スペースガンダムVとは、1983年7月に公開された、韓国のロボットアニメ映画である。
概要
タイトル及び主人公の乗機である「ガンダムV」の名称は機動戦士ガンダムから、「ガンダムV」のデザインは超時空要塞マクロスのVF-1Jバルキリーのコピー、「ガンダムV」の岩の中から現れる登場シーンは勇者ライディーンとソックリなど、あからさまに日本のロボットアニメをパクって作られたロボットアニメである。
監督は「テコンV」シリーズの監督も務めた金青基(キム・チョンギ)。ポパイ化学の社長から日本の超時空要塞マクロスのバルキリーの非正規ライセンス商品(海賊版)をモチーフとしたパクリアニメの製作依頼があったことに加え、1998年に解禁されるまで韓国においては日本の大衆文化の輸入制限があった為製作されたとみられる。現在では考えられないが、インターネットが未発達だった当時は、海の向こうでどのような事をやろうが表沙汰にはなりにくかった事も大きいだろう。
だが文化の輸入規制はありながらも、韓国ではこの作品以前から長年日本のアニメーションの下請けを安価で請け負っており現場のノウハウが決して無い訳ではなかった(ロボットアニメでは「宇宙大帝ゴッドシグマ」等が有名。)。その為前述したような演出や、やたら描き込みの多い止め絵など、1970年代後半の日本のロボットアニメのような演出が節々に見られる。
またストーリーや演出は、"中身のないストーリー"や"使い回しのアクションと同じ敵の繰り返し"だった「テコンV」や「惑星ロボットサンダーA」等、過去のウリジナルロボットアニメと比べれば、これでもかなり頑張っている方であり、数種類の敵が登場する、主人公に憑依した宇宙人が現地の家族と交流する、一応ちゃんとガウォーク形態も出る、敵の親玉の名前やその死に様などキリスト教のプロパガンダのような怪しげな演出(韓国で最も人口の多い宗教でもある)など、ツッコミ所こそ多いがそれなりに考えられており最低限の見所のある内容にはなっている。
あらすじ
シグマ星の支配者ウラノスは、宇宙の秩序を守るために知的生命体の存在する惑星・地球を調査していた。彼が地球に送った部下ハデスは「地球人は戦争することしか考えていない価値のない存在だ」という偏向的な報告を送ったが、ウラノスは真実を確認するために最後の調査として現地にディケ特派員を送る。
地球に降りたディケは一週間地球人を観察した後、地球を保存するか破滅させるかを決定する任務を負っていたが、調査の最中、ガールフレンドをサメから救おうとして溺死してしまった少年タンイと遭遇する。ディケは死んだタンイの体に憑依し、彼の姿を借りて地球を探る事にした。
ディケはタンイの父や妹と生活するようになるが、死んだと思われたタンイが帰ってきたため家族は慌てて彼を受け入れるなど、ディケは地球人の温かみを知る。同時にハデスが自分の野心によって地球を征服しようとするがために、虚偽の報告をしたことを悟った。
やがてハデスはディケの報告を待たず、小さな生命体を巨大怪獣化できる先端技術を活用し、巨大ネズミ、巨大クモ、レッドアリーマー巨大コウモリを放って地球侵略を開始した。
ディケは石島に隠されている「スペース・ガンダムV」を出動させて、ハデスの刺客と戦う。
主題歌
主題歌:スペースガンダムV(스페이스 간담 V)
作詞作曲、2番以降は不明だが劇中では2番や3番が使用されている節がある。
本作の音楽はチョン・ミンソプとされるが、彼が手掛けたのかは不明である。
스페이스 간담 V (간담 V) 무적의 로보트 (간담 V) 스페이스 간담 V (간담 V) 하늘의 십자군 지구를 위해서 날아왔다 우주 저 멀리서 침략자들을 물리치며 용감히 싸운다 간담 V 스페이스 간담 V (간담 V) 정의의 용사여 (간담 V) 스페이스 간담 V (간담 V) 지구 위해 싸운다 |
スペースガンダムV(ガンダムV) 無敵のロボット (ガンダムV) スペースガンダムV(ガンダムV) 空の十字軍 地球のために飛んできた 宇宙の彼方から 侵略者を倒し 勇敢に戦う ガンダムV スペースガンダムV(ガンダムV) 正義の勇者 (ガンダムV) スペースガンダムV(ガンダムV) 地球のために戦う |
ニコニコ動画ではよく空耳がつけられ、ガンダムが韓国語では"コァンダム"と発音する為か「スペース簡単部位~」と言われたり、最後の一節が"チグ ウィエ サウンダ"である為に「ジブリなサウンド~」といったものが見られる。
韓国では
韓国のサイトにおいても「明らかな盗作であり、後年そのことに気付いた視聴者も多かった」「日本ではこれをガンダムシリーズに入れるかどうか、などと笑いの種になっている」などといったものが見られ、韓国でも共通の認識であると思われる。
関連動画
関連項目
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