セガマークIIIとはセガが1985年に発売したビデオゲーム機である。
概要
1983年に発売されたSG-1000は後継機のSG-1000IIと合わせて30万台以上の売上を記録していたが、ファミリーコンピュータに対しては特にグラフィック面での性能に差をつけられていたため、「打倒ファミコン」の掛け声の元に開発されたのがセガマークIIIである。
セガのアーケード基板であるSYSTEM IIを参考にVDPが強化された。ヤマハとの共同開発により、先代との互換性を維持したまま、ハードウェアスクロール機能の追加や同時発色数の強化(BG面に64色中16色、スプライトに64色中16色)が図られた。
1985年10月20日に発売された。同時発売ソフトは、「テディボーイブルース」と「ハングオン」であった。
ゲーム画面を無線で飛ばせるテレコンパックなど、周辺機器も多数発売された。
1987年には、FMサウンドユニット、ラピッドファイアユニット(連射装置)、3D-グラスアダプタを搭載した上位機、マスターシステムが投入された。
海外でも、セガマークIIIの仕様でマスターシステムという名前で売られていた。メガドライブ(ジェネシス)発売後も、一部の発展途上国では現役ハードとして売られ続けていた。特にブラジルでは1990年代以降も現役ハードで、2013年現在も、132本のソフトを内蔵したMaster System Evolutionを販売している。
特徴
オプションで、ゲーム専用機としては初となるFMサウンドユニット(FM音源)を用意した。発売後は大半のソフトでFM音源対応がなされたが、FM音源は仕様上CPU負荷が非常に高いため、使用すると処理落ちが頻発するようになるもろ刃の剣でもあった。
また下位ハード向けソフトを完全互換し、従来機の場合後付けが必要であったマイカードリーダ(カードキャッチャ)を本体に標準装備することでゲームユースにおいては必要十分なハードとなった。
(※マイカードとは・・・セガが85年7月に投入したカード型ROM。当初はすべてのゲームをこのメディアに置き換える予定であったが、上限がわずか256Kbit(32KB)しかなかったため、結局早期に廃れてしまった)
前述の発色数増、FM音源対応にあわせたソフトを供給するため、セガマークIII発売から新たに下記形態のシリーズ展開を開始した。
(※ゴールドカートリッジとは・・・1Mbit(128KB)~4Mbit(512KB)の大容量ROM(メガロム)。当初カートリッジの色は白であったが、マスターシステム発売にあわせて黒に変更された)
上記にあげたシリーズ名を冠するソフトは、「ロレッタの肖像」を除いてSG-1000II以前のハードでは起動できない。
(※ロレッタの肖像とは・・・1987年2月18日に発売された、SG-1000対応のゲームとしては最後にして唯一のメガロム。パッケージでは全機種対応と表記されている)
セガがアーケードゲーム大手だったこともあって、ライバル関係にある他社の協力が得られず結局サードパーティはサリオ社のみに終わった。
セガマークIII購入のきっかけ
- 祖父、祖母に「ファミコン買って」とお願いした結果、家に届いたのがマークIII
- 父に「ファミコン買って」とクリスマスプレゼントをねだったところ、買ってきたのがマークIII
- サンタさんにクリスマスプレゼントとしてファミコンをお願いしたところ、翌朝枕の横にあったのがマークIII
- ファミコンを買いに行ったが売り切れていて、おもちゃ屋に体よく押し付けられたのがマークIII
- ファミコンを買いに行ったが売り切れていて、それでもファミコンが欲しいと泣きながら駄々をこねていると「もう!これでいいでしょ!」と母がキレながら購入したのがマークIII
上記のような事象が起きるのは当時ゲーム機というものが親の世代にそれほど認知されておらず、ゲーム機はすべて同じもので、平たく言えば「ファミコンとマークIIIには互換性がある」くらいに考えられていたためと思われる。コレジャナイハード。
またマークIIIのある家庭には何故かファミコンがないという共通点があった。
とはいえ、このマークIIIがきっかけでセガファンになった大人は少なくない。
代表的なソフト
セガマークIIIには、初期には「北斗の拳」、後期には「ファンタシースター」といったファミリーコンピュータでは再現出来ないような高品質なソフトも多数存在した。また、コンパイルが「アレスタ」など多くの良作を手がけていたのも見逃せない。
当時セガがアーケードで展開していた「体感ゲーム機」の移植も多くあったが、「スペースハリアー」を除くと残念移植も多く、特に「アフターバーナー」は某Beep誌で「アウアーアーアー」などと称される失敗作となってしまった。
そのような状況で、他ハードに移植されなかった代表作を以下に挙げる。
- テディーボーイブルース(マイカードマークIII)
- アーケードからの移植。当時としては珍しいタレントとのタイアップを行っており石野陽子(当時)の同名曲をBGMとして使用している。中山美穂にときめいたり、立花理佐が妖精になる2年も前にそのような作品を作っていたとはさすが「時代を先取りしすぎるセガ」である。ゲーム中に石野陽子は一切登場しない。
- F-16 ファイティングファルコン(マイカードマークIII)
- MSXからの移植。当時の家庭用ゲーム機には珍しいフライトシミュレータタイプのSTG。いくつものステータスを見ながら複雑な操作を駆使し、小バエのようなMIG機を叩くという地味なゲームではあったが、やり込むと奥深く、大人になってから再評価するゲームであった。なお、対戦プレイも出来たがフルスペックで遊ぶためには上記ソフトとマークIII、キーボード、テレビを2つずつと専用の通信ケーブルを要するため、その敷居の高さは今でも語り草になっている。
- 赤い光弾ジリオン(ゴールドカートリッジ)
- セガ発売の光線銃「ジリオン」とタイアップしたアニメを更にタイアップした作品。オリジナルの光線銃の設定はほぼゲームと無関係だが、箱庭型アクションアドベンチャーゲームとしては非常に評価が高かった。当時セガハードには該当のジャンルのゲームがなかったことも後押ししている。オープニングに流れる「ピュアストーン」は名曲。是非原曲ともに聴いていただきたい。因みにゲームシステムについてはコモドール64版・Epyx社製の「Impossible Mission」の移植だといわれている。
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