ドライブイン(Drive-in)とは、自動車で乗り入れられるように配慮された商業施設のことである。
概要
もともとは、車社会化の進んでいるアメリカ合衆国で誕生し、その後日本でも類似の施設を「ドライブイン」と呼ぶようになった。
北米
主に街道筋にある、巨大な駐車場を備えた商業施設で、ほとんどの場合飲食店である。
中のお店で飲食することもできるが、駐車場そのもので飲食できる場合も多い。メニューボードで注文すると、店員(カーホップ)が料理を車まで届けに来てくれる。飲食を店の外で行う場合は「ドライブスルー(Drive-thru)」と呼ばれる。
かつては、車に乗ったまま映画を見ることのできる「ドライブインシアター」も盛んであった。
日本の「ドライブイン」とは若干趣が異なるが、「片田舎にぽつんとある巨大な駐車場のある飲食店」というイメージは、アメリカのロードムービーなどでおなじみである。
日本のアニメでも、アメリカンロードムービー風のものにはこのようなドライブインが描かれることがあり、例えば『スペース☆ダンディ』では頻出である。
日本
日本でも、高度経済成長期以降のモータリゼーションに伴い、駐車場を完備したドライブイン施設が整備されるようになった。
主に大きな国道や観光地へ続く道路に設置されており、トラック運転手や家族連れ、団体観光客などを主なターゲットとしていた。
運輸業者をターゲットとする場合、料理の提供を自動販売機のみに頼った無人のドライブインも多数作られていた。このようなドライブインは「オートレストラン」とも呼ばれる。
日本道路公団(現・NEXCO)によって高速道路沿いにも同様の施設が作られ、これらは「サービスエリア」と呼ばれた。のちに、同様のサービスはパーキングエリアでも行われるようになり、NEXCOになってからはよりバリエーション豊かなサービスを提供するようになっている。
1980-90年代以降、通常のファミリーレストランも駐車場を完備するのが普通になると共に、より巨大な駐車場を完備した大型ショッピングモールが普及したことにより、家族連れは主にそちらを利用するようになった。そのため、彼らをターゲットとしたドライブインは激減してしまった。
また、大型車用駐車場や飲食スペースを完備したコンビニエンスストアが登場し、運輸業者の軽食としてはそちらのほうが便利になったことで、無人ドライブインはほぼ絶滅することになった。
現在残っている「ドライブイン」は、観光地に向かう途中の休憩施設が多い。
しかし、これらの役割も、国土交通省の認可を受けた「道の駅」に代わりつつある。
もしくは、「駐車場」を売りにしていたのは過去の話で、現在は普通の飲食店としての個性を武器に生き残っているドライブインも存在する。『ゾンビランドサガ』で有名になったドライブイン鳥は、「鳥料理専門焼肉店」という他にはない個性で地元の人々に愛されている。
関連動画
ニコニコ動画では、陽気な料理人シリーズの人気が高い。
また、2010年代初頭にはまだ生き残っていた、無人ドライブインの自動販売機を物珍しさからレポートした動画も多く存在する。
2018年には、アニメ『ゾンビランドサガ』で佐賀県伊万里市の「ドライブイン鳥」がピックアップされたことにより、ニコニコ大百科の記事が「ドライブイン」よりも先に作られる事態にもなった。
関連項目
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