)
- ピエール・ルシャントル(2002-2003) ジャメル・ベルマディ(2014-2015)
- ホセ・ダニエル・カレーニョ(2015-2016)
- ホルヘ・フォサッティ(2016-2017)
- フェリックス・サンチェス・バス(2017-2022)- アジアカップ2019優勝
- ブルーノ・ピニエィロ(2022-2023)
- カルロス・ケイロス(2023)
- ティンティン・マルケス(2023-)- アジアカップ2023優勝
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