サブマシンガン単語

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サブマシンガン
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サブマシンガン(Submachine Gun)とは
マシンガンアンダーカテゴリ的な、拳銃の上位カテゴリ的な、そんな武器である。
日本語では短機関銃(たんきかんじゅう)とも呼ばれる。

簡単に説明すると

一言でいえば拳銃弾を連射可銃器

  • サイズ的に拳銃より大になるが、安定して構える事が可な物が多い
  • 拳銃弾のため連射しても反動は小さく、命中精度は上がる。
  • またアサルトライフルよりも小軽量なため狭い場所や室内でも取り回しが良い。
  • 拳銃弾なので、ライフル弾ほどの射程・破壊はない。
    • 裏を返せば余計な貫通がない、貫通によって背後の人質や味方・物品まで破壊しづらい。
      • 特殊部隊や要人警護など、副次的な被害が出ては困る場合にはピッタリ。
    • 相手がボディーアーマーなどの防弾装備を着込んでいた場合は効果が薄いといった欠点はある。

(例外)
ただしメチャクチャアサルトライフルがこれに分類される場合もある。
近年は同じサイズで、専用の貫通に特化した弾丸を発射可な物もある。

概要

小銃を短くしたような形で、拳銃弾をフルオート射撃(連射)するものをサブマシンガン(短機関銃)と呼ぶ。拳銃弾を使うのでドイツでは「マシーネンピストーレ(Maschinen pistole)」、フランス語でも「ピストレ-ミトラユーpistolet-mitrailleur)」になる。日本語では「短機関銃」「機関短銃」「機関拳銃」という言葉があるがすべて同じである。[1]

かつて、戦時中は近距離専用の「弾丸ばらまき機」で命中精度は考慮されていなかった

高い命中精度を持つ短機関銃(→MP5)が発売された際は過剰性いらない子扱い。
…ただし戦後、近距離における精密射撃で見事成果を上げたため、評価が大きく見直される事となった。
1977年/ルフトハン航空181便ハイジャック事件)

拳銃よりも火力が高く、持ち運びも容易であるため、要人警護や軍隊や警察特殊部隊が、狭い室内や船舶などを制圧する際など使用されている。小軽量なため軍隊の特殊部隊においても、素く制圧する作戦においても使用される。

射程・破壊力

ただ、あくまで撃つのは拳銃弾なので、小銃弾(ライフル弾)を扱うアサルトライフルなどとべると射程が短く、貫通も低い(=防弾チョッキに止められやすい)。また給弾機構にエネルギーを割くため、同じ弾を使う拳銃よりも一般的に威が低い。なので、前線ドンパチする軍人さんよりも、特殊部隊警察みたいに室内で戦うことが多かったり(室内でライフルを撃つと人間を貫通して二次的な被害を出す危険がある)、アサルトライフルほど大げさな武器が要らない人達(要人警護など)がに使う。

戦時中

フルオート射撃ライフルがほとんどなかった第二次世界大戦ごろまでは、歩兵要火器として使われることもあった。

…厳密には長距離用だが全く連射の利かないライフルと、短距離用だが連射の利く短機関銃、連射ができて遠くも狙えるけど滅重くて使いにくい汎用機関銃の組み合わせで運用されていた。

構造[2]

ほとんどのは、遊底(ボルト)が閉じた状態で引を引き、撃針が管をたたく(クローズボルトファイアリング)が、サブマシンガンの場合は遊底は後退位置にあり、引を引くと遊底が勢いよく前進して実包を室に送り込んだ間に管をたたいて発火させる方式(オープンボルトファイアリング)を採用している。

したがって、たいていのサブマシンガンには撃独立した撃針がく、遊底を造ったときに管にあたる部分に突起を設ける、といった単純な構造になっているので、安く大量に製造することができる。

もっとも、数ラムの重さの遊底が前進した間に弾丸が出るような構造では正確な射撃は出来ないので、文字通り弾丸を「バラ撒く」という使い方になる。

成り立ちの経緯とその歴史

ときに1917年。第一次世界大戦米国が参戦、欧州で3年あまり続いていた塹壕戦のパワーバランスは大きく連合側に傾くことが予測されていた。そこでドイツ帝国の本格参戦前戦争のカタをつけてしまうべく、対ロシア戦線の終結で生まれた余剰戦をつぎ込んだ最終決戦企画したのだ。

もちろんただ余剰戦つぎ込んだだけではこれまでの3年間と同じく敵の塹壕戦の前で全滅して終わるのだが、ドイツ側にはひとつの算があった。第一次大戦中に編み出された新しい歩兵戦術である「浸透戦術」に特化した部隊を編成することで、連合の戦線に大穴をあけ一気に戦線を前進させることができるのではないか、という論見である。

浸透戦術に特化した部隊に必要なのは機動性と強な近接戦闘力。そう考えたドイツ帝国は「歩兵が容易に持ち運べる」「地に設置された機関銃を制圧できる連射」を兼ね備えた武器を欲した。その結果生まれたのが世界初の短機関銃であるMP18拳銃弾を使うので軽量であり、距離短時間であれば既存の機関銃地に匹敵する密度の弾幕を少人数で容易にることができる。これに手榴弾や軽機関銃支援を組み合わせ連合塹壕線の弱いところを突破し、連合軍にごっつ腹パン食わせてやれる処がたったのだ。

この大攻勢は1918年3月に実施され見事に連合前線をぶちぬいて一時はパリ列車砲の射程に収めるところまで進出、ドイツの最後の賭けは大成功……かに見えたがしょせんは歩兵の悲しさで進出速度が遅く、兵に勝る連合に頭を抑えられてしまって当初の的は達成できなかった。

かしこの大進撃をもたらした新兵器「短機関銃」の威名は世界中にいており、ベルサイユ条約でドイツ軍が装備することは禁じられたものの、民兵団体や政治はたまたアイルランド過激派マフィアといった連中に用されて第二次世界大戦に至ることになる。第二次世界大戦では小さく大火力ということで戦車兵や将校の自衛用火器として、隠蔽のしやすさと取り回しの良さで敵の後を撹乱するレジスタンス武器として多用された。もちろん本来の成り立ち通り、機動性を最優先され重火器の支援が受けづらい電撃戦に携わる兵士たちの武器としても活躍した。

WW2後はより威の大きな弾丸を用いるアサルトライフルの登場で最前線兵士武器としての価値は低下し、近年普及が進むボディアーマーへの威も不十分であるため自衛用火器としても先行きは微妙。そのいっぽうでこれまであまり顧みられてこなかった精度を高め、対テロ戦に向いた装備として再評価されている短機関銃も存在する。

他の銃器との違い

ライフルとかマシンガンとかサブマシンガンとかややこしいYO!」
「連射できればマシンガンなんじゃないの?」
「『それはマシンガンじゃない!』って軍オタに怒られた…」
そんな人向けの簡単解説



大雑把にはだいたいこんな感じ。もっと詳しく知りたい場合はグーグル先生やそれぞれの個別記事を覗いてみよう。

なぜ”サブマシンガン” なのか

機関拳銃やら短機関銃やらのちゃんとした機説明がなされた名称が存在するのに、サブマシンガンという一見しただけでは分からない名称が存在するのか。
そのアメリカが制定した”禁酒法”にある。

”高実験”とも言われる(論皮禁酒法の制定によってアルコールが禁止され、密造の需要が急増した。その為ギャングが大量の密造によって多大な利益を上げ、懐に余裕が出来たのでいろいろな武器を購入、ギャングの抗争が化した。
日本ヤクザみたいに拳銃パンパンレベルではなく、当時出来たてほやほやトンプソンを大量購入し、中でドンパチ打ち合いするどこぞの内戦状態であった。トンプソンの2つ名である”シカゴタイプライター”は、中でよく聞こえるトンプソン射撃音がタイプライターみたいである事から付けられた事からも、どれだけ撃ち合いしていたかが分かる。ギャングが短機関銃で撃ち合いしまくっているので、拳銃しかなかった警察では撃ち負ける事が多々あった。
その為”にはを!”と言う訳で警察側もトンプソンを採用する事になったのだが、そこにマスコミが食い付いた。

マシンガン警察が採用するぞ!」

そう、短機関銃やら機関拳銃やらの名称をほっといて、自動で撃てるはすべて”機関銃”とどこぞの政党のように一括りで覚えていたので、トンプソン機関銃扱い、警察機関銃は過剰武装ではないか…と反対運動が起こり掛けたのだ。
しかし現場では撃ち負けているのでなんとしてもトンプソンを採用したい警察は、ひらめいた!

「これは軍隊では機関銃ではなく、機関銃サブウェポンです!だから機関銃を採用するのではありません!!」

と言うトンチ発言でこの場を乗り切り、見事採用を収めた。この発言によって、機関銃サブ武器=サブマシンガンという名称が発生し、以後短機関銃=サブマシンガンと呼ばれるようになった。

余談だが、ギャング同士+警察までトンプソンで撃ち合うようになったので、副次被害は以前にべて増した。さらに警察では、サブマシンガンどころか本物のマシンガンBARまで採用しようとしていたのだから、どうやらアメリカの強い武器大好き症は遺伝子モノのようだ。

関連動画

関連商品

関連項目

脚注

  1. *科学 知られざるファイア・アームズの秘密」かのよしのり SBクリエイティブ 2012 p.28
  2. *「図解 世界のGUNバイブル」つくば戦略研究笠倉出版社 2009 p.154

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サブマシンガン

92 ななしのよっしん
2022/01/03(月) 20:31:55 ID: AySItEVSCA
サブマシンガンは本来は軍問わず護身用と室内用であって
こう多的な射程はまず要らない
トミーガンの様な駄な炸ガバエイムになったらマジゴミだし
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93 ななしのよっしん
2022/01/03(月) 20:40:49 ID: yNsCIS14l+
言うてもわりと狙うのを放棄して、片手でばらまく方向の小SMGもあるし(スコーピオンイングラム)
マシンピストル化したグロックなんか見ると、バラマキ系も一定の需要があるのでは
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94 ななしのよっしん
2022/01/03(月) 20:47:24 ID: 36l6rwHqXR
第二次世界大戦ソ連軍みたいに「もう新兵にはとりあえずサブマシンガンPPSh-41)渡しとけ!」みたいな勢いで配備してたこともあったけど、それでもさほど問題にならなかったのは戦が多かったせいかな。
まあソ連軍の場合はサブマシンガン以上に小銃持った歩兵が腐るほどいたってのもあるが。
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95 ななしのよっしん
2022/01/03(月) 21:48:04 ID: AySItEVSCA
バラマキはあくまでハンドガンの延長線上のマシンピストルであるべきだからまぁ警察用だわな
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96 ななしのよっしん
2022/01/03(月) 21:59:55 ID: AySItEVSCA
ばらまく場面は本当に閉所や地での面制圧しなければならない場面とか相手が防弾装備もないクソ雑魚一般市民相手にする場合が多いし
というかマシンピストルでもハンドガンに該当すると弾数規制に引っかかるから装填数や3点バースト仕様ハンドガン妥協しないといけないというか・・・この辺面倒なんだよ
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97 ななしのよっしん
2022/01/10(月) 00:01:55 ID: k22CZ/dTrj
いや、9mm機関けん銃でもちゃんと狙って撃つよ?
面に狙えるのは3発までで、それ以上連射すると明後日の方向にいっちゃうけど
距離火力をばらまくだけなら、手榴弾を投げ込む方が手っ取りくて確実だから、わざわざを使う必要ないし
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98 ななしのよっしん
2022/01/13(木) 12:51:52 ID: AySItEVSCA
バラまいたら意味ないし拳銃弾をばらまくと最悪跳弾する
やるならバースト撃ちにする
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99 ななしのよっしん
2023/01/05(木) 12:05:29 ID: Xe41Xt3bbb
「なぜ”サブマシンガン” なのか」の文章、端的にいって上から下まででは?
禁酒法は1920年からだけど、トンプソン・サブマシンガン1919年からこの名前で販売開始されているわけで
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削除しました ID: YqQuxbuz0A
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101 ななしのよっしん
2023/02/24(金) 20:08:34 ID: NmrjlHaKTu
セミオートじゃ間に合わないけど奮して全部駄撃ちはやり過ぎ!を防ぐのがバースト射撃なのでばらまきと精密の二極表現だとどっち側になるかは言う人次第になるかなと
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